秋の憂うつ。気分が乗らないときは「○○すべき」の気負いに注意

JIJICO / 2019年10月11日 7時30分

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秋の憂うつ。気分が乗らないときは「○○すべき」の気負いに注意

秋本番です。スポーツに汗を流したり、バーベキューや紅葉狩り、ハロウィンパーティーなどを友人らと楽しんだりと、イベントがめじろ押しの季節がやってきました。ところが、活発に活動している人がいる一方で、なんとなく楽しい気分になれなくて、出かけるのがおっくうだったり、沈んだような気持ちになることはありませんか?

実は秋から冬にかけての季節の変わり目に精神的に不安定になり、気分が落ち込む人は少なくありません。どのようなメカニズムでそのような状態になるのか、秋の不調の予防や対処の仕方について心理カウンセラーの宮本章太郎さんにお話を聞いてみました。

憂鬱な人に「元気出して!」は禁句。求められたことに対応を。

Q.気候のよい行楽シーズンになりましたが、なぜか気分が落ち込む人は少なくないようです。どのような変化が心身で起こっているのでしょう?

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秋から冬にかけては気温の変動が激しく、それが体への負担となって自律神経の働きやホルモンバランスが乱れがちになり、心の状態にも影響を及ぼします。

そのような環境要因に加えて、楽しそうに見える人と自分を比べてしまって、「自分はあの人みたいにキラキラと充実していない…」と思い込み、気分が沈んでしまうのです。

そもそも人間は他人と比較する動物ですから、「人と比べて自分は…」と思って気分が落ち込むのは自然なことです。他人と比較することは成長につながるという良い面もありますが、このような場面では比較する必要がありません。なぜなら、キラキラしているように見える人がその人の本質であるとは限らないからです。表面的なことにとらわれず、マイペースでいることを心がけるようにすると気持ちが穏やかになると思います。

Q.イベントなどを楽しみにしていても、直前になるとおっくうになり「天候不順で中止になればいいのに…」と心の中で願ってしまうこともあるようですが。

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自分でイベントを企画したり、人から楽しいお誘いをいただいた時点ではテンションが高くなっていたのが、時間がたつにつれてそれほど楽しみではなくなってくるのは普通の心理状態です。人間の集中力や情熱は長くは持続するものではありません。時間とともに落ち着いてくるのが自然です。

恋愛を例にとるとわかりやすいと思います。恋愛がスタートした当初はお互いに盛り上がって、毎日ワクワクドキドキするものです。しかし、そんな心臓に負担がかかっている状態が長く続くと体に影響を及ぼします。自然のメカニズムとして、ニュートラルな状態に戻ってくるのです。

Q.「なんとなくの心の不調」はそのままにしておいても大丈夫なのでしょうか?

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秋から冬にかけては、環境要因によるところがありますので、特別に気にすることはありません。自分の状態に目を向けすぎることの方が抜け出しにくくなってしまうこともあります。

ただ、気分に変調をきたしやすいと思われる方は一度カウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。自分を見つめ直すきっかけになりますし、医療からのアプローチが必要であるかどうかを見極めてもらうためにも有益だと思います。

Q.気分がすぐれない時は、どのように過ごせばよいのでしょうか?日常生活で簡単にできる方法を教えてください。

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気持ちがなんとなく沈んでいる時は寂しくなったり、普段なら気にならないことが気になったり、人と比べて落ち込んでしまうことがあります。

元の自分に戻るためには、基本的にはまず、規則正しい生活を心がけましょう。ただし、気負い過ぎないことが大切です。「7時間睡眠をとらなければ」などと自分に「〇〇すべき」と課してしまうとかえってストレスになってしまいます。「マイペースで生活リズムを整えよう」ぐらいの、気楽な気持ちでいるのがいいと思います。

Q.自分のまわりに落ち込んでいる人がいる場合、どのように対応すればいいでしょう?

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本人が乗り気でないのに「気分転換になるから」と無理やりどこかに連れ出したり、「元気出して!」などと激励することは控えましょう。本人にとってはおせっかいでしかありません。「相談に乗ってほしいんだけど…」などと何か求めて来られた時に、親身になって耳を傾けたり、さりげなく食事や外出を提案するような形で自然に接していただくことが、本人にとって一番ありがたく思えることです。

Q.心の健康を保ち、毎日を生き生きと過ごすためには、日ごろからどのようなことを心がければよいのでしょうか?

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「『人生バラ色』とまではいかなくても、平穏な心の状態で毎日を過ごしたい」とカウンセリングに来られる方は少なくありません。

ただ、価値観や生活背景などは人によって千差万別です。「こういう心がけでいれば平安が保たれる」とは一概には言えません。

例えば、カウンセラーと対面して自分自身と向き合うことによって、ヒントが見えてくるなど、カウンセリングを受けたことをきっかけに自分の本当にやりたいことが発見できたり、前向きな力が芽生えることはよくあります。自分の人生に立ち止まった時には、カウンセラーを含め、まわりのサポートを受けてみるのもよいかと思います。

(宮本 章太郎/心理カウンセラー)

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