免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など
JIJICO / 2020年3月20日 7時30分
免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など
免疫力アップに重要な体温と肝臓の関係
私たちの生きる世界は、暑い、寒い、風が強い、雨が降る、湿度が高い、乾燥しているなど、さまざまな状態にあります。そして、人は自然環境に適応するための努力をしています。
私たち人間は、体温の維持一つをとっても、体内では激しい生命活動を繰り返しています。体温維持に主な役割を果たしているのが、肝臓です。 そのため、寒いところに長時間身を置く、薄着をして生活する、冷たい物を飲食することは、肝臓の疲労を助長します。また、日常生活の中で意外に見落としやすいのは室温です。15度以下の部屋で生活をして体調を崩している人が少なくありません。体温維持が困難になると、風邪をひきやすくなります。免疫力低下につながり、ウイルスや細菌の感染をおこしやすくなります。
免疫力アップに効果的な体温維持に必要な室温はリラックスして過ごす時は26~28度が理想
私たちの体温は、36.5度から37度が理想です。36度以下の人は病気を引き起こしやすく、35度以下だとどのような病気になってもおかしくない状態と言えます。室温と体温が同じ温度であれば、体温維持をするための体力を使わないで済みます。しかしながら、人は活動すると熱を生み出しますので、体温が上昇します。
体温と気温が同じだと、体内で生命活動をしているため、体温が気温を上回り、暑いと感じます。リラックスして過ごすときは、薄着でゆったりとした服装が理想的です。その際の室温は、26度から28度くらいが適当ではないかと考えます。
食事をするときは、食べることによって熱量が発生しますので、21度から25度くらいが快適だと思われます。掃除や洗濯など家事労働をしているときは、薄着でも体温が上昇します。そのため、18度から21度くらいが適温だと考えます。外出するような服装や背広を着て仕事するときの室温は一概に言えませんが、室温管理は、健康維持のポイントと言えるでしょう。
体に直接触れる暖房器具は使い方に注意
日本は、夏の時期以外でも温暖です。春や秋は、暖房器具を使用しないで過ごすことは可能ですが、気温が低い日や日当たりの悪い所は室温が低くなっています。 それゆえ、冬期以外でも室温に注意を払う必要があります。部屋を暖める方法はたくさんありますが、温度を一定に保つ器具に長時間にわたり接することがないよう注意が必要です。
床暖房、ホットカーペット、電気毛布などは、暖を取るとき直接肌に触れますので、一時的に冷えたからだを温める方法としては有効です。エアコンやストーブなどで室温が上昇するまでの間は効果的ですが、室温が一定温度に上昇し体温が上がった後も、上記のような器具が体に触れていると、今度は放熱のために汗をかくなど体熱が外に出やすくなります。外気温は体温より低いので、暖房器具から離れると冷気が体内に入り込み、結果的に体温は低下します。
こたつ、湯たんぽやカイロのような類いも同じです。常用すると、結果的に体力を消耗して、風邪をひきやすくなります。体を温めようと思った行為が、逆に体を冷やす要因になっていることに気づいていない人が少なくありません。体温が下がると免疫力が下がり、上気道炎(かぜ症候群)などになってしまうほか、低体温化も原因の一つと言われる花粉症を引き起こしたりしてしまいます。
体温維持には適度な運動をすることも大切
エアコンにより暖房している部屋で過ごしている児童は、暖房をしていない部屋で生活している児童に比べ、風邪をひきにくいと言うデータが出ています。「子供は風の子」と言いますが、室内でゆっくりするときは、暖かい部屋で過ごすことが大切であることを示しています。とは言え、体温を維持するためには運動をすることも有効です。内臓が体熱を生み出し、血液が均等に流れることで体温は維持されていますが、筋肉が収縮することによる熱の発生も、体温維持にはとても重要です。 どこかへ出かけなくてもできる運動はたくさんありますが、その中でもヨガはおすすめできる運動方法のひとつです。
運動をして汗をかくことは体温を維持するために大切です。体が冷たい、体温が低いと感じている場合は、自宅でもできるヨガや体操などを始めてみてはいかがでしょう。
(清野 充典/鍼灸師)
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