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流行り病を克服した後における組織の在り方について

JIJICO / 2020年4月24日 7時30分

流行り病を克服した後における組織の在り方について

流行り病を克服した後における組織の在り方について

コロナ禍で改めて見直したい組織の在り方について

世界的にCovid-19が猛威を振るっている昨今、働き方若しくは組織の在り方について根本を見直す時がきているように思えます。丁度良い機会ですので、私が経営再建ビジネスに携わるようになった30代前半から感じていたことを言語化してみます。突然ですが、『秘密戦隊ゴレンジャー』ってご存知ですか?1975年から2年間、放送された戦隊ヒーローの特撮アニメーションですが、現在の戦隊ヒーロー特撮ものの原点となった作品で、私を含め当時の子どもたちに絶大な人気を集めました。これよりこの『ゴレンジャー』をモチーフに、どういった組織が理想的なのか?という私なりの持論を展開していきます。ゴレンジャーはその名の通り5人のヒーローで組成されており、赤、青、黄色、緑、桃のパーソナルカラーが有り、それぞれ「アカレンジャー」「アオレンジャー」「キレンジャー」「ミドレンジャー」「モモレンジャー」という陣立てです。この5人のヒーローが一致団結して悪の黒十字軍と闘っていくのですが、彼らのコンビネーションが組織論を語る上で参考になります。

私による5人のキャラ分析は以下の通りです 「アカレンジャー」は熱血漢でバイタリティのあるまとめ役。 「アオレンジャー」は冷静沈着、ニヒルでクールな一匹狼。 「キレンジャー」は単細胞だが愛嬌があるムードメーカー。 「ミドレンジャー」は生真面目で実直な実務型。 「モモレンジャー」はリーダーを陰ながら支えるタイプ。

個々人の力はそれなりにあるものの、やはり5人揃わないとゴレンジャーとして力を最大限発揮できないというのがポイントです。まとめ役である赤レンジャーが主役であり、赤レンジャーがいなければ始まらないというところはありますが、誰一人欠けても最強の状態からは著しく戦力がダウンします。これを現代の企業組織に当てはめてみると

「アカレンジャー」は会社、組織をまとめあげるリーダー。 「アオレンジャー」は戦略、謀略、戦術を司る参謀。 「キレンジャー」はフロントエンドにおける戦闘要員。 「ミドレンジャー」はバックエンドにおける技術開発要員。 「モモレンジャー」はトップの懐刀的な補佐役。

という具合に。もう少し具体的な役職に当てはめてみると 「アカレンジャー」はCEO・COO。 「アオレンジャー」はCIO・経営戦略室長。 「キレンジャー」は営業本部長。 「ミドレンジャー」はCTO・工場長。 「モモレンジャー」はCFO・人事部長・総務部長。 となります。ざっくり言うと、レッド、ブルーはフロントエンドとバックエンドを両方見る役割、イエローはフロントエンド、グリーンとピンクはバックエンドにおける重要なポジションを担うという感じでしょうか。ここで面白いサイトがあるので紹介しましょう。

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組織内のミスキャストで会社が傾くことも

自分のカラー(ネイチャー)が自分の携わっている仕事若しくはタスクと著しく違っている場合は相当フラストレーションが溜まっていると推察しますが如何ですか?さて、あなたが何レンジャーかわかったところで、周りをも見渡してみてください。あなた自身もさることながら、ミスキャストになっている事例ってよく見受けられると思いますよ。元来赤レンジャーや青レンジャーが担わなければならないリーダーのポジションにモモレンジャーが居座るとどうなるか。私が昔在籍した会社でトップが急死、経理担当役員が社長に昇格したケースがありましたが、正直つまらない経営でした。モモレンジャーは元来トップの付き人、金庫番的な存在ですから経営ビジョンといったものからは一番遠い存在にあったりします。猪突猛進型の黄レンジャーがトップになると杜撰な経営で会社を傾かせたり、堅実な技術系のミドレンジャーがトップになると会社から面白さやダイナミズムが失われたりと枚挙に暇はありません。それから青レンジャー、これは私の経営経験則から自信を持って言えますが、戦略家・参謀タイプの青レンジャーはリテラシーも揃っていてビジョンや経営哲学もありますが、如何せん一匹狼的要素が大きくて愛嬌が無さ過ぎるのが玉に瑕。やはり組織を上手く纏めるのは赤レンジャータイプの人間が適任といえるでしょう。赤レンジャーばかりの組織だとこれまた収集がつかないダメ集団になることは言うまでもありませんが。自分は何レンジャーなのか、そして組織の中でどういうポジショニングがあなたにとって最適なのかを知ることは勿論重要ですが、それと同時にあなた自身の人間としての成熟レベルを把握することも非常に大事になってきます。

心理的レベルから考える理想の組織

ここで大人の「発達の心理的レベル」というものについて紹介します。下のレベル①~⑥は心理的レベルを表しているものですが、これらを理解する上でひとつのルール・原則があります。それはあなたの実年齢は精神年齢を絶対に超えないということ。例えば、あなたの実年齢が40歳であればレベル④を超えて上にいくことはありません。亀の甲より年の功とはよくいったもので、それなりの年輪と経験を重ねて初めて見えてくるものがあるということです。

レベル①(精神年齢:10~20歳、人生におけるステージ:環境に流される) まだ自分の足で立つ、即ち自分で自分の人生を切り開く、ということの意味もよく理解できていない、他人任せの人生。

レベル②(精神年齢:20~30歳、人生におけるステージ:模索) 自分の強みというものがどこに存在するのか、やりたいことをするにはどうすればよいかを把握し始める。

レベル③(精神年齢:30~40歳、人生におけるステージ:多種多様な経験) 多くの困難や挫折に見舞われながらも自分の強みを生かし、やりたいことを追求するために自己鍛錬に励む。

レベル④(精神年齢:40~50歳、人生におけるステージ:経験+蓄財) 数多くの成功、失敗に裏打ちされた独自の人生哲学を確立。

レベル⑤(精神年齢:50~65歳、人生におけるステージ:開花) 独自の人生哲学に基づいたライフワークに従事する。

レベル⑥:(精神年齢:65~80歳、人生におけるステージ:悟りの境地に入る) 自己実現を達成させた感に包まれ、全てを赦し受け入れる。

因みに、戦後日本に君臨したマッカーサーが「日本人の精神年齢は12歳である。」と酷評したことはご存知ですか?現代の日本はどうでしょう。状況が改善されているとはとてもじゃないが言えないし、どう贔屓目に見ても同レベルではないでしょうか。思考停止の幼稚な老若男女が我が物顔で跳梁跋扈しているのが今の日本、即ちレベル①の人間がマジョリティを占めているのが悲しい現実と言えます。流石に自分で会社を立ち上げるような人間が①②レベルっていう例はあまり無いでしょうが、①②レベルのサラリーマン社長といった類は少なくありません。組織を束ね得る人間はせめて③④のレベルに達していないと厳しいでしょう。肩書きがあれば何とかなった時代はとっくの昔に終わりを告げており、今はその人の人間力、即ち経験、迫力、哲学、そして強さに立脚した優しさが必要不可欠です。

心理的レベルの表にゴレンジャーのコンセプトを付け加えてみると

このようになりますが、あなたとあなたの周りの人間はどこにプロットされていますか?

組織の上位から下位まで⑥から②の間、そして全てのカラーに均一にプロットされている集団は力強いでしょうね。一億総白痴化が完成しつつある我が国においては⑤と⑥にプロットされる人材自体が存在することは稀であるから、せめて④を筆頭に全ての色にバランスよくプロットされている組織が現実的な線での理想形といえるのではないでしょうか。

成熟した人間が己の強みを発揮し合える組織を目指す

人はひとりでは生きていけません。仏門に入って俗世との繋がりを一切断ち切ったとしても人間との関わりというのは常について回るものです。この世には無数の組織体が存在し、それぞれが複雑に絡み合って社会が形作られていますが、どんな組織も抱えている問題の根は同じ。「ミスキャスト」、この一語に尽きると思います。己を知らない我欲ばかりが強い幼稚なメンタリティの持ち主が他人を支配することに汲々としている光景をよく目の当たりにしますが、所謂高学歴と言われる人間、若しくは学歴にコンプレックスを持っている人間にこの傾向が強いように見受けられます。レッド、ブルー、イエロー、ピンク、グリーン、当然人間は誰しも多面性を保持していますから全ての色を内包しています。その中で一番自分らしさが発揮できる色、即ち自分のトゥルーカラーを理解し、人生と真摯に向き合うことで自身の成熟度を高める努力を怠らなければ、ある程度面白い人生を歩める筈です。そういう成熟した人間が己の強みを発揮し合える組織、これこそが理想の組織であると私は考えます。

付け加えるなら、これからの時代は閉塞感に満ち溢れている従来の縦型組織に縛られずに横型ネットワーキングビジネスを自ら展開できる人が主役となります。

(生津 賢也/ビジネスコンサルタント)

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