こんな時だからこそ子どもと一緒に楽しめるゲームにチャレンジ!
JIJICO / 2020年5月8日 12時30分
こんな時だからこそ子どもと一緒に楽しめるゲームにチャレンジ!
在宅が続き大人も子供もストレスが増加傾向に
新型コロナウイルスの影響により、子ども達は園や学校を休まざるをえなくなり、大人達は在宅ワークをするようになってきています。外で遊ぶ時間が減り、旅行に行くことも出来ず、ストレスを抱えている人は多いと思います。さらに、親子が同じ空間にいる時間が増えたことによるストレスの増加も問題となっています。親子関係に限らず、人は適度な距離間があるから長く仲良くできるものです。一緒にいる時間が長い日が何日も続くと、気に入らないところに目がいきやすくなってしまい、イライラしやすくなります。
こんな時だからこそゲームで親子の信頼関係を深めましょう
一日中家でゴロゴロ、ゲーム三昧、宿題をなかなかしないといった我が子の姿を見て、親はこんなはずじゃないのにと思うことでしょう。しかし、視点を変えると、子どもとの信頼関係の構築、子どもの新しい部分を目にする時間があるということが言えます。現状で何が出来るか、その一つがゲームです。今回のコラムでは、子どもと一緒に楽しめながら成長も実感えきるアナログゲーム、テレビゲームをご紹介します。
※本来なら専門的な知識(発達障害や特別支援教育)を絡めながら書くのですが、今回は親子にお勧めしたいポイントを書きたいと思います
敗者のいないアナログゲーム 『ディクシット』
『ディクシット』というゲームは、2010年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、世界中にコミュニケーション・ボードゲームのブームを巻き起こした世界中で人気のボードゲームです。詳しくはこちらを参照ください。 ディクシット
私が運営する教室のソーシャルスキルトレーニングでよく使う共感性ゲームで、コミュニケーションツールとしても非常に有効です。ルールはいたって簡単。自分が出したカード(イラスト)を当ててもらうカードゲームで、対象年齢は8歳~となっていますが、サポートの仕方次第で年中ぐらいでも出来ます。
おすすめポイントは次の通りです。 ①子どもの発想力に爆笑 カードには、不気味さと可愛さが混在したイラストが描かれていて、一度見ると忘れられません。あまりにも特徴のある画風なため、何度見ても思わず笑ってしまい、自然と会話が弾むのを何度も見てきました。イラストを当てると言っても、全員に当てられたら逆に得点が入らないので、相手に通じるか通じないかの微妙なラインでヒント(お題)を言う必要があります。ヒントの出し方はその人の感じ方やイメージ力によって違い、その違いが楽しさの一つでもあります。慣れてくると、子どもはとんでもない発想を閃きます。すると、「なんでやね~ん」「そんなヒントで分かるか~」「そうきたか!?」といった言葉が笑い声と共に飛び交います。親も子どもも本気で笑えるので、ストレスが発散されやすいでしょう。
②共感する機会が増える 自分の感じたことをヒントとして出し、その結果当ててもらえると、不思議なことに自分の存在を肯定してくれた、共感してくれたと感じます。正解した側は口々に「俺も(私も)そう思った」と言うので、お互いが嬉しくなります。親子が長時間一緒にいると、子どもは叱られることが増え、「共感してもらえない」「認めてもらえない」という考えに至ることがあります。親は親で「自分の気持ちを分かってくれない」「なんで叱ってしまったのだろう」と後悔に苛まれることもあります。そんな時は共感する機会を設けることが必須。ギスギスした親子関係の再構築にも一役買ってくれるゲームです。
③勝ち負けはどうでも良くなる 得点によって順位を決めるゲームではありますが、このゲームを終えた時に物凄く悔しがる人を見たことがありません。むしろ、一緒に楽しめた、自分に共感してもらえたという喜びが強く残るので、皆一様に笑顔になります。親としては、負けて悔しがる子どもの姿はあまり見たくないかもしれません。だからといって、わざと負けるのもストレスになります。そういう心配をあまりしなくて良いのもメリットです。
私はこれまで生徒と共に色々なアナログゲームをしてきましたが、勝敗を決めるゲームで敗者がいないと感じるのは、現時点ではディクシットしか見た事がありません。アナログゲームで一番お勧めのゲームです。
※専門的な見解を書いた記事は、ひだち教室のブログにも掲載する予定(5月10 日までに)なので、そちらも一読ください。
コミュニケーションがカギ『オーバークック』
『オーバークック』とはニンテンドースイッチとプレイステーション4で発売されている、料理ゲーム。現在は1~2まで発売されています。詳しくはこちらを参照ください。 オーバークック
親子で楽しく、かつ、真剣に遊べるゲームです。内容は、オーダーされた料理を協力しながら作り、指定された場所に運ぶというもの。ルールは簡単ですが、同時作業が求められるゲームなので難しさもあります。見方によってはマルチタスクのトレーニングにもなると思います。
おすすめポイントは次の通りです。 ①仕事にも通ずるコミュニケーション ステージをクリアするには一人では困難で、物理的にも一人では無理なステージもあります。効率良くゲームを進めるには、二人のコミュニケーションがなによりも重要。臨機応変のコミュニケーションだけでなく、事前に役割分担や行動の仕方等を話し合う必要もあります。これは将来子どもが大きくなるにつれて求められる能力だと、親はゲームを通じて実感することでしょう。
②子どもの成長を感じられる ゲームは経験を積めば必然的に上達します。このゲームは操作という点だけでなく、「たくさんの注文の中から何を優先的に作るか」「どういう順番で料理をするか」「どんな材料が必要か」「どの工程を仲間(親)に任せるか」といった合理的な思考も育まれます。子どもは最初こそ苦戦すると思いますが、経験を積んでいくと出来るようになります。それだけでも成長を感じられますが、現実世界と結びつけることも大切。子どもが出来るという自信がついた時に家庭で一緒に料理をすると、以前に比べて優先順位のつけかたや判断力が変わっていることに気がつき、成長を感じられるでしょう。
③達成感が大きい ステージをなかなかクリアできないと、お互いの意見を真剣にぶつけ合うようになります。イラっとくることもありますが、それでも二人で協力してクリアすると、大きい達成感を得られます。現在の社会状況では、達成感を得られる機会というのは限られてきます。だからこそ、このゲームはうってつけだと思います。
以下はオーバークックを楽しみながら子供の成長を促すコツになります。 ①子どもの意見を採用してから意見を言う 子どもは自分なりにどうやってステージをクリア出来るかを考えます。場合によっては非効率な案を提案してくれるかもしれません。親は訂正をしたくなりますが、それをグッと飲み込んで頂き、とりあえず採用して実行してください。子どもは意見を受け入れてくれたという嬉しさで、より能動的に対策を考えるようになります。もし上手くいかなくても学びとなり、親の案にも耳を貸してくれるでしょう。
②多くても1日3ステージぐらいで抑える コツを掴むまでは、話し合いに時間がかかります。最初こそ楽しいですが、毎ステージ話し合いをしながらゲームをするとなると、親子共々ストレスになってくるので、多くても3ステージで抑えた方が良いです。
③感謝の言葉をかける 子どもの働きがなければ、クリアをすることは困難です。自然と「ありがとう」と言う場面が出てきますが、中には「お前が要領悪いから時間がかかったやん」と言う親もいます。それを言うと全てが台無しになります。クリアしたら、「よっしゃ~」「ありがとう」といった感謝の言葉を言いながら、ハイタッチすることを推奨します。年齢が高くなるにつれて子どもは親に感謝の言葉を言うのを照れ臭くなりますが、ハイタッチならやってくれます。
『ディクシット』も『オーバークック』も面白いですが、毎日するものではありません。あくまで息抜きの一つとして活用してください。日々の生活に楽しさと成長の機会を織り交ぜながら、新型コロナウイルスに勝ちましょう!
(安藤 和行/ひだち教室長)
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