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就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは

JIJICO / 2020年8月12日 7時30分

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就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは

就寝中のクーラーは睡眠の質を悪くする

8月は1年の中でも最も暑い季節です。高温多湿の日本では、寝苦しい日が続きます。安眠を得るために多くの人がクーラーを利用しているようです。整理してみると

1.寝る前に寝室をクーラーで冷やし寝るときは消して就寝する 2.クーラーを2時間タイマーかけた状態で就寝する 3.タイマーをかけて就寝しているが暑くて目覚めるたびにクーラーをかけて就寝する 4.寝室ではクーラーをかけないが隣の部屋のクーラーをかけドアを開けて就寝する 5.一晩中クーラーをかけて就寝している

と言うパターンが多いように思います。クーラーをしていると室温は一定に保たれます。人も体温を一定に保とうとする恒常性という働きがあります。体温は36.5度から37度が理想です。クーラーを何度に設定するかによりますが、28度に設定しているという話を良く耳にします。仮に28度とすると、身体は9度冷やされます。一晩中クーラーをかけ8時間睡眠を取っている場合、身体は8時間もの間9度体温を上げるための努力をしている事になります。寝ている間、身体に熱を作り出すための労働を強いているわけです。そのため、目がさめた時には一日の疲労が取れないばかりか、翌日の体力をも失っていることに繋がりかねません。寝た気がしないという人も少なくないと思います。就寝中のクーラーは、睡眠の質を悪くしています。

クーラーの中にいると体温調節機能が低下して免疫力が落ちる

一日中クーラーの中で仕事をしている人は少なくないことと思います。日中は、洋服を着ています。活動もしていますので、体熱を作っています。特に、頭脳労働をしているときは、脳に血液が集まりますので、頭は熱く感じます。そのため、クーラーで身体を冷やすことは心地良く、集中力の継続に役立ちます。しかしながら、一日中体温調節していることになりますので、通常の労働と合わせ体内疲労が蓄積してきます。少しずつ、体温調節する機能が衰えてきます。やがて、クーラーの中にいて寒いと感じるようになります。このような状態の時、外へ出ると最初は体温が上昇して心地良いですが、体温調節機能が低下している人は、少し時間が経つと体温は上昇しすぎて、外気温以上に暑いと感じるようになります。クーラーの中にいないと暑さを我慢できない体調に陥ります。この状態は、体温維持が難しくなっている状態ですので、内臓活動の連携が十分機能していない状態です。見方を変えると、免疫力が低下し始めている状態です。筋肉の働きが低下するとぎっくり腰や寝違えを発症します。腸の機能が低下すると下痢や便秘になります。この状態が続くと、いろいろ不快な症状を感じるようになります。クーラーの中で常時生活する怖さ知ることは、健康を維持するための重要な鍵となります。

クーラーを使用しないで過ごす方法は?

日本の夏は、気温が体温を超える日はほとんどありません。そのため、理論上クーラーは必要ないと言えます。特に、就寝時のクーラーは厳禁です。様々な内臓機能の低下を招きますので、基礎疾患を持っている方は、症状の悪化を招きます。冬に発症する症状を訴えて来院する人が後を絶ちません。日中の気温が高くなる時間帯は、直射日光を避け、窓を開け、薄着をして過ごし、汗を流しながら適度に冷たい物を食べて体温の上昇を抑えることが、理想的です。窓を開けても、風が通らないときは、扇風機を利用して、体には直接風が当たらないように注意しながら対流を起こすことにより、体感温度の低下を感知できます。手を水で洗う、額や脇の下に冷たいタオルを押し当てることなども、有効です。ただし、冷たいものを飲食し過ぎて腸を冷やし過ぎると、身体に力が入らなくなりますので、飲食による体温の低下には注意が必要です。クーラー以外に、低体温を誘発する冷感マットの類いや氷枕を睡眠の間中使用することは、クーラーを使用しているときと同様の症状を引き起こします。適度に使用することが、ポイントです。しかしながら、暑さ対策には、湿度や輻射熱等も考慮する必要があります。健康な人であっても、気温が31度を超え始めたら、クーラーをしないで過ごせる環境かどうか、危険性の回避を検討する必要があります。

クーラーとの上手な付き合い方とは

クーラーを使用しないで過ごすことは理想ですが、窓がない部屋、ホテルなど窓を開ける環境にない部屋、窓を開けると音がうるさい・排気ガスが入ってくるなどの環境や防犯上窓を開けて過ごすことは危険な環境、車の中など、クーラーを利用せざるを得ない場合も多いことと思います。クーラーは、換気の役割も果たしますので、密室状態を避けるために、エアコンの使用は必要です。また、高齢者は、体温調節機能が低下しており、基礎疾患を持っている人はのどの渇きを感じづらくなっているため、水分補給をしない人が多くみられます。年齢にかかわらず、体温調節機能が低下している人は、クーラーの使用が熱中症対策に必要です。免疫力が低下している時は、34~35度の体温になっている人が多いため、気温が34度を超えると体温の調節機能が適切に働かないで37度を超えてしまう場合があります。熱中症になる危険性がありますので、クーラーの使用や冷たいタオルで頭や脇の下を冷やす、団扇(うちわ)を仰ぐ等して、体温を調節する必要があります。 マスクを着用している人は、汗をかいていても口中内は水分が蒸発しないため、のどの渇きを感じづらく水分摂取が不足しがちです。クーラーの中で仕事をしているとなおさらのどの渇きを感じづらいため、熱中症を引き起こす危険性が高くなります。日中クーラーを使用する際は、設定温度が重要です。気温が体温を超えない状態であれば、設定温度が外気温より1度低い程度が望ましいと考えます。その際、扇風機等を併用して、対流を起こすとより効果的です。 睡眠のリズムは体温と関係があります。体温が下がってくる時に眠りやすく、体温が上がっていく時に睡眠が終わって目覚めやすい、というのが一般的なリズム・生理現象(サーカディアンリズム)です。目覚めている状態から眠りに入ると、深部体温はさらに下がります。この時、皮膚の血管拡張によって皮膚の温度は上昇し、さらに発汗量も増えるため、密室状態だと寝苦しく感じます。長時間クーラーを使用していると冷たい空気を吸いこんでいるため、深部温の低下を助長しますので、体温を維持するための作業をし始め、目覚めやすい状態になります。就寝する際は、就寝30分前から就寝後30分もしくは1時間クーラーをタイマーで設置することが、クーラーの影響を最小限にとどめる方法だと考えます。狭い部屋の場合は、なるべくドアを開け放し、扇風機等を利用して、寝室内の換気や対流を促進する工夫が必要になります。途中で目覚めた時は、団扇(うちわ)や扇子(せんす)が有効です。すぐ体温が下がりますので、入眠を得やすくなります。

体温低下を解消し免疫力を向上させるには適切な運動と鍼灸治療がおすすめ

私自身は、職場や自宅でクーラーを使用していません。クーラーをしていないと暑いと思っている患者様も、診療中クーラーのかかっていない状態の部屋に10分以上横になっていると体温の調節機能が働き始めて、心地良さを感じるようになります。夏は、低体温気味の身体を治すことが出来る最高の季節です。常温での生活をしているだけで、免疫力は向上します。体感温度は、様々な要因があり一概に言えませんが、暑くてクーラーを付けたいと思った時が、クーラーから脱却するときです。薄着にして、窓を開け、扇風機を付けて対流を起こし、適度に冷たいものを飲み、少し体を休めていただければ、健康を獲得できます。 クーラーの中での仕事や生活を回避できない方は、ヨガ・YOGAをして体温上昇に努めることを薦めます。また、鍼灸治療や瘀血治療で体調管理をしていただきたく思います。身体が温まり、様々な生活に支障がある症状を取り除くことが可能な医療です。お近くの鍼灸院を、是非ご利用いただきたく思います。

(清野 充典/鍼灸師)

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