新入社員を五月病から守る秘訣
JIJICO / 2015年5月14日 18時0分
新入社員を五月病から守る秘訣
入社から1か月、新入社員に多い「五月病」
ゴールデンウィーク明けあたりから、会社や学校へ行くのが億劫になってしまう、いわゆる「五月病」。五月病は現代に限ったことではなく、ずっと以前から存在していますが、メンタルヘルスが社会問題になってきた昨今は、企業としても五月病をできるだけ事前に防ぎたいところです。
社員の中でも、五月病にかかりやすいのが、4月に入社した新入社員かもしれません。入社から約1か月、慣れない環境での疲労やストレスが、ゴールデンウィークという長期休暇により一気に表面化してしまうのです。ただ、五月病は個々の性格や状況などにも大きく左右されるものであり、企業として「何かをしたから、防ぐことができる」というものではありません。しかし、ストレスや不安を上回る喜びを感じられるように、日頃からサポートすることは可能です。
成長を感じられるよう、良いところを見つけて言葉で伝える
仕事に慣れるまでにはいかない状況であっても、一つずつステップアップしていることを実感できると自信につながります。「○○できるようになったね」「○○が良くなったね」「ずいぶんできるようになったね。○○まで、もう少しだ」など、適切な「フィードバック」が有効です。
褒めたたえるのではなく、注意や指導の中で「良いこと」も見つけて伝えることにより、「何をどのようにすれば、うまくいくのか」をつかむことができます。指導する側にとっては取るに足りない小さなことであっても、本人には大きな喜びにつながる場合が多いのです。
それにより漠然と仕事をするのではなく、「今度はこれができるようになろう」と目標を持って仕事に取り組むことも可能になります。目標がある人は、元気で前向きな気持ちになるものです。
日頃からの「承認」で「貢献していること」を実感させる
仕事に慣れずうまくいかなかったりすると、「自分は役に立っていないのではないか」という不安に駆られることがあります。特に新人は、ゴールデンウィークをきっかけにその不安が増大してしまうことも。
不安を取り除くためには、日頃から「承認」を行うことが大切です。スキルや頑張りを認めるのももちろんですが、「存在そのもの」を認めることが重要です。上司から積極的にあいさつや声掛けをしたり、お礼を言ったりすることは、まさに存在を認める行為です。仕事はまだまだだけど、「自分はここで頑張るのだ」という帰属意識にもつながります。
何と言っても日頃のコミュニケーションが大切です。仕事以外の場面でも、ちょっとしたコミュニケーションを重ねることで、お互いを知り、何かつらいことがあっても相談しやすく、「一人ではない」という安心感につながります。新人のうちは勇気が出ないので、できれば上司から声をかけてあげると良いでしょう。
重い課題をゴールデンウィーク中に持ち込ませない
加えて、ゴールデンウィーク前には仕事の「未完了」状態をすっきりさせることも有効です。「まだできていない」「連休明けには○○をしなければならない」「仕事が良くわからない」など、重い課題をゴールデンウィーク中に持ち込ませないこともポイントです。状況に応じて連休前に面談の機会を持つなどして、長期のお休みはすっきりとした気持ちでリフレッシュできるように、配慮してあげると良いでしょう。
なお、多くの場合、五月病は一過性のものだと言われていますが、単なる五月病にとどまらず、もっと深刻な状況になっている場合もあります。決めつけるのではなく、しっかりと状況を見極めて対応することも重要です。
ストレスは個人差があるものの、万人に存在します。新人に限らず、ストレスを乗り越えるだけのモチベーションや仲間意識、安心感などを日頃から感じてもらえるような職場を目指したいものです。
(浜田 純子/企業研修講師)
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