「心を開く練習を…」ギャンブル依存性自助グループルポ

WEB女性自身 / 2014年11月7日 7時0分

とある平日の夜7時。千葉県内にある公民館の一室に、30代から60代の男女が次々と集まった。ここでは毎週水曜日、ギャンブル依存症の自助グループによる、ミーティングが行われている。当事者だけが参加するこのミーティングは、心の内を明かし合える貴重な機会だ。
 
参加者のなかにはエリートサラリーマンとおぼしき風貌の人もちらほら。実際、会社でそれなりの役職に就く人もいるようだ。19時15分、予定時刻ちょうどにミーティングは始まった。
 
ミーティングでは互いの経験をわかちあうために、毎回テーマを設け、それに沿ったエピソードを順番に語っていく。「言いっぱなし・聞きっぱなし」が原則で、仲間の発言に口出しはしない。この日のテーマは「衝動」。時計回りに、告白は始まった。
 
最終的に集まったのは15人。途中、献金袋や寄せ書きが回されながら、全員の「わかちあい」が終了。皆、過去を反省しながらも「仲間の力を借りて、前進したい」と結んでいたのが印象的だった。最後は全員で手をつなぎ、「いまも苦しんでいる仲間の平安を祈って」と祈りを捧げ、21時に閉会。
 
ところが、参加者たちの大半は、近くのカフェで「2次会」をするという。この日も10人近くが集まり、コーヒーやビールを手に会話を楽しんだ。
 
本誌はそこで、参加者のハナコさん(62)に詳しい話を聞くことができた。会の途中で遅れてやってきたハナコさんは、パチンコ依存症を一度は克服したものの、買い物依存症を発症し、現在も依存外来に通っていると語った。
 
「夫がアルコール依存症で、パチンコ依存症でもあったのよ。結婚後、夫に連れられるままパチンコ店に入り浸って、一緒にハマってしまったの」
 
明るい口調で話すハナコさんだがその過去は重い。2人の子どもをもうけたが、夫の酒癖はひどくなるばかり。幻覚や暴力沙汰が日常茶飯事になり、結局離婚。その後も、ぽっかり空いた心と時間を埋めるようにパチンコに興じた。
 
「でも、ある年の大みそかに1月分の生活費もすべてパチンコですってしまってね。年越しそばも正月のお餅も買えず、近所の人におカネを借りて1週間食いつないだよ。役所が開くのを待って福祉の人に相談して、初めて、自分が依存症だとわかったの」
 
その後通院と自助グループを経て一度は回復し、職も得た。しかし、ずっと持てなかったクレジットカードが契約できたことで、今度は買い物依存症に陥ってしまう。
 
「今度は私が娘に嫌われちゃって、娘は家を出ていっちゃった。だから、生活を立て直すために通院しているの」
 
依存症によって家族を失ったハナコさん。同じ痛みをわかちあう自助グループは貴重な居場所。22時が過ぎ、記者がその場を辞したあとも彼らの会話は続いていた。完治のない病気との戦いを支えるのは、ほかでもない仲間たちの存在だ。

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