テロの標的、年金激減…専門家が語る96条改正の危険性

WEB女性自身 / 2013年5月26日 7時0分


政権与党・自民党が、次の参議院選挙の争点に掲げる『憲法96条』の改正問題が、いま大きな論議を呼んでいる。
 
96条というのは、憲法改正のルールを定めた条文である。現在は、衆・参両議院で、それぞれの総議員の3分の2以上の賛成で発議し、それから国民投票。そこで有効投票の過半数の賛成があれば、憲法の改正ができる。
 
「自民党は、この条文のままではハードルが高すぎるので、国会議員の“3分の2”を“過半数”に変えようとしています。もし、96条が改正された場合、政権与党の強行採決などによって、自分たちに都合のいい憲法改正案が、簡単に通ってしまう恐れがあります」
 
と、96条改正に警鐘を鳴らすのは、日本弁護士連合会憲法委員会副委員長で、法学館憲法研究所の所長・伊藤真弁護士。
 
「自民党草案の狙いは2つあります。日本独自の軍隊・国防軍を創設し、米国と一緒に海外で軍事行動ができるようにする。もう一つは、国が国民の人権や自由を制限できるようにすることです」(伊藤弁護士)
 
そこで、憲法96条が改正され、自民党の草案が憲法になったら、私たちの生活がどう変わる可能性があるのか。伊藤弁護士に解説してもらった。
 
【人殺しをする国防軍が新設され、徴兵制の導入も可能に】
「同盟国の米国が海外で戦争するときに、日本が助っ人で呼ばれ、米国と一緒に戦って、敵国兵士を殺すことが正当化される。さらに、自民党の草案12条には、国民の責務として“常に公益及び公の秩序に反してはならない”とある。草案では国防軍を創設するので、公益のための徴兵制導入も可能となります」
 
【子どもたちがテロに巻き込まれる危険性も。安心して遊園地にも行けない社会に】
「軍隊を持って海外へ出て行くということは、敵を増やすということになる。その結果、日本もテロの標的になるでしょう。子どもを連れて遊園地や行楽地に行くときも、常にテロの恐怖を感じながらの生活を強いられる国になってしまう可能性が大いにあります」
 
【国防費ができれば軍事費が増大。消費税アップ、年金激減も!】
「国の予算はこれまで以上に軍事費に回さざるをえなくなるでしょう。そうなれば、増税と社会保障費の削減は避けられない。消費税が20%になるのはすぐだと思います。増税のいっぽうで社会保障費は削減。医療・年金・ひとり親や育児・教育に対する様々な補助は、どんどん削減されていくに違いありません」
 
【国が公益と決めたことに、ネットやツイッターでも反対できなくなる】
「自民党草案の『表現の自由』を規定している21条の2項では“公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない”とあります。いわゆる脱原発のデモや集会への参加、あるいはインターネットやブログで、反対意見を発信することも禁止されるかもしれません」
 
伊藤弁護士によると、改憲派の憲法学者でさえ、96条のルール改正は言語道断、暴挙だと言っているそうだ。そして自民党の憲法改正草案については、まるで戦前に逆戻りしたような『治安維持法』だと猛反発している。
 
「そもそも憲法というものは、国民が国の暴走を縛るための道具です。それを普通の法律のように、国民に義務を課すための道具にしようとすること自体が、本末転倒なのです」(伊藤弁護士)

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