尾木ママ語る「五輪選手も…ゆとり世代は真のグローバル人」

WEB女性自身 / 2014年2月21日 7時0分

 ソチ五輪では、10代選手たちの快挙に日本中が沸いた。彼らは多くの物議を醸してきた“ゆとり教育”を受けた世代。この世代を「自己実現能力が高く、前例にとらわれない発想をする」と評する教育評論家の尾木直樹氏(67)が、「ゆとり教育は間違っていない」という持論を語ってくれた。

 そもそも『ゆとり教育』の理念は、個の尊重です。「あなたの個性をありのままを伸ばしていけばいい」というもので、これまでの一斉教育から個別教育への発想の転換だったのです。こういった教育を受けてきた世代は、今までに想像もつかなかったことを言い出します。
 羽生結弦くんは、試合本番前の記者の質問を「今日はふたつだけに限らせていただきます」と区切っていました。これは記者に冷たいとかではなくて、自分をしっかり持っているからです。自分にいまいちばん大切なのは何か、それを考えて取捨選択しているのです。

 彼が憧れていたロシアのプルシェンコ選手の演技を見たときに「ジャンプを磨かなければ彼には勝てない。そのためには何をすべきか」を考えて、ブライアン・オーサーに師事するためにカナダへ飛んで行くんです。英語も話せないのにです。
 その後、自分で英語を勉強して、パトリック・チャン選手と記者会見で同席した際には、彼が練習方法について話しているのを隣で聞き、その練習法を自分も試して技術を上げていくんです。視野がグローバルで、じつにスケールが大きいのです。そして、なによりも自分を大事にしています。

 スノーボードの平野歩夢くんも平岡卓くんも同じことが言えます。自分を大事にしているから、初めての五輪という大舞台でもあの滑りができたのです。平岡くんは、メダルを獲るためには2本めは大技を決めるしかなかった。「上手にやらなきゃ」とか思ったらダメなのです。「もう失うものは何もない、チャレンジしていかなきゃもったいない」という気持ちになった。これが、協会のためとか、誰かや何かのためとか考えたら、おそらくできない。そうではない。自分のためにチャレンジするのです。

 彼らに共通して言えることは、自分を大事にしながら自己を実現していくという点が、非常に強いこと。今までのように監督や上から言われたことをやっていく、出してくれたメニューをこなしていくという形ではなくて、自ら理想の形を作ったり目標設定をして、それに挑んでいく――。そんなスタイルに変わってきていることには、ゆとり教育の効果が出てきているんだと思います。

 スポーツはすぐに成果が出ますけど、学問や芸術は遅れます。5年、10年たってから効果が出てくるのだと思います。それなのに、簡単に3年でゆとり教育を元に戻してしまうなんて、私から言わせれば、よく考えない大人の思いつきです。ソチ五輪で彼らの活躍を見て、ゆとり世代の子たちを見直すきっかけになってくれれば嬉しいです。

(週刊FLASH3月4日号)

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