蟹江敬三さん 名優のルーツは「劇団仲間だった妻が託した夢」

WEB女性自身 / 2014年5月24日 7時0分

「今日は、あなたにどうしてもお別れを言いたかったという方たちが来てくださるのよ」
 5月13日、東京・青山葬儀場で開かれた蟹江敬三さん(享年69)のお別れの会。花と遺影、遺骨だけのシンプルな祭壇に、妻の綾子さん(70)はこう語りかけたという。

蟹江さんが所属していた「劇団青俳」の1年先輩で、演出家でルポライターの石飛仁さん(72)は、蟹江さんと綾子さんの出会いを次のように振り返る。
「知り合ったのは’64年で、当時は2人とも劇団青俳研究所の研究員でした。2年後に蟹江さんが劇団員になってから同棲をはじめたんじゃないかな」

 2人は68年に結婚。石飛さんは幾度となく夫妻の新居を訪れ、そのたびに芝居の話に明け暮れたという。
「夫婦ですが、演劇に関しては”同志”でしたね。綾子さんは、芝居に対する夢を蟹江さんに託したんだと思います」

綾子さんは自らの女優の道を断ち、複数のアルバイトを掛け持ちする形で家計を支えていたという。そのおかげで、蟹江さんは芝居に専念することができたのだ。
お別れの会に先立って行われた家族葬では、洋裁の得意な綾子さんが手作りしたシャツを棺に入れ、見送ったという。

「お別れの会でも、喪主を務めたのは長男の蟹江一平さん。綾子さんは最後の最後まで、裏方に徹していましたね」(演劇関係者)

 役者である夫を支えることに懸けた妻の矜持。それこそが、蟹江敬三という名優のルーツだった。

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