広島土砂災害 殉職消防士の妻「死に顔は安らかでした…」

WEB女性自身 / 2014年8月26日 0時0分

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 8月20日未明、記録的な集中豪雨により、広島市内では同時多発的に土石流が発生して、住宅地に襲いかかった。8月25日現在、死者・行方不明者は80人超にのぼっている。

安佐北区の可部地区では、消防士の政岡則義さん(53)が、畑中正広さん(40)の長男・和希ちゃん(3)を救出しようとして、一緒に土砂に巻き込まれた。和希ちゃんの両親は助かったが、2人は命を落とした。政岡さんには長男(30)と次男(29)、大学生の長女(30)の3人の子があった。21日に行われた葬儀には、多くの友人や同僚が詰めかけていた。

「じつは消防署に入った当初は、出世欲が強い男でした。でも働き始めてすぐに“弱い人や困っている人の役に立てる人間になりたい”と考えるようになったと本人が話していました。物事に対して石橋を叩くようなタイプではなく、気持ちで突き進む性格。だから今回、殉職したんです。熱い男です。私たちの誇りです」(小中高の同級生・浅田克也さん)

 5人兄弟の末っ子だったという政岡さん。長兄の正恒さん(64)は、「則義は末っ子なんですが、兄弟の中で一番仲が良かったんですよ」と故人を偲んだ。

「土砂崩れはほんの一瞬。子供を預かってそのまま逃げることもできたのに、他の人たちを助けるために、抱っこしたまま避難誘導していたがために被害に遭ったと聞きました」

 土砂に巻き込まれたはずなのに、遺体はキレイな顔をしていたという。3番目の兄の元妻(56)は、今でも則義さんの奥さんと仲が良いと葬儀に駆け付けた理由を話した。

「則義さんは、可部東が危ない現場だとわかっていたそうです。若い隊員に行かせるのは心配だから『経験豊富な自分が』と自ら志願したと奥さんから聞きました。奥さんは、『もし若い人に行かせて事故に遭遇させたら、夫は一生後悔していたはず。本人の顔も安らかで達成感に満ちていました』と話していました。でも『こんなに早く亡くなるんだったら、贅沢をさせとけばよかった』と後悔されて……。家族が多いから頑張って働いていたんですね。3人の孫は、保育園の年長、年中、そして末っ子がもうすぐ2歳になります」

 家族を見守る夢は、泥土に呑み込まれたーー。

女性自身

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