「あの人、発達障害じゃない?」ブームが産んだ“異常”を精神科医・香山リカさんと考える

女子SPA! / 2018年12月5日 8時46分

 落ち着きがない、整理整頓が苦手、コミュニケーションがうまく図れない……そのようなことが代表的な症例として挙げられる、さまざまな「発達障害」。これまでは主に幼児の例が話題に上がっていましたが、近年、成人してから発覚する「大人の発達障害」にも注目が集まっています。

 それに伴い、会社内などで「あの人はきっと発達障害だ」と他人が勝手に決めつけるケースも発生していて、中にはいじめに発展するケースもあるとのこと。もし自分のまわりでそのようなことが起きてしまったら、どう対処すればいいのでしょうか?

「今は発達障害という言葉が、一種のトレンドやブームのようになっていますよね」と語るのは、精神科医で「『発達障害』と言いたがる人たち」(SB新書)の著者でもある香山リカさん。

 今回は香山さんへ、自身が発達障害と決めつけられて悩む女性、発達障害を疑われて部署内でいじめに遭っている男性、2人の事例をもとに、この問題への対処法を伺いました。

◆会社の後輩に「発達障害」と認定されて……

 まずはAさんの事例から――。

 部署内に何でも相談できる後輩がいるというAさん。後輩はいつも的確なアドバイスをくれるので、Aさんは彼女をとても信頼していました。しかしある日、いつものように後輩へ相談事を話したところ、「前から思っていたんだけど、Aさん発達障害じゃない?」と、唐突に言われたそう。しかも、WEBで検索した“発達障害チェックリスト”を見せられ、「これも当てはまる、これも……」とほとんどすべてが該当するとして、「やっぱりそうだ」と決めつけられてしまいました。

 そのチェックリストの項目は誰にでも当てはまるようなものが多かったため、Aさんは「誰しも少しはそういう要素を持っているのかもね。心配してくれてありがとう」とその場は軽く受け流したのですが、その日以降、後輩はAさんを特別扱いするように。

 例えば飲みの席でAさんが冗談を言っても、「Aさんはちょっと変わっているから」「Aさん、本気で受け取っちゃったと思うよ」と、周囲へ変なフォローを入れるといった感じです。後輩としては、Aさんを理解している、かばっているというスタンスのようなのですが、Aさんは日増しにやりづらさを感じるようになります。

 そこで、「人のことを発達障害扱いするのは失礼だよ!」と言おうとしたのですが、それは実際に発達障害で悩む人たちを見下している発言ではないかと感じて、そんな自分を責める気持ちにも苛(さいな)まれるようになってしまいました。

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