親になり、夫への恋愛感情が“死んだ”。倦怠期は夫婦の終わり?

女子SPA! / 2019年3月12日 15時46分

写真はイメージです(以下同じ)

「夫との間が倦怠期かもしれないと感じているとき、外に目が向く。そんなことは誰にでもありそうだ」と語るのは、男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さん。

 結婚して10年。ひとり娘も小学校に入学、そこで主婦マチコさん(45歳)が経験したこととは。亀山さんがレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)

◆子どもを持って、夫への恋愛感情が「死んだ」

 31歳のときに「できちゃった婚」をしたマチコさん。1歳年上の夫は大学時代の先輩で、つきあったり別れたりを繰り返していた。だが妊娠をきっかけに、夫が「結婚しよう」とプロポーズ。

「この人でいいのかなあという思いはありました。子どもができたのはうれしかった。ひとりで育てるという選択肢も考えたけど、彼に聞いたら『父親になりたい』というので、じゃあきちんと結婚しようかと。夫を信頼できなかったわけじゃないんです。どちらかというと私が、結婚というある種の束縛の中でやっていけるかが心配だった」

 大学時代からひとり暮らしをし、会社員になってからは長い休みは趣味のダイビングに打ち込んでいたマチコさん。自分が「家庭」におさまることができるのか不安だった。

 どうしてもダメだったら、そのときに考えようと勢いで結婚したが、子どもが生まれてからは仕事も家庭も楽しかったという。

「忙しかったですよ。でも夫となんとか時間をやりくりしながら子育てするのは、意外と負担ではなかった。夫が率先してがんばってくれたからかもしれません」

 ただそんな中で、夫への敬意は増していったが性欲は減退していった。夫が身近になりすぎて男として見られなくなったのだという。

「夫はそうでもなかったみたい。娘への愛情がそのまま私への愛情にも重なっていったようです。ありがたいなと思ったけど、私は夫が父親にしか見えなくて。正直、夜の夫婦生活をするのはつらかった」

 自分の中の「恋愛感情」は死んだのだとマチコさんは諦めた。

◆ついに、外で好きな男性ができてしまった

 いろいろあったが、娘が中学生になった1年半ほど前のこと。

「私に好きな人ができたんです。私のいる部署に異動してきた2歳年下の人。一緒に仕事をしているうちにお互いに意識するようになって」

 ときどき帰りに軽く1杯、飲みにいくようになった。夫が早く帰ってきてくれるときは、彼と夕食をとることも。互いに家庭があるから、深い関係になってはいけないと思っていた。

「だけど、自分の気持ちを抑えるのってものすごくストレスがたまるんですよね。あるとき、私、酔っ払って『あなたのことが本当に好きなの』と、路上で抱きついてキスしてしまったんです。翌日、彼は何もなかったかのように振る舞ってくれたけど、帰り際、『僕も本気で好き』と私の耳元で囁(ささや)いていきました」

 さて、これからどうしよう。マチコさんは考えた。夫はいい人だ。娘は宝物。家庭を捨てることは考えられなかった。彼も同じだろう。

◆「1回だけ抱き合ってみよう」と提案したけれど……

「次に彼に会ったとき、私たちはどうすればいいんだろうねと話しました。だけどもう、会話が成り立たないくらいお互いがお互いを欲しているのがわかる。そこで提案したんです。1回だけ抱き合ってみよう、と。それで友だち関係に戻る。またいつか我慢できなくなったら、1回だけしてみる。そうやって欲望を解消しながら、ある種のパートナーシップを作っていくこともできるのではないか、と」

 夫にバレるかもしれないとは考えなかった。たった1回のことだから。そしてふたりは、1度だけの約束でホテルへ行った。

「バカですよね、今思えば。すごく好きなんだから、1度したら、またしたくなるに決まってる。そこを考えなかった(笑)」

 欲望を抑えるのは想像以上に大変だったのだ。ふたりは3日連続でホテルへ行った。

◆3日めの夜、帰宅したら夫が……

「3日目はさすがに今日で1度、間を置こうと話し合いました。その日は帰りが深夜になってしまったんですが、帰ると夫がリビングでうたた寝していた。テーブルの上には、私の大好きなケーキがありました。

 ぎくっとしましたね。その日、結婚記念日だったのをすっかり忘れていた。夫は目を覚ますと、『お帰り-。お疲れさま』って笑ったんです。『少しお腹減ってるでしょ。そんな顔してる』って食事も用意してくれて」

 罪悪感とは違う、何か新しい感情がマチコさんの心の奥からあふれ出てきた。情熱はいつか冷める。だけど、この人の愛情はずっと流れ続けているのだと芯から納得したのだという。

「彼と3日続けてホテルへ行って、もちろん快感は強かったけど、その快感が何につながるんだろうという一種の虚しさも抱いていたんですよ。ものすごく身勝手なのはわかっているけど、夫のその日の言動を見て、私がきちんと向き合ってもっと関係を深めていかなければいけないのはこの人だとよくわかったんです」

 倦怠期という言葉で、夫との関係を深めようとしなかったのは自分にも責任があると痛感したのだという。

「彼も同じように感じたんじゃないかな。翌日から何も言わなかったけど、お互いにごく普通の関係にすっと戻れたんです。憑きものが落ちたみたいに」

◆今ようやく、夫に恋している

 あれから1年たったが、夫とは時間の許す限り会話をし、寄り添ってきた。夫があの時期のことをどう思っているのかは怖くて聞けない。もちろん、夫も聞こうとはしない。

「一緒に暮らしていると、つい配偶者のことは何でもわかったような気になるけど、そんなことはないんですよね。お互いに日々、考え方も変わるし。部活に夢中な娘が、『なんだか最近、やけに仲良くない?』とニヤニヤしながらからかってくるんですが、私、今になってようやく夫に恋をしているような気がします」

―夫婦再生物語 Vol.2―

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数

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