浅田美代子「樹木希林さんとの出会いは私にとって財産」

女子SPA! / 2019年6月17日 8時44分

『エリカ38』より

 実際の巨額投資詐欺事件をモチーフに、渡部聡子こと自称エリカの姿を描いた映画『エリカ38』は、樹木希林さんが、浅田美代子さんに演じてもらうためにと、最初で最後の企画を務めた人間ドラマです。

 濡れ場にも挑んだ本作についてや、親交の深かった樹木さんから言われた言葉など、浅田さんに伺いました。

◆台本を受け取って本当にやるのだとドキドキした

――樹木さんが監督や制作会社など、すべて決めてから浅田さんにお話を持ってきたそうですね。

浅田美代子さん(以下、浅田)「電話で、『こういう風に決めたから、頑張りなさい』と言われて。ビックリですよ。普段のイメージとは違う、こういう役柄も演じたほうがいいということは前から言われていましたが、まさかそんな水面下で動いていたとは知らなくて。台本を受け取ったときには、本当にやるんだとドキドキしました」

――濡れ場もありました。

浅田「この作品でそこは外せないところだと感じたので、ベッドシーンが嫌だと、そういう思いはありませんでした。うわー、62歳でこんなことするんだぁとは思いましたけど(笑)」

――被害者たちに囲まれて軟禁状態になっていたシーンで、「私、なんにも悪いことしてないじゃん」と言い放つ演技が素晴らしくて鳥肌が立ちました。彼女は本当にそう思ってるんだろうなと。

浅田「『汗水たらさないで、そんなお金が儲かるわけないじゃない。儲けようと思ったから私に投資したんでしょ。何が悪いの?』っていうね」

――最後に流れる実際の被害者の方の声では、被害者の方も自覚してますよね。

浅田「そこがすごいですよね。あの女、ぶっ殺してやりたいという感じではないんですよね」

――そう思えない感じを、樹木さんも浅田さんで観たかったんでしょうね。

浅田「出てるかなぁ。心配」

◆樹木さんとの出会いは、私にとっての財産

――この作品でのエリカに浅田さんが会ったなら、どう声をかけたいですか?

浅田「難しいなぁ。なんか憎めないタイプの女だなとは思うんですよね。『横道に逸れちゃったね。普通にちゃんと生きることもできたのに』って感じかな。『無理しすぎちゃったね』って。お金に関しても男性に関しても、すべてに関して。身近に誰か相談できる人がいたらよかったのにね。ちゃんと言ってくれる人が。信用できると思った木内みどりさん演じる伊藤もあんなだったし」

――人との出会いは大きいですよね。

浅田「そうですね。私にとっての樹木希林さんとの出会いはとてもうれしい縁でした。人生というのは、人との出会いによって本当に変わると思います。樹木さんとの出会いは、私にとっての財産です。その場その場でいろんなことを相談して、一番いい答えを出してくれました」

――樹木さんの残された言葉が何冊もの本になって、すごい反響ですね。

浅田「私も読んでいます。あぁ、言っていたなと思い出しながら。忘れていたりする言葉もあるので、読み返したりして。バイブルですね」

――実際に浅田さんが言われたことで、よく思い返している言葉はなんですか?

浅田「『老いていくことを楽しみなさい』とはよく言われてました。樹木さんは、新しくシワが出来たりすると、『このシワかわいいわぁ、いいわ~』って言うんです。老けた、どうしよう。じゃなくて。それから、女優だから、芸能人だからじゃなくて、人としてちゃんと生きていかないとダメだということと、俯瞰で自分を見られなきゃダメだと言っていました」

――実践できていますか?

浅田「気を付けています。やっぱり樹木さんの言っていることはすごいので、伝えていかないととは思います」

◆もっと男性を誉めてあげたほうがいい

――浅田さんご自身から、女子SPA!読者へなにかアドバイスはありますか?

「今、男性がどんどん萎えて弱くなってきちゃってる気がします。男性って女性よりも単純だから、女性はもっと男性を誉めてあげたほうがいいと思います。自分が好きな男性のことはなおさら。いいところを見つけて伸ばしてあげる」

――読者自身が上がっていくためには、何が必要だと思いますか?

浅田「人のことを悪く言わない。人のせいにして、誰々が悪いからと言っていたら、自分が進歩しないと思います」

――最後に、本作をまだ観ていない人にメッセージをお願いします。

浅田「どんな人でも、いつ、何をきっかけにして悪いほうへ転ぶか分かりません。単なる詐欺どうのこうのではなく、人の生き方を描いている作品だと思います。樹木さんが、病床からも最後までずっと気にかけていた作品です。樹木さんからのギフトをどうぞ受け取ってください」

(C) 吉本興業

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。

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