夫婦仲が最悪でも、離婚せずに仮面夫婦を続けるのはアリ?プロの見解

女子SPA! / 2019年8月23日 8時47分

 恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。

 世間には、すでに仮面夫婦になっているorなりかけている夫婦がゴマンといます。

 別れるか別れないか。正解のない問題ですが、離婚が特別なことではなくなった今、悪化した夫婦関係はどう修復すればよいのでしょうか。プリマリタルカウンセラー(婚前に受けるカップルカウンセリング)のよしおかゆうみさんに話を聞きました。

◆双方が不倫している場合は問題が根深い

「仮面夫婦を定義するなら、問題に向き合わず、本音の対話ができていない夫婦、あるいは、世間的に仲の良さを装う夫婦を指すと思っています。

 まずお子さんがいない仮面夫婦の場合は、双方が今の関係値に満足していれば、安定が保たれるかもしれません。ただ、双方が不倫をしている家庭の場合は、単純に“夫婦関係が冷め切っている”と処理するのは危険です。

 そもそもの原因は、夫婦の中で起きた苦しみや不満などを、お互い見せ合わずに外の不倫で発散している構図が多く見られます。離婚して不倫相手と一緒になっても、同じ問題を繰り返すので、根本的な解決にはなっていないのが難しいところですね」(よしおかさん、以下同)

 どちらかというと、女性の相談者の方が目の前の物事を細かく見てしまい、不満や至らない点を見つけがちだといいます。でもその不満は相手の中にあるのではなく、自分の心の問題が関係している。そういった捉え方をして不満を解消し、対話をしていくことが大切と、前回もよしおかさんは教えてくれました。

◆仮面夫婦が子どもに与える影響

「しかし、子供がいる場合はもう少し状況は複雑です。なぜなら、両親の不自然な関係性や対等ではないコミュニケーションを、子供は無意識に察知するだけでなく、愛情のこじれなどを世代間連鎖というカタチで引き継ぐ可能性があるからです。

 自分の気持ちと行動にズレがある状態を“心理的不協和”といいます。人は、この言行不一致の状態が続くと、自尊心が低くなります。自分への不信感は、周囲にも波及・拡散することがわかっています。なので、個人の鬱屈した感情ストレスは、家族全体のストレスを高めてしまうのです」

 例えば、パートナーへの依存度が高い人は、両親や祖父母の世代にまでその原因が遡ることがあるんだそう。

 子どもの頃に親が自分に依存している場合は、親の心を支える役目を負うという“親子逆転化”が生じます。すると、親に出すべき負の感情を出せず、溜め込むことを覚えます。その結果、パートナーにも本音を出せないまま結婚し、自分の感情や意思がわからなくなってしまうといいます。

 それを見て育つ子どもも、同じように家族に本音を出さずに溜め込む癖を学んでしまう。家族のゆがみを戻そうとするとき、子どもは無意識に問題行動をとることもあるのだそう。

「子どもは特に母親の感情を敏感に察知し、共鳴します。子どもの前で激しい口論を繰り返すと、子どもの脳の発達が阻害される事も証明されています。ちなみに1番良くないのは、両親が憎しみあっていたり、憎み合っているのに表面上は仲良くしていたりする場合です。微妙な暗い空気感を本能的に察知するんですね。子どもって親の言うことは聞かないけれど、している事や生き様は真似るものです。だからこそ、誠実度の高いパートナーシップを心がけて欲しいなと思います」

◆幸せになるための離婚とは?

 夫婦は対話を深めあってこそ。とはいえ「もう無理」と思い離婚するのも1つの選択です。その場合の注意点も合わせて教えてもらいました。

「夫婦関係は対等であること。それができなくて離婚をする場合も、子どもには誠実に向きあって欲しいですね。つまり前向きな理由で離婚することをきちんと伝え、子どもを家族の一員として扱うことです。『私達はこういう理由で別れるけど、あなたの父親と母親であることは変わらないからね。心配なことはなんでも言ってね』と、子どもの環境を全力で守る姿勢を見せることで、子どもを安心させて欲しいのです。こうして子どもと対話をして説明をすること。そうすることで子どもも『大人も色々あるんだなー』という事と同時に、問題と向き合い解決する姿勢を学びます」

 ここでも重要なのは“対話”。小さい頃から対話の重要性を身をもって知ることが、後のコミュニケーションにも生かされていきそうです。

 この話を聞きながら、私は幼少の頃を思い出していました。

 超亭主関白な家だった我が家には対話というものが一切ありませんでした。自分の意見はもちろん、進路も買い物も父親の気まぐれに左右される家。だからこそ、他人や状況は自分でコントロールしてこそと思い込んでいたのです。

 振り返ると恐ろしい癖がついたもんですが、皆さんは常に対話が出来ているでしょうか。私はまだパートナーも子どももいませんが、今この瞬間から、やれるよう心がけてみたいなと思ったのでした。

<話を聞いた人>

【よしおか・ゆうみ さん】

ファミリー心理カウンセラー・思春期相談員・プリマリタル(結婚準備)カウンセラー、一般社団法人 日本結婚カウンセリング協会理事。

専門は発達心理学・児童心理学。20年間東京都の幼児教育に携わる傍ら、乳幼児期から青年期までの育ちと自立についての研究を深める。同時に心理カウンセラーの資格を取得し、都内メンタルクリニックの現場にて、思春期・家族カウンセリングの実地研修を受けたのち独立。これまで延べ2万組の親子・カップル相談に関わる。10代・カップル・ファミリー専門相談カウンセリング

<文・イラスト/おおしまりえ>

【おおしまりえ】

水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。ブログ

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