あのラーメン「一蘭」の高級店「銀座一蘭」に行ってガッカリしたこと

女子SPA! / 2019年10月17日 15時45分

 おいしいラーメンに必要なのは・・・?

 天然とんこつラーメン(銀座重箱)1180円。10月10日、銀座にオープンして話題の「銀座一蘭」に行ってまいりました。このお店、これまでの一蘭とは違う「特別店舗」で、ラーメンのどんぶりや使う素材にとことんこだわっているんだとか。そして、実際に食べてみて、「本当に満足するおいしいラーメンとは何なのか?」について、深く考えさせられたのでした。

 そこで今回は、銀座一蘭の高級ラーメンを食べて気がついた、「ラーメンをおいしく豊かに食べるための秘訣」を、私なりにご紹介してみたいと思います。

◆①器は熱々にすべし

 銀座一蘭だけで食べられる限定メニューが、「天然とんこつラーメン(銀座重箱)」。なんと、どんぶりが丸型ではなく、長方形! 注文して運ばれてきたのが、おせちでおなじみの「黒い重箱」なのです。

 これは、一蘭が特別に製造している有田焼の重箱どんぶりで、初めて食べる人にとっては目からウロコ級の驚きがあるでしょう。ラーメンを重箱で食べる点については、食べづらい、スープをすすりにくい、そもそもおかしいといった声もあるでしょうが、それはさておき。

 私がここで実感したのが、「器がしっかり温まっていることで、ラーメンがいつまでもおいしく食べられるということ」。これ、自宅でも、当たり前のようでいて、なかなかできないポイントです。逆に、これを実践するだけで、1杯の満足度を上げることはできるはずです。

◆②こだわるなら、「麺」と「チャーシュー」

 このラーメンにおける、素材のこだわりは2つ。丁寧に磨かれた小麦で作られる「大吟醸麺」と、旨味が熟成された「手巻き焼き豚」。福岡県糸島半島にある生産工場「一蘭の森」で丁寧に作られたチャーシューは、豚バラの旨味・甘味が口いっぱいに広がるジューシーな味わいで、食べたらすぐに実感できるレベルでした。

 しかしながら繊細さを誇る麺については、とんこつスープというインパクトの強い風味に押されているのか、他の麺との違いを感じづらかったのが、正直なところ。もしかしたら、あっさりとした塩ラーメンなどではその魅力を存分に感じることができるのかもしれません。とにかく麺とチャーシュー。おいしいラーメン選び、ラーメン作りにおいて、手を抜いてはならないポイントであることは間違いなさそうです。

◆③おいしい食事には、「空間」も大事

 一蘭の代名詞として有名なのが、「味集中カウンター」。一人一人の食事スペースが「ブース」になっていて、なんとも異様な空間なのですが、これは「周囲を一切気にすることなく、ラーメンの味だけに集中して欲しい」というコンセプトから生まれたそうです。そして銀座一蘭も、味集中カウンター24席のみ。また、店内は地下であるため、窓もありません。店内インテリアは、古びたレトロ感を印象付ける空間になっています。

 私はここで食事をしてみて、「満足する食事について」、大いに考えさせられました。トッピングを合わせると1500円を超えるような高級ラーメンを食べるときに、この圧迫感、この暗さ、この寂しさは、客の期待にマッチするのでしょうか?

 高級な空間にしろ、などと言う気は全くありませんが、食の科学(ガストロノミー)の研究によれば、食事における満足度は、単に「味」だけではなく、「空間などの外的環境」や「雰囲気」なども、非常に重要であることがわかってきています。これは高級ラーメンだけに限定された問題ではなく、他のラーメン、例えばカップラーメンにも同じことが言えるでしょう。

 ラーメンは幸せな食べ物であると、私は思います。だからこそ、その一杯が、本当に豊かな食事であって欲しい。そのために、器、食材、空間(雰囲気)において、真摯に気を配ることはとても大切であると実感したのでした。

<文、写真/スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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