「年を重ねるほど美しくなる」パリの素敵なマダムの生き方

女子SPA! / 2019年10月24日 15時45分

 フランスに来て20年、50歳になった元・フジテレビアナウンサーの中村江里子さんが実感するのは、「この国の女性たちは、年齢を重ねてさらに自分らしく、輝いている!」ということ。

 日本では、どうしても女性の魅力として若さが優先されがちな空気がまだまだあります。江里子さんが暮らすフランスでは「紡いだ時間、重ねた経験の数だけ、女性は豊かで魅力的になれる」と教えられるのだとか。そんな江里子さんが出会った自分の好きなものを大切にして、人生を前向きにひたむきに生きている女性たちをご紹介します。

 パーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ 中村江里子のデイリー・スタイル Vol.11』では、江里子さんと親しい4人のパリマダムが登場。今回は、そのうち2人を紹介してもらいました(以下、中村江里子さんの語り。写真も同誌より)。

◆弁護士から主婦への転身 フェデリカさんの場合

 フェデリカさんとは長女を通じてのママ友です。パリでは子どもたちがお昼を食べに学校からいったん家に戻ってくることが珍しくありませんが、フェデリカさんのお嬢さんもほぼ毎日、時にはお友達も連れて帰ってきます。「私と一緒にヘルシーな食事をして欲しい」という思いから、彼女は週のどの日にどこでマルシェが立つか熟知していて、無農薬で質のよい季節の食材を求めて食卓にのせるようにしています。

 子ども達のランチのお気に入りは“ママン”のパスタ。そう、フェデリカさんはイタリア人。料理上手のファミリーの味がここパリでも脈々と受け継がれているのです」(江里子さん)

●フェデリカ・ソローニ=ビュレーさん

イタリア・バドバ生まれ。48歳。ドイツ系の夫、2人の娘との4人暮らし。結婚するまではロンドンで弁護士として働いていたが、あえて専業主婦に転身。現在、日々の暮らしは家族のスケジュール優先で、学校から戻って自宅で昼食をとる娘たちのために毎日料理の腕をふるう。

◆フランスで主婦は肩身が狭い存在

 29歳まで、ロンドンで弁護士として働いていたフェデリカさん。会議のため訪れたイタリアで、一目ぼれした夫についてパリへ行くことを決心をしました。パリでも事業を手掛けたものの、お互いの実家が外国という環境で仕事と家庭とを両立させるのは難しく、家事と育児に専念することに。「でも最初は簡単ではなかったの」と、フェデリカさんは言います。

「フランスでは夫も妻も働くのが普通になっていて、女性も仕事を持っていることがとても重要視されています。たとえばディナーの席などで初対面の人から職業を聞かれ、主婦と言った途端、相手の瞳から光が消えて何の興味もないようになるのを経験しました。『飽きませんか? 一日中、何しているの?』と。誰かに従属している女性とみなして、過去の経験すら聞こうとはしない。きちんとした勉強も仕事もせず、社会的に生産的ではない、とでもいうように。

 けれども、いまはかつてのように苦しんだりはしません。なぜなら、働かないという選択ができるのも幸運なことだから。家にまつわるさまざまなアクティビティもあるし、人生にたくさんパッションも興味も持っています」(フェデリカさん)

◆5人の娘の母、そして経営者

 今回パリのマダムをご紹介するにあたって、真っ先にふと私の頭に浮かんだのがベランジェールさんでした。上は25歳から下は14歳まで5人の女の子のお母さんで、「しかも同じ男性とね」と、茶目っ気たっぷりに付け加えるあたりはとてもフランス的。出生率が高いフランスですが、5人というのはさすがに稀ですし、離婚率もとても高いパリで同じ人とずっと一緒で、それも側で見ていて羨むくらいの愛情が続いているというのは素晴らしいことです。

●ベランジュール・クルトワさん

パリ生まれのパリ育ち。51歳。子育てから徐々に手が離れるのと並行して帽子のブランドを興し、2014年9月にブティックを開店。昨今は自宅とブティックそれぞれのオフィスで過ごす時間が増加中。

◆自分の幸運を自覚することが、次の幸運を呼び寄せる

 フランスでは物の見方のたとえとして、グラスが半分、空だと思うのか、半分満たされていると思うのかによってポジティブとネガティブを象徴しますが、「私は満たされているほうを見る」とベランジェールさん。

 たとえば、2004年の暮れには、相次いでご両親を亡くし、その後まもなく末っ子を出産した後にはまったく足が動かなくなり、脊椎の手術を受けたそうですが、そのとき彼女は「私の不幸は全部終わった。これから新しいアドベンチャーに乗り出せる」と思ったのだとか。

 両親がひと月違いで亡くなったことについても、「これが1年後、2年後のことだったら、また新たに悲しみに浸ってそこから抜け出さなくてはならない。二人が同時だったのは幸運なこと」と、何事もポジティブにとらえて前進する女性なのです。

 ベランジェールさんが17年間ずっと続けていることがあります。それは南仏にあるカトリックの聖地ルルドでのボランティア。5月上旬の数日間、巡礼に来る体の不自由な人たちを24時間体制でお世話をすることです。

「私は人生にとても甘やかされていると思っています。生まれた環境、夫、素晴らしい子ども達、健康、財力。これは大変な幸運です。もちろん世の中には辛く苦しいことがあると頭ではわかっていても、実際にその中に身を置くことによって、自分が持っている幸せを本当に身にしみてありがたく感じ取ることができる。客観的にものを見ること。それが私の人生に深みをもたらしています」(ベランジュールさん)

 我が道をゆくマダムたちの強さは、本当に素敵です。

【エリコ・バルト】

1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にバルト氏(化粧品会社経営)と結婚、パリに暮らす。現在は3児の母で、パリと東京を往復しながら各メディアで活躍中。パーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ 中村江里子のデイリー・スタイル Vol.11』が発売中

<文/女子SPA!編集部、撮影/武田正彦、ヘア&メイク/御幸 剛、コーディネート/鈴木春恵>

【女子SPA!編集部】

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