赤ちゃん「泣いてもいいよステッカー」。ママはそんなに肩身が狭いのか…

女子SPA! / 2019年10月27日 15時45分

「泣いてもいいよ!」ステッカー (画像:「WEラブ赤ちゃん」プロジェクト プレスリリースより)

 みなさんは「泣いてもいいよステッカー」というものをご存知ですか? ウーマンエキサイトが展開する「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」が、公共の場で泣き止まない赤ちゃんを抱えて困っているママやパパの気持ちに寄り添うために開発したもので、赤ちゃんの泣き声を温かく見守っている人たちの声を可視化したアイテムなんです。

 なかには「そんなプロジェクトが立ち上がるほど、世のお母さんたちは困っているの?」と、いまいちピンとこない人もいるかもしれません。筆者は小3と年長の子どもを持つ母親ですが、結論から言って子どもが1~3歳の頃はかなり苦労しました。

◆周囲の目が気になって電車に乗るのを断念することも…

 まだ意思疎通ができない小さな子どもと一緒に公共の乗り物や施設を利用するのは、ほとんどの親にとってものすごく緊張することです。筆者も電車に乗る時は「無事に目的地まで辿り着けますように……」「お願いだから途中で泣きださないで!」と、心の中で何度も繰り返していました。何をしても泣き止まない子どもを抱え冷や汗が止まらず、逃げるように途中下車をして途方に暮れたこともあります。

 今でもトラウマになっているのが、眠い娘がなかなか寝付けず電車の中で泣き出してしまった時に、見知らぬおじさんに「うるさい!」とベビーカーを蹴られたこと。まだ母親になって1年目、気持ちにも余裕がない時期のできごとで精神的ショックも大きく、しばらくは電車を避けて生活していました。乗る時には以前にも増してさらに緊張。ラッシュ時に乗らないのはもちろんのこと、帰りの電車は子どもを寝かしつけてから乗るようにしていました。

◆舌打ちに溜め息。常に「すみません」という気持ちを抱えているお母さんも多い

 このように公共の場で子どものグズりなどにより他者から心ない言葉を浴びせられて悲しい思いをしたことがある人は少なくありません。ざっと周りに聞いただけでも、「子どもが泣き止まなくて焦っていたら舌打ちをされたことがある」「溜め息をつかれた」「おばあさんに『母親なんだから…』と説教をされてしまった」など、たくさんの体験談が集まりました。

 実際に、日本最大級のママ向け情報サイト『ママスタジアム』の「ママと子どもの公共交通機関利用」についての実態調査※によると、子連れでの公共交通機関利用時に、「困ったことがある」と答えた80%のお母さんに困った理由を聞くと、約7割の人が「泣く、ぐずる」と回答し1位に。

 子どもの泣き声というのは母親が1番気になってしまうもの。友だちの子どもが泣いていても全くうるさいと思わないのですが、自分の子どもが泣いていると他の赤ちゃんの泣き声の何倍も、何百倍も大きく聞こえてしまうんです。

 先日、電車内で泣き出した赤ちゃんを必死であやしているお母さんを見かけました。赤ちゃんの泣き声は気にならなかったし、他の乗客も全く気に留めていない様子でしたが、結局その親子は数駅先で降りてしまいました。ホームのベンチで子どもをあやしているお母さんの姿を見て、全然気にすることないのになぁ……。でもお母さんからしたら、同じ車両の人とちょっと目が合っただけでも迷惑がられていると感じてしまうんだろうなぁ、と気持ちが痛いほどわかって、過去の自分を見ているようでした。前述の調査でも、子ども連れで公共交通機関を利用するときは「周りに気を使う」お母さんが約9割にも上っています。

◆ほんの少しの思いやりが作る、子どもを育てやすい社会

 お気付きの方もいると思いますが、筆者自身そんな風に心の中で思いつつも、「赤ちゃん、元気でかわいいですね」「こういう時って焦りますよね」などと声をかけることができなかったんです。

「周りに話しかけられたり手助けしてもらって嬉しかったことがある」と、先ほどの調査でも約8割のお母さんが答えています。車内に理解者が1人でもいるとわかるだけでお母さんの気持ちが救われることを身をもって知っていても、わざわざ歩み寄ってまで声をかけるのも不自然かなぁ……と、なかなか行動に移せず、あとから後悔しました。

 ステッカーやキーホルダーという形式の是非はあるかもしれません。ただ、こういったアイテムで自分の気持ちを伝えることができるのはとても便利だと思います。

 しかし、そもそもはこのようなステッカーが誕生してしまうほどの、状況に陥っている今の社会が一番の問題。泣き止まない子どもに対して罵声を浴びせる人が問題視されていますが、逆に子を持つ母親が「赤ちゃんなんだから泣いて当たり前!」と車内や飲食店でふんぞり返っていては、周囲もやさしい眼差しを向けることができません。このステッカーは「泣いている赤ちゃんをなんとかしようと頑張っているけど、それでもどうにもならない」親御さんに向けたものだと言えます。

「子を持つ側」と「それを見守る側」の双方が思いやりの気持ちを持って暮らし、このようなアイテムに頼らずとも、肩身の狭い思いをせずに子どもを育てることのできる世の中であってほしいな、と願っています。

 ちなみに、「泣いてもいいよステッカー」を置いているお店は、「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」サイト上で検索することができます。

※博報堂こそだて家族研究所とママスタジアムによる子育て中の女性(n=454名)を対象にしたインターネット調査“ママリサ~いまどきママリサーチ~”「ママと子どもの公共交通機関利用」調査(2018年)

<文/鈴木美奈子>

【鈴木美奈子】

雑誌の読者モデルから2児のママに。現在はライターとして、コスメ・美容、家事コツなどの記事を執筆。

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