足の小指、死んでない? 原因と対処法を医師に聞く

女子SPA! / 2019年12月24日 8時45分

中足骨部分をテーピングで締めて、小指をまっすぐに固定

 あなたの足の小指、変になっていませんか? それほど痛みは感じなくても、爪が浅黒く変色したり、指先が薬指にめり込んでいたり、関節の骨が飛び出しているように見えるなど、多くの女性が足の小指に何らかのトラブルを抱えている様子。

 そこで、日本初の足専門医療機関「足のクリニック 表参道」の院長・桑原靖先生に、足の小指にトラブルが起きる原因と、対処法についてお聞きしました。

◆小指トラブルの原因は「足の構造の崩れ」

 足の小指に違和感を覚えても、「痛くないから」とそのままにしていませんか? 桑原先生は、「足の小指の異変には、重大なトラブルが潜んでいる可能性があります」と警鐘を鳴らします。

 人間の足は、大小さまざまな骨が関節や靭帯(じんたい)で繋がっていて、親指から小指にかけてはアーチを描いているなど、思ったよりも複雑な構造をしています。ところが、関節が弱かったり、足のカタチが良くなかったりすると、歩き方や靴などの影響で全体の構造が崩れ、足が変形してしまうのだそうです。

「足のカタチや関節の強弱は生まれつきの特性です。女性は関節の弱い人が多い上、パンプスなどで指先を圧迫するので、足の構造が崩れている人は非常に多いです」と桑原先生は指摘します。

 足の構造が崩れると、本来親指にかかるはずの体重がほかの指に載ってしまい、いちばん外側にある小指は巻き込まれるように内側へねじれてしまうことも。アーチも潰れ、小指の付け根がせり出した「内反小趾(ないはんしょうし)」になることもあります。

 また、アーチの内側(親指側)が落ち込むと、反動で小指が持ち上がり、靴と擦れてタコができたり、爪が変形したり、皮膚と爪のあいだで内出血を起こして黒ずんだりもしてしまいます。崩れ方によって症状はさまざまなものの、小指のトラブルは骨格構造が崩れたことで表れた現象だったのです。

 桑原先生曰く「小指の異変は氷山の一角。そもそもなぜ小指に異変が起きているのか、大元の原因に目を向けて対処することが大切です」とのことでした。

 では、小指に異変があるときはどうすればいいのでしょうか?

◆足に合う靴選びの9ポイント

 足の小指に何らかの異変がある場合、すぐにできる対処は、“足に合った靴を履く”、“傾いた部分をインソール(中敷き)で支える”など、崩れた足の骨格構造を戻すサポートをしてあげること。

“足に合う靴”のポイントは、次の9つです。

①インソールがつま先より5~10ミリ長い

②足の甲までおおわれ、紐やベルトで足が固定される

③かかと部分の内側が硬く、かかとにフィットする

④走っても脱げない

⑤安定感があり、靴底の先端が浮いている

⑥靴底は硬すぎず柔らかすぎず、厚みがあり、左右対称である

⑦指の付け根部分でしか曲がらない構造

⑧かかと側と指側の高低差が5~10センチ程度

⑨足の形に適合しやすい革素材

 インソールが外れるタイプの靴を選ぶと、それを外してサイズを確認したり、自身に適合したオーダーメイドのものと入れ替えたりすることができていいそうです。

 なお、合わない靴を履き続けると、痛みや違和感をカバーしようと無意識に変な歩き方になってしまい、違うところに痛みが出るなどの悪循環も起こり得るとのこと。たとえ痛みがなくても、「少しずつ変形していくので、早めの対処に越したことはない」と桑原先生は言います。

 また、ハイヒールやパンプスは足先の締まったデザインで、前に圧力もかかるため、骨格が崩れている人は痛みを伴いやすいといいます。

「本当は履かないのが足にはいちばん。履くなら、むしろ骨格構造の強い男性のほうが向いています(笑)。ヒールやパンプスを履く必要がないときは足に合った靴で過ごして、ここぞというときだけ履き替えるといいかもしれませんね」(桑原先生)とのことでした。

 このほか、股関節を前後に動かしながら歩く、内股にならないように気を付けるなど、足に正しく荷重がかかる歩き方を意識することも大切だそうです。

 ただ、「小指が薬指にめり込んでいる」「小指の付け根が張りだしている」などの症状があるときは「内反小趾」の可能性があり、対処も変わってくるとのこと。そこで、小指が曲がっている場合の原因と対処法についても教えていただきました。



◆足の小指の病気「内反小趾」って?処置の仕方は?

 桑原先生によると、「足の小指が薬指側に曲がっていたり、小指の付け根が張りだしたりしている場合は、『小指の関節の変形』と『内反小趾』の2つの可能性が考えられます」とのこと。

 足の指には、付け根側から基節骨、中節骨、末節骨と3つの骨があるのですが、小指の基節骨と中節骨を繋ぐ関節が靴の圧迫などによって変形すると、関節から先が、薬指へめり込むように曲がってしまいます。

 この場合は、変形した関節をテーピングで正しい位置に固定したり、張りだした関節部分が靴と擦れないように保護するテープを貼ったりすると、症状が和らぎます。

 対して「内反小趾」は、足の甲にある”中足骨”に原因があり、小指の問題ではないのだそう。さらに、「原因は3タイプに分かれ、それぞれに処置が異なります」と桑原先生。

●タイプ1:中足骨の張りだし

【原因】

中足骨の基節骨側が大きいことで、小指の付け根が張りだす。

桑原先生「これは生まれつきの特性で、外的要因によって起こるものではありません」

【処置】

手術で骨の張りだした部分を削る。

●タイプ2:中足骨の湾曲

【原因】

中足骨が湾曲していることで、小指の付け根が張りだす。

桑原先生「これも生まれつきの骨の形状で起こります」

【処置】

骨を切って向きを変えるなど、手術によって湾曲した基節骨をまっすぐにする。

●タイプ3:中足骨の開き

【原因】

骨格構造の崩れによって、小指の中足骨が外側へ開き、小指の付け根が張りだす。

桑原先生「骨格構造が崩れても指先の位置は変わらないので、中足骨が開けば開くほど関節に角度がついて、張り出しが大きくなります。内反小趾の女性の多くがこのタイプです」

【処置】

テーピングや市販のサポーターなどで、中足骨が元の位置に戻るようにサポートする。このとき、小指も中足骨に対してまっすぐになるように固定する。また、インソールで崩れたアーチを持ち上げる。

「内反小趾」は、その言葉通りに小指が内反しているとばかり思っていましたが、中足骨の開きによって曲がって見えていたというのは、ちょっとびっくりですよね。

「『内反小趾』だと小指に原因があるように聞こえるから、症状のまま名付けるなら『アーチ潰れ中足骨外側せり出し』みたいになると思います(笑)」(桑原先生)

 なお、外反母趾も原因は同じで、親指か小指かの違いだけだそうです。

◆骨格の乱れは小指以外にもトラブルも引き起こす

 気になりながらも見過ごしていた、足の小指のトラブル。たとえ痛みがなくても、“骨格の崩れの合図”となれば、放置しておくわけにはいきません。ただ、内反小趾のタイプ1やタイプ2の人がテーピングやインソールで対処しても治らないように、「まずは原因を見極めることが大切です」と桑原先生。

 また、足の骨格の崩れが与える影響は小指に限ったことではなく、外反母趾や巻き爪、ハンマートゥといった足のトラブル、ひいてはひざや股関節の痛みなど、さまざまな症状を引き起こすそう。桑原先生曰く「どこにいちばん大きなひずみが生じているかで、症状や病名が変わってきますが、その部分だけにスポットを当ててもダメ。根源から対処することで、初めて改善できます」とのこと。

 足のトラブルは、多少違和感があっても歩けてしまうだけに、気づきにくい一面もありますが、何らかの異変を感じたときは、骨格から見直すと原因が見つかるかもしれません。

<文/千葉こころ>

【千葉こころ】

ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。

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