スマホ大手3社の月2000円台メニューか、格安スマホか。お得な選び方
女子SPA! / 2021年1月23日 15時46分

※画像:SoftBank on LINE公式サイトより
1月13日、遅れていたKDDI(au)が格安プランの「povo」を発表しました。月2480円(税抜き)で、データ通信容量は20GBです。ドコモは「ahamo」、ソフトバンクは「SoftBank on LINE」をすでに発表していますので、これで大手3社の格安プランが出揃ったことになります。
各社のプランは似通っていますが、それぞれに長所があります。サービスインは3月を予定していますが、「変えてしまいたい」と考えている人も多いことかと思います。
そこで今回は、大手3社の格安プランと、それ以外に「格安スマホ」や「楽天モバイル」も比較し、どれが一番お買い得か考えてみましょう。
◆3社横並びの格安プラン
ドコモが開始する「ahamo」は、20GBで2980円(税抜き)です。5分間までの通話は無料で行うことができます。
ソフトバンクが始める「SoftBank on LINE」も、20GBで2980円です。ドコモ同様に、5分間までの無料通話が付きます。
auが発表した「povo」は、20GBで2480円ですが、無料通話は付きません。他社とは異なり、電話が通じたその瞬間に、20円/30秒の通話料金が発生します。
povoに500円をプラスすることで、他社同様に、5分間までの無料通話が付きます。実質横並びですが、2480円で契約できるプランを持っているのはauだけになりますね。
ちなみに、電話の「かけ放題」を追加した場合の料金は各社とも3980円です。ここにも「大手横並び」の構図を見出すことができます。
◆auの新プランは、まぎらわしくない
ところで、1月15日に武田総務大臣が、auの新プラン・povoを指して「まぎらわしい」と言いました。日本の電波行政を司るのは総務省ですから、総務大臣が個別の携帯プランに言及するとなると大ゴトです。
ですが、これは的外れです。povoは誠実に設計された良いプランです。auはプレゼンが上手な会社ではありませんが、こんな言われようをしてはさすがに可哀想です。
たしかにpovoが「業界最安値」になるのは、通話オプションを契約せず、電話を一切かけない場合だけです。
しかし、そういう選択ができるということ自体は、消費者にとってプラスです。LINEやテレワークソフトが常用される現代では、日常的に電話をかけない人も多いのです。
◆電話をかけない人はauが得、結構かける人は3社が選択に
そうなるとプラン選びのうえで、「電話を発信する頻度」は重要になってきます。
果たして「電話をかける」シーンは、日常のなかにどのくらいあるのでしょうか。しばし振り返ってみましょう。
家族や友だちとのコミュニケーションは、LINEの割合が高くなりました。受話器を手に取って「もしもし」と発声する頻度も、ずいぶん減ったように思います。
とはいえ、お店やホテルの予約を取る場合、電話をかけることがまだまだ多いはずです。予約する以外にも、これから行く飲食店に「料理にアレルギー物質が含まれるかどうか」を尋ねるようなときには、電話したほうがスムーズです。
昔ながらの黒電話はさすがに減りましたが、出前の注文を電話で取る店はあります。「Uber Eats」や「出前館」に進出していないお店がまだまだあるのです。したがって、電話をかける必要がありますね。
AppleのiPhoneやMacBookといえば、ずばり最新デジタルの粋です。しかし、Apple製品の修理を依頼する際には、何度も電話が必要でした。
Appleに限らず、カスタマーサポートが電話で行われるケースはまだまだ多いのです。すべての会社の窓口がフリーダイヤルとは限りませんので、電話代が心配になります。
◆通話履歴をチェックして!
……といったように、電話の発信が必要なシチュエーションをいくつか挙げてみましたが、それよりも「通話履歴」を見直したほうが手っ取り早いかもしれません。
過去3か月間に自分から電話をかけた履歴が一切ない場合、auの新プラン・povoにもスムーズに移行できるのではないかと思います。「とっさに電話が必要になるかもしれない」という人は、通話オプションを付けておくと安心できるでしょう。
5分通話のオプションを付ける場合には、月額利用料やデータ容量は大手3社で変わらないので、現在契約しているのと同じ会社内で、プランだけを変更してしまえば問題ありません。
とはいえ、各社が完全に横一列というわけではなく、細かい点ではプランごとの個性があります。したがって、キャリアを移ることを含めて検討してもいいでしょう。ここでは、各社の細やかな違いについて紹介します。
◆大手3社の強みはここにある
ahamo(ドコモ)は「最大手ならではの安心感」が強みになります。「迷ったらドコモ」という考えは間違っていません。
povo(au)の場合には、「200円で24時間データ使い放題」などのオプションを自由に追加できるのが利点でしょう。
繰り返しますが、povoはたいへんよくできたプランです。使う側に注意が必要ではありますが、所管の大臣に「まぎらわしい」と名指しで批判されるようなものではありません。
対する「SoftBank on LINE」は、LINEがカウントフリー(データ使い放題)になるという大きなメリットがあります。
大手3社の格安プランでは、どれも「契約はネット上で行う」ものと決められていますが、手続きはおそらくSoftBank on LINEが一番簡単になるのではないかと思います。
LINEはこれまで、「人とシステムがオンライン上で会話する仕組み」をがんばって培ってきました。厚生労働省とタッグを組んで「新型コロナ対策のための全国調査」をやったのも、その実績のうちのひとつです。
この点では、タッグを組む相手にLINEを選んだソフトバンクの強みが見えます。
◆「格安スマホ」より大手3社の格安プランのほうが魅力的
来る3月には、大手3社の値下げ攻勢が控えています。そうなると立場が弱るのが、「MVNO」とも呼ばれる「格安スマホ」を提供している各社です。
「格安スマホ」には多くの会社が参入しているため細かな比較は避けますが、月5GBでは2000円前後、20GBでは4500円前後というのが相場です。
格安スマホでは、大手キャリアから回線を借り受けてサービスを提供しているため、料金が安いかわり、通信の品質が不安定です。契約者からは「通信が遅すぎる」という不満の声も多く聞かれます。
ahamoやpovoのスタート後も、容量や通信速度を気にしなければ、格安スマホのほうが安上がりになるはずです。しかし、月額2980円で各種ストレスから解放されることを考えると、大手の新プランのほうが魅力的に感じられます。
◆「格安スマホ」という選択は、しばらく様子見か
もっと遠い先のことを考えると、格安スマホが「快適&大容量」になる可能性もあります。その「未来」とは「5G時代」です。
もし5Gでの通信が本格化すれば、現在使われている「4G/LTE」のインフラに余裕ができ、結果として格安スマホの通信速度が向上し、容量が増えるかもしれません。そうなれば格安スマホは、「庶民の味方」という地位を取り戻すことができるでしょう。
もっともこれは、希望的観測にすぎません。5Gの整備に並行して、大手キャリアが4Gインフラを削減する可能性もあります。そうなると、格安スマホ各社は行き場を失ってしまいます。
これに関しては、行政の意向によるところが大きいのが実情です。総務省は長らく「携帯料金が高すぎる」と言い続けており、「格安スマホ」と呼ばれるMVNOが制度化されたのも、通信料金の値下げが目的でした。
MVNOに参入した各社はいま、政策によって切り捨てられるかどうかの瀬戸際にいるわけです。直接は気にしなくて良いことかもしれませんが……。
◆「楽天モバイル」を選ぶ意味はあるか?
「女子SPA!」では以前、「楽天モバイル」利用者の声を取り上げて紹介しました。「1年無料・楽天モバイルって実際どう?「お得」「ヒサン」分かれる意見」という記事になっています。
昨年4月に「格安プラン」を開始している楽天モバイルの場合、すでに判断材料は出揃っていると言えます。
無料期間があることを別とすれば、楽天モバイルは弱点が目立ちます。高速通信に必要な基地局の数が、まだまだ全然足りないのです。東京23区を出た途端に「楽天回線」を外れるようでは、近郊部に暮らす人にとっては使いものになりません。
楽天モバイルもまた、総務省の肝いりで参入した「第4のキャリア」でした。しかし、価格競争が本格化する今年3月までの1年間に、強固な地盤を築くことは結局できませんでした。
◆大手3社の強みが明瞭に
格安スマホや楽天モバイルと比べても、「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」の3プランは魅力的です。もし今年3月以降のプラン変更を考えているのなら、この3つのうちから選ぶのが現実的でしょう。
ただし「月間20GB」というデータ容量は、自宅にWi-Fi環境を整備していない人にとってはやや不足の感もあります。そういったケースでは、世帯構成にもよりますが、固定回線を新しく契約してしまうのも手です。いずれにせよ、ライフスタイルに合わせて賢く使いたいものです。
スマホはもはや、現代人の必需品です。あって当たり前のものであり、「贅沢品」ではないのです。会社員や主婦だけでなく、小中学生にも必要です。裕福でない世帯でも、その必要性はかわりません。
ですから、安くて速い回線が使えるようになるのは嬉しいことですし、社会全体にとってプラスです。
大手3社の格安プランが出揃ったことによって、総務省の長年の望みはようやく実現したと言えるでしょう。ただ、消費者としての率直な感想を言えば、「ずいぶん遠回りをしたな」というところです。
<文/ジャンヤー宇都>
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