「年上の頼れる男性と結婚したい」は過去の話。大きく変わった結婚観

女子SPA! / 2021年2月4日 18時47分

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◆婚活で苦戦する女性の共通点

 こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

 婚活市場を見ていると、婚活苦戦中の30~40代女性にはある共通点があります。それは、結婚に対して、自分に都合のいい結婚観だけをアップデートしている点です。

 今と昔では結婚観や恋愛観が変わっています。「今の時代は男女平等だから、家事ができる男性じゃなきゃ」と考える一方、いまだに3高(高学歴・高収入・高身長)が良いという結婚観は変わらない女性が意外と多いのです。それって、都合のいいところだけアップデートしていませんか?

 婚活を成功させるために変えるべき価値観は何か、夫婦はどう変わってきているのか、ニッセイ基礎研究所人口動態シニアリサーチャーの天野磬南子さんにインタビューしました。

◆年上の頼れる男性と結婚したい女性は減った

 まずは夫婦の年齢差についてです。

「初婚同士の夫婦の場合、ここ5年以上、平均年齢差は1.7歳差に過ぎません。40~50代の男性芸能人が20~30代の女性と結婚したニュースもあり、若い女性と結婚できると考える男性が多いのですが、夫婦の年の差はどんどん縮小しています。

 女性が年上の頼れる男性に憧れるイメージの結婚は過去の話で、今はほぼ同年代との結婚を希望する女性がほとんどです」(天野さん。以下同)

 国立社会保障人口問題研究所の第15回出生動向基本調査によると、男女が結婚相手に希望する年齢差も大きく変化しています。

 1987年は3~4歳年上を希望する女性が36.8%と一番多く、同い年の希望はわずか8.9%でした。一方2015年では、3~4歳上は20.6%と減少し、同い年希望が28.4%に増加。1~2歳上の希望は29.6%と年下~2歳上までの男性の希望が6割を占めています。

 男性の場合でも、同い年の女性を希望する割合が8.7%から41.8%と約5倍に増えていることが分かります。

 50代の男性芸能人が30代女性と結婚するニュースに希望を持つ男性もいるかもしれませんが、天野さん曰くそうしたカップルは500組に1組の割合で非常にまれな事例、「統計的にはほぼ起こらないと言い切れる」そうです。

◆姉さん女房が増加、男性が年上である割合は約半分へ

 また、今増えているのは姉さん女房だと天野さんは言います。厚生労働省平成27年「人口動態統計」によると、1985年では妻が年上である夫婦は12.1%でしたが、2015年では24.0%と倍増。同い年夫婦も14.3%から21.0%に増えている一方、男性が年上である割合は73.6%から55.0%と減少しています。

 婚活中の女性を見ても、肌感覚ですが±5歳ぐらいでお相手探しをして、年下の男性からの申込みにも喜んで受けているように感じます。そして10歳以上歳上の男性からアプローチされるとがっかりしています。

◆昔は「仕事か結婚か」今では専業主婦希望は婚活で地雷扱い

 こうした変化の大きな要因は何なのでしょうか?

「昔と異なり労働環境が大きく変化したことが理由の1つです。1986年に男女雇用機会均等法が、1992年に育児休業法が施行されました。

 昔は、法律によって女性の就業継続が守られていなかったため、就職は結婚相手探しのため、つまり、結婚をきっかけに仕事を辞める女性が多かったのです。

 非農林業では(いわゆる会社員などの世帯)、1985年あたりは専業主婦家庭が共働き家庭より1.3倍多かったのですが、現在は結婚後も仕事を続ける女性が増え、専業主婦世帯は32%と少数派となりました(※)。さらに、結婚相手に専業主婦を希望する男性も非常に少ないです」

(※マネープラス2020/11/17配信記事「希望は専業主婦、高年収相手を求める婚活女性の“非現実度”」より)

 確かに、現在の婚活市場では専業主婦希望の女性は人気がありません。第15回出生動向基本調査によると、2015年では結婚後の理想のライフプランが専業主婦である女性は18.2%であるのに対し、パートナーに専業主婦を望む男性は10.1%、1割しかいません。高収入の男性も専業主婦希望を避ける傾向にありますが、時代の変化を受け入れず、「草食系男子が増えたせい」と男性側の意識問題にしている女性も多いのです。

◆「自分より高学歴」にこだわる女性は減った

 また、3高の1つである学歴も、「自分よりも高学歴」にこだわる女性は減っています。天野さんの調査によると、2005年~2009年に結婚した大卒女性の27.8%(※)は大卒・大学院卒ではない男性と結婚しています(※マネープラス2018/02/08配信記事「婚活女性を悩ます「学歴親ブロック」が生じる根本理由」より)

 それだけ聞くと「結婚するために妥協したのね」と受け取る方がいるかもしれません。結婚するなら、自分より上か同じレベルの学歴ではないと妥協と思うのでしょうか?「親が気に入るから」と親目線の理想の夫婦像を自分の理想と思い込んでいないでしょうか? しかし、親世代と現代では、状況が変化しているのです。1985年と2019年の男女別大学進学率を比較すると、それがよく分かります。

 文部科学省の学校基本調査によると、1985年の大学進学率は男性が38.6%、女性が13.7%でした。なので親世代では、男性の方が高学歴という夫婦が当たり前だったかもしれません。しかし、共同参画2019年7月号によると、2019年では男性56.3%、女性50.1%と大学進学率の差は縮まっています。男女の学歴格差がほとんど見られなくなった今、結婚相手の学歴を重要視する女性は2015年で10.6%しかいないのです。(第15回出生動向基本調査より)

「むしろ、大卒以上の女性をお相手の条件に挙げる男性も出てきました。女性が高学歴の男性を求めても、男性側が学歴格差のある女性はお断りという場合もあります。親世代にはなかった価値観を男性が持つようになっていることに気が付きましょう」

 婚活成功のためにまず手放すべきは、「親世代の普通の家族」への執着なのです。

◆新型コロナで変わった理想の結婚相手

 かつてモテる男性の条件だった3高にも変化が生まれています。内閣府の「家族形成と結婚に関する意識調査(2014年末~2015年初にかけて調査)」を元に天野さんが独自にまとめた調査によると、今の未婚女性が結婚相手に希望する条件は「居心地の良さ」が決め手のようで、3高とは大きく異なります。

<女性が結婚相手に求める条件>

1位 一緒に居て楽しいこと 80.0%

1位 一緒に居て気を遣わないこと 80.0%

3位 価値観が近いこと 78.5%

4位 金銭感覚 57.4%

5位 経済力があること 52.5%

6位 恋愛感情 46.1%

(20~39歳までの未婚かつ結婚願望がある女性516人の回答結果)

 さらに、新型コロナの影響がありこの1年で結婚観は変化しました。

「婚活実態調査2020(リクルートブライダル総研調べ)」によると、新型コロナ流行によって重視するようになった結婚相手への条件は「安定」がキーワードになっています。

<新型コロナによって変わった結婚相手に求める条件>

安定した収入があること 45.8%

安定した職業であること 42.9%

長時間過ごすのが苦にならないこと 42.6%

健康面 41.8%

 これからはもっと変化が顕著になってくる時代になるでしょう。

 婚活中のアラサー女性の中には「結婚してもバリバリ働きたい!それを理解してくれない男性はありえない」という方もいるでしょう。しかし一方で「男のくせにデート代割り勘ってあり得ない」と昭和の価値観で男性を査定していませんか? それって、都合がいいところだけ古い時代の女性の特権に胡坐をかいているのです。相手に求めるばかりではなく、まずは自分の結婚観も見直しましょう。

【天野 馨南子(あまの かなこ)】

ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、1999年から同社シンクタンクに出向。専門分野は少子化対策・少子化に関する社会の諸問題。内閣府少子化関連有識者委員、地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・人口動態・女性活躍・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等

【グラフ出典先】

●夫婦の平均年齢差:天野 馨南子「初婚・再婚にみた「年の差婚の今」(下)」/ニッセイ基礎研レポート2018年5月28日号

●2015年に婚姻届を提出した初婚夫婦の年齢差状況:天野 馨南子「年の差婚の希望と現実-未婚化・少子化社会データ検証-データが示す「年の差」希望の叶い方」/ニッセイ基礎研究所コラム2017年2月20日号

<取材・文/菊乃>

【菊乃】

恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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