YouTuberに少女が裸画像を送信…マホト事件で考える、子供のSNS被害を防ぐには

女子SPA! / 2021年2月13日 15時46分

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※画像はイメージです(以下、同じ)

 1月21日、登録者数260万人以上の超人気YouTuber・ワタナベマホト(28)が元欅坂46で女優の今泉佑唯(22)との結婚を発表した。

 元人気アイドルとトップYouTuberのビッグカップル誕生にお祝いムードとなるかと思いきや、その日の夜、状況は一変。YouTuberのコレコレが自身の生配信でマホトが15歳の少女にわいせつな画像を数十枚送らせていたことを暴露。動画には被害にあった少女も電話で出演し、マホトとの生々しいやり取りを公開した。

 翌日、マホトが所属していたYouTuber事務所大手・UUUMは「おおむね内容を認めた」「許されない問題行為をとった」として契約解除を発表。2020年3月から運営しているYouTubeチャンネル『マホトMAHOTO』もYouTubeのコミュニティガイドラインに違反したとしてアカウント停止されており(記事執筆2月9日時点)、現時点でマホト本人から事件についてのコメントはない。

◆画像を「50枚送れば会ってあげる」

 コレコレの動画によれば、ことの発端は2020年11月。マホトがInstagramのストーリーで、テープを体に巻いた女性の画像とともに、「キープアウトのこのテープじゃなくてセロハンテープで自分の体に巻こうとおもってる頭のおかしい人いませんか?」と投稿したことだった。これに対し、少女がセロハンテープを胸に巻いた写真をダイレクトメッセージで送ったことから関係が始まったという。

 マホトは少女に裸の画像を送るよう指示。「修行」と称し、少女に対し写真を「30枚送れば通話で言葉攻め」「50枚送れば会ってあげる」などと条件を提示した。

 マホトの要求は次第にエスカレート。「流出したら終わるものを俺も持っていたい!」と少女に学生証を持ちながら陰部を広げて見せる写真を送るようもとめた。恐怖からか、少女が渋っていると「できないなら(この関係が)終わることになる!」と告げ、結局、少女は学生証と陰部が写った写真を送ってしまう。

 その後、マホトは突如「Instagramが凍結するから」と少女にこれまでのメッセ―ジを削除するように求め、やりとりの場は通話アプリ・カカオトークに移った。そこでマホトは“彼女”の存在をにおわせるような発言をする。少女が「彼女がいるのに画像を要求してもいいのか」と問うと「浮気じゃないから」と開き直ったという。

 その後、少女は事態を友人に相談した。友人がマホトのInstagramに直接連絡をしたところ、少女に対し「本当に裏切られた気分だから!まじで」と激怒。やりとりが流出した場合は裁判を起こすと、脅迫ともとれる発言をしたという。

 UUUMは契約解除の発表とともに、マホトが警察に事情説明に出向いたことも明かしているが、その後の動向は明らかになっていない。

◆せっかく築けた関係が終わる恐怖感も

 マホトの行為は青少年健全育成条例違反や児童ポルノ禁止法違反、脅迫罪・強要罪にあたる可能性も各所で指摘されている。すべてが事実であれば、卑劣と言わざるを得ない。

 マホトは2019年6月、同居女性に暴行を加えたとして傷害容疑で逮捕されている。少女はそんな“危ない”男とやりとりをしようと考えたのだろうか。『親が知らない子供のスマホ』の著者であり、子どものネット利用に詳しい、ITジャーナリストの鈴木朋子さんは背景をこう指摘する。

「被害にあった少女はテレビタレントよりもYouTuberに頻繁に接している世代です。彼らに対し、親近感を持っている。毎日のように画面を見て、友人間でも話題がでる。そんな人と直接連絡がとれたことはとてもうれしかったと思います。

 報道などを見ると、マホトさんと何度もやりとりをしていたようです。本人からすると、友人同士のような関係になったと思っていたかもしれません。写真を送らなかったら、せっかく築けた関係が終わってしまうという恐怖感があったのではないでしょうか」(鈴木氏、以下同じ)

 また、子どもならではの問題もあると鈴木さんは話す。

「多くの子どもは過酷な環境で育ったわけではありません。親や教員、周りにいる大人もちゃんとしている人が多く、いわゆる“アウトロー”な人間と接する機会が少ない。

『世の中に悪い人はいる』という意識はあっても自分がやりとりしている人間が犯罪に手を染めるとは思いづらいのです。大人と違い、想像力がそこまで働かないという問題もあると思います」

◆被害にあうのは“真面目”な子どもたち

 マホトの事件だけでなく、SNSを通じて未成年の少年少女が犯罪被害にあうケースは増加している。2020年3月12日に警察庁が発表した報告によれば、2019年1年間で2082件にのぼり、過去最悪となった。

 2019年2月にはSNS上に「私を殺してくれる人はいませんか」とつぶやいた女子中学生(当時15歳)を神奈川県厚木市の自宅に連れ込み、複数回首を絞めて殺害しようとしたとして派遣社員の男(当時43歳)が逮捕された。

 また、2020年9月には小学校5年の女児が動画投稿アプリ・TikTokを通じて知り合った東京都府中市の派遣社員の男(34)に連れ去られ、ホテルでわいせつ被害に遭い、男が逮捕されるなど、未成年がSNSを通じて被害にあった事件の報道が相次ぐ。被害のきっかけとは何なのだろうか。

「被害にあう子どもたちを見ていて感じるのは、根本的には真面目だということです。SNS上で見ず知らずの人間から何度もメッセージを送られたら、普通はおかしいと思って答えない。でも、申し訳ないからと相手に合わせてしまうケースがあるようです。ですが、たとえ『興味ありません』という返事でも、一度返してしまえば、相手の思うつぼです」

 そして、子どもたちの立場を利用し、言葉巧みに自らの要求を通そうとするのだという。

「府中市の事件で女の子は男からの誘いを一度は断っています。拒否された後、男が『会わないと家の前にいって死んでやる』と脅し、それがきっかけとなって一緒にホテルまでいったそうです。子どもにとって学校と家、塾や習い事の教室くらいまでの狭い範囲が“社会のすべて”です。そこで悪評が立つのは一大事。『もう生きていけない』と思ってしまっても不思議ではありません。誰にも知らせず自分で問題を片付けたい。そう思ってしまうのではないでしょうか。

 また、TwitterとInstagram、TiktokやYouTubeとLINEのように複数のSNSアカウントで相手とつながっていることが多いです。片方のSNSでは匿名でも、もう片方はプライベートな情報とつながっている場合もある。相手に知られれば余計に逃げ場がなくなってしまいます」

◆被害を防ぐのはネットリテラシーだけではない

 被害を防ぐためにどうすればいいのだろうか、必要な知識は何も“ネットリテラシー”だけではないという。

「今の子どもたちは小さい頃から親のタブレットやPC、スマートホンに触れている世代です。初めてスマートホンを持つ時期も早くなり、小学校高学年で持つ子どもたちも増えています。デジタルの知識だけで言えば、多くの大人よりも子どものほうがたけている。ただ、子どもはデジタルの先にいる人間が悪人なのか、そうでないのか、見抜くための経験は足りません。そこは親の人生経験がものを言います。

 たとえば、子どもがYouTuberの動画を見ているとき、一緒に動画を見て、どこかおかしいところがあれば、口添えをして気づかせてあげることも必要なのではないでしょうか。

 また、親よりネットに明るいからと、フィルタリングを外したり放っておくのも問題です。たとえば、子どもが使っていそうなアプリは一通り入れて触ってみて、子どもが何かあったときに相談しやすくする。子どもと一緒に勉強するくらいの気持ちでいることも大切です。できないのであれば、フィルタリングをかけて見守ることも必要でしょう」

◆子どもが真っ先に見るのは親のアカウント

 そして、親自身のネットとの付き合い方も考える必要があるという。

「子どもがSNSを使い始めるとまず始めに何をするか? 親のアカウントを見に行くんです。例えばTwitterで過激な発言をリツイートしたり、ヘンな画像にいいねを付けたりしていると、その姿を子どもが見ているかもしれません。そんな大人に悩み事なんか相談したくありませんよね。この点も頭に入れておいたほうが良いかと思います」

 先述した、「SNSを通して未成年が犯罪に巻き込まれた件数」2082件(2019年)の中には略取誘拐、強制性交、殺人(未遂)といった重大犯罪も含まれている。SNSでのちょっとしたやりとりが子どもを重大犯罪の被害者にしてしまう可能性は否定できない。これを機に、子どものネットの付き合い方を見直してみてはどうだろうか。

<取材・文/柳洋>

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