母親は楽しちゃダメ? 「日本の育児、大変すぎる!」シングルマザーの実感

女子SPA! / 2021年2月26日 8時47分

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やまざきひとみさん

◆増え続ける未婚のシングルマザー

 こんにちは、恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。

  2000年(約6.3万人)から2015年(約17.7万人)と、15年で約3倍に増えた未婚のシングルマザー(国勢調査より)。やむをえず未婚の母になったのか、自ら選んだのかこの調査では不明ですが、最近では元アイドルの最上もがが結婚せずに子を育てる「選択的シングルマザー」宣言をするなど話題になっています。前回記事では、選択的シングルマザーの当事者であり、同時に女性支援やコメンテーターとしても活動をする、株式会社アタラシイヒ代表 やまざきひとみさんを取材しました。

 一人親として子育てをおこなうやまざきさんに話を聞いていくと、選択的シングルマザーだけでなく、日本が抱える子育ての難しさの問題にぶつかりました。

◆夫がいることのメリット・デメリット

 選択的シングルマザーは、結婚を選択せずに出産・子育てをする人のことを指します(育児への夫の関与度は各家庭による)。取材前まで、選択的シングルマザーの最大の問題は金銭的な部分だと思っていました。しかし、話を聞くと別の問題が……。

「私が選択的シングルマザーになって感じたメリットのひとつは、夫に相談せずに育児を決められることです。名前や教育方針、今日食べさせるものなどを自分の意志で決められるのは、思った以上にやりやすさがあります。夫がいると、怒るべきじゃないと思う時に夫が子どもに怒ってしまうなど、価値観がズレることがありますよね。そういうストレスがないのはとてもやりやすいと感じます。

 デメリットについても、やはり価値観の偏りが生まれることです。また、男性がいるから経験できること、例えば肩車とか力がいる遊びを自分ではできないのは、仕方のないことですが機会損失でもあるなと思っています」(やまざきさん。以下同)

◆日本の子育ては大変すぎる!

 令和2年にひとり親控除が見直され(※)、全てのひとり親家庭の子どもに対して公平な制度となりました。社会が、様々な家庭での子育てに理解を示し始めた動きの1つと見ることができます。

※編集部注:今までは離婚・死別であれば寡婦(夫)控除が適用されたが、未婚の場合は適用されなかった。令和2年分から、所得500万円以下のひとり親家庭であれば未婚でも適用されることに。

 やまざきさんが子育てをする中で感じる“選択的シングルマザーだからこその問題”について聞くと、日本が抱える子育ての問題へと広がっていきます。

「選択的シングルマザーだから見える育児の大変さという点でいえば、マンパワー不足はあると思います。でもこれって、夫がいたら起こらない問題ではありません。選択的シングルマザーでも結婚経験のあるシングルマザーでも結婚されている方でも、日本における育児の大変さはあまり変わらないと思います」

 これは意外な指摘です。

◆子育て後も自分の人生は続く

「日本で子どもを預けるとなると、預け先は主に保育園しかないしその保育園も選びづらい。これって当然の事になっていますけど、実は異常なのではと感じます。そもそも保育園は原則として親が働いている時間に優先的に子どもを預けられる場所です。子どもの預け先が保育園しかないということは、親の1日の時間配分は、仕事・子育て・睡眠の3つでしか構成されないということになってしまいます。

 それを当然と考える方もいるかもしれませんが、人生100年時代において、良い人生に余暇や自分への再投資は必須です。仕事・子育て・睡眠の3つで毎日が埋まると、人は日々の労働力としてしか生きられなくなくなります。子育てが終わってからも自分の人生は続くのに、子どもを育てる親にとって余裕がなさすぎることは、当たり前にして良いのか疑問が残ります」

 親に余裕があるのは悪いことではないのに、今の日本では物理的に難しい問題です。さらに「育児は苦労しないと」という日本独特の育児論にぶつかります。でも、育児って本当に大変じゃないといけないのでしょうか?

◆育児は大変じゃないとダメ?

 現在やまざきさんは母親と同居し、保育園とベビーシッターを週1~2回利用して育児を行っています。

 自分の状況については「ママの中では結構楽している方だと思う」と言いますが、それでも辛い時も多いし、何より「育児はむしろ大変じゃないとダメ」と、自身も長く思っていたと話します。

「選択的シングルマザーとして周りの手を借りながらやっていますが、長い間『私は周りより楽をしてはダメなんじゃないか』といった罪悪感がありました。子育てしている親に余裕があること自体が、悪いことだと思っていたんですね。

 でも、無理して頑張ってヘトヘトになるのが正解ではありません。父親が面倒を見てくれなくて母親がワンオペ状態になり、家庭内でモメるという話もよく耳にします。そもそも親だけで育児を完結するべきだとか、父親に頼れないと限界になる状況の方がおかしい。親以外の育児サポートがもっと当たり前のこととして選択できる世の中になってほしいと思います」

◆自分にとって、最適なカタチの家族とは

 結果として「選択的シングルマザーだけでなく、子育て自体が日本では異常に大変」という根深さが見えてきた今回のテーマ。

 シングルマザーは法整備がまだまだ進んでいません。やまざきさんはそういった現状をふまえ、女性が自立できるよう女性向けのプログラマー養成ビジネスの立ち上げを企画中だといいます。

 柔軟な価値観や選択肢が広がるこれからの時代。もちろん何の疑問も持たず、結婚して子を持つのも良いですが、あなたにとって1番最適なカタチの家族とは、育児とはどんなものか。少しでも考えるキッカケになれば嬉しいです。

【話を聞いた人】

株式会社アタラシイヒ代表取締役 やまざき ひとみ

サイバーエージェント入社後、「アメーバピグ」立ち上げプロデューサー、ママ事業部部長などに従事。その後、女性向け動画メディアC CHANNEL編集長などを経て、2016年独立。動画プロダクション事業や、働く女性向けのリカレント(学び直し)事業を手がける。自身も選択的シングルマザーで1児の母。Twitter:@hinjolie

<取材・イラスト・文/おおしまりえ>

【おおしまりえ】

水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518

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