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小室圭さんの言い分の矛盾、隠しどり録音は証拠になるか――弁護士に聞く

女子SPA! / 2021年4月20日 15時47分

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 眞子様との婚約が内定している小室圭さんが2021年4月8日、母・佳代さんと元婚約者との間にあった「金銭トラブル」について、経緯説明の文書を公表しました。

 4万字に及ぶ文書の中で、小室さんは母親の元婚約者から援助を受けた約400万円を返さない理由を説明。元婚約者が過去に「返してもらうもつもりはない」と発言していたことを主張し、一方的な婚約破棄をされた佳代さんへの慰謝料として借金は既に清算されているとも説明しています。ですが小室さん側は、12日に突然「和解金を支払う意向」を表明しました。

 400万円が贈与だったのか、貸付だったのかという点で、当初は争っていたこの問題。今回のように、交際中に発生した金銭や物品のやりとりで、破局後に揉めることはよくあるのでしょうか。永田町法律税務事務所代表の長谷川裕雅弁護士に聞いてみました。(この取材は小室さんが文書を公表した3日後の2021年4月11日におこなったものです)

◆あげた? 貸した? 実際によくあるトラブルなのか

――破局後に、「あげたものを返して欲しい」と裁判沙汰になることは、一般的にもよくあることなのでしょうか。

長谷川さん(以下、長谷川)「交際中にプレゼントしたバックや食事・旅行代を、破局後に返して欲しいと揉めて、裁判に持ち込まれることはまずありません。というのも、口頭での贈与は履行が完了する前は撤回できるものの、実際に相手に物が渡った時点で、贈与契約は履行されて撤回できないとされるからです。契約後に『やっぱり返して』というのは、法律上認められません」

――口頭での契約でも、お金や物を受け取ったら返還できないんですね。

長谷川「小室さんのケースを見てみましょう。報道によれば、元婚約者が佳代さんに食事をごちそうしたり、バッグをプレゼントしたことは多々あったはずです。けれども、元婚約者は金銭以外に、プレゼントや食事代を返して欲しいとは一切言っていません。それは返ってこないと既に答えが出ているからです」

◆贈与した場合でも、返さないといけないケースはある

――では、今回の小室さんの主張によれば、金銭授受の一部については「贈与」であったとのことですが、贈与の部分では元婚約者は返還請求できないのですね。

長谷川「原則は返還請求できません。特別な場合以外、一度贈与したものは『返して』と言っても認められません」

――「特別な場合」とは、どのようなものでしょうか。

長谷川「忘恩行為(ぼうおんこうい)というものが認められた場合です。これはお金を贈与した場合でも、その後に不義理があればお金は返済してもらえるというものです。たとえば、Aさんが交際相手であるBさんにお金を贈与したとします。しかし、贈与後に、BさんがAさんに対してDVや裏切り行為をした場合は、AさんはBさんにお金を返してもらえることがあるのです」

――裏切り行為の内容が忘恩行為と認められれば、贈与したお金を返してもらえるということですね。

長谷川「以前、小室圭さんと佳代さんが、帝国ホテルで成人式の撮影をしたという報道がありましたよね。その際、元婚約者は車で親子を送迎してお金も出したのに、記念写真に入れてもらえなかった、とメディアで発言されています」

(参考:「『小室圭君と母が私に送ってきた6通のメール』元婚約者が明かす」週刊現代/2018年3月6日)

――自分は佳代さんにとって、お金目当ての存在だったのではと言っています。

長谷川「他にも、レストランで食事をした際に、佳代さんから『家族じゃない』と言われたという報道もありました。これらの事実を元に、元婚約者が佳代さんの行為を忘恩行為として訴えて認められれば、約400万円が贈与だったとしても、返済を求めることはありうるということです」

◆「返さなくて良い」の意思表示があったかはどう判断する?

 今回の小室さんの文書では、金銭授受について、一部は贈与、一部は貸付であったが、貸付部分は母親の損害賠償請求権と清算されたという主張をしています。贈与額と貸付金の割合も示されず、かなり技巧的な法律構成をしているので、報道でも小室さんの意図を正確に汲みとっている識者は多くないようです。

――小室さんが発表した文書の「注9」によれば、元婚約者が返済免除の意思表示をして佳代さんの損害賠償請求と清算されたとのことですが、素直に腑(ふ)に落ちない印象を持ってしまうのはなぜなのでしょうか。

長谷川「『この考え方はあくまで過去の出来事を振り返って法的に評価をしていただいたものです。』と小室さんも自認するように、まさに後付けだからです。貸付と損害賠償請求が清算されたとする「注9」のくだりは、延々と屁理屈をこねている印象しかありません。「注9」で貸付金の存在を認めながらも、借金を認めることになるので返さなかった旨の主張をするなど、現時点でも矛盾だらけです。一介の法律家然とした言い回しで、事後的に客観的評価を加える体裁をとっていますが、他人事のように不合理な主張内容を堂々と大展開する点に、皆さんは違和感を覚えるのでしょう」

◆小室さんの「隠し撮り録音」は証拠として弱い

――小室さんは公表した文書のなかで、元婚約者の「お金を返してもらうつもりはなかった」という発言を録音したテープをもっている、と主張しています。これは裁判でも大きな証拠になるのでしょうか。

長谷川「小室さんが主張している録音テープは、返済免除の意思表示の証拠としては弱いと思います」

――テープなどの録音では、証拠として弱いということですか。

長谷川「そうではなく、返済免除の意思表示があったかどうかはあくまで総合評価で判断されます。この証拠があるからあった、この証拠があるからなかった、というように1つの証拠だけでは確定的に決まらないことが多いのです。元婚約者も、『生活費をお借りしてもいいでしょうか』と佳代さんから送られてきたメールを、証拠としてもっていますよね。金銭交付当時における貸付のやりとりがはっきりと記載されており、その後も一貫して返済を求めている証拠もあるわけです。よって、返済免除などしていないと主張する元婚約者にとってはこれらがとても強い証拠になると思います。一貫して借金返済を求めている元婚約者の行動を、小室さんの切り取り証拠である隠し撮り録音は合理的に説明できません」

――たしかに、佳代さんは複数のメールで、元婚約者に金銭の援助をお願いしています。

長谷川「これに対して、小室さんの持っている録音テープは、小室さんも認めるように切り取られた会話の一部分のみです。日記やメモなどでも、裁判所に証拠として提出するには、その前後も含めて全て提出しないといけないんです。一部分だけを切り取って証拠として提出しても証拠の価値は低いのです」

――テープの中で、元婚約者が「返してもらうつもりはなかった」と、はっきり言っていてもダメですか。

長谷川「『返してもらうつもりはなかった』という前後の会話を聞かなければ、その発言の真意はわかりません。家族となる以上、当時はビジネスライクな気持ちで貸したわけではない旨を意味するだけかもしれませんし、佳代さんと小室さんの2人から婚約破棄の慰謝料をほのめかされて恐怖を感じ、その場を収めるために発言した可能性もあります。全額を一括で返済しなくてもよいという趣旨で、債権回収の緊迫した空気を和ませる目的で言ったのかもしれません。いずれにせよ、会話の全体がわからないので、発言の真意が読めないのです」

◆お金を返したいと申し出るやりとりをわざわざ録音

――録音テープは、佳代さんが元婚約者に「借りていたお金を精算したい」と申し出る際に録音した、と文書にありました。

長谷川「なぜ、お金を返したいと申し出るやりとりをわざわざ録音したのか。佳代さんにとって不利益な話をする場面で、あえて録音をする必要はあったのか。そして、それがなぜ一部分だけなのか。最初から、都合のいい会話のくだりだけを録音するのが目的だったんじゃないのか。たとえば『家族になるにもかかわらず最初から取り立てる気が満々だったんですね』などという誘導が直前にあってそれを打ち消す婚約者の返答だけを部分的に証拠としているのではないか、などと邪推(じゃすい)したくなっても仕方のない証拠だということです」

 様々な論点から賛否が入り乱れている小室さんの文書。

 次回は、小室さんが文章で主張している内容に焦点をあて、法的にどのように解決するのが得策だったのか、引き続き長谷川弁護士の意見を聞いていきます。

【弁護士 長谷川 裕雅(はせがわ・ひろまさ)】

永田町法律税務事務所代表。朝日新聞事件記者を経て、弁護士に。著書に『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』(イースト・プレス)、『磯野家の相続』(すばる舎)など。

<取材・文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

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