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不妊治療中に不倫の恋におちた40代女性の胸中「夫に恋はしていなかった」

女子SPA! / 2021年8月21日 15時47分

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 不妊治療をしている間に夫側が不倫の恋にはまってしまう話はときどき聞く。だが女性にとっても不妊治療はストレスのもとになり得る。

◆結婚が遅かったので焦っていた

 35歳から婚活を始め、38歳のときに3歳年下の男性と結婚したトモカさん(43歳)。1年たっても妊娠しなかったため、不妊治療を始めた。

「最初は人工授精を何度かやったんですが、うまくいかなくて……。それ以上になると時間もお金も労力も使う。だから悩んだんですが、私は夫のことが本当に好きだった。どうしても夫の遺伝子を残したい、私たちの子がほしいと夫を半年かけて説得しました」

 子どもがいなくても僕はじゅうぶん幸せだし、トモカとふたりで生きていけたらそれでいい。夫は何度もそう言った。特別養子縁組とか里親とか、他にも親になる方法はあると夫は彼女を逆に説得しようとしたが、彼女は気が済まなかった。

「夫の子でなければ意味がない。そう思い込んでいました。私は夫の子を育てたい。お願いだから2年だけやりましょうと夫に言いました。夫も渋々でしたが協力すると言ってくれて。40歳から本格的に体外受精などを始めたんです」

◆夫と口げんかになった

 仕事で責任ある立場にいるトモカさんにとって、不妊治療は確かに考えていたよりずっと大変だった。途中で何度も気力が萎えた。そのたびに医師と夫が励ましてくれたという。

「1年たって半分気持ちが折れそうになっているとき、夫が『きみがやるって言ったんだろう』とイライラしたようにつぶやいたんです。

 確かにそうだけど、実際、大変な思いをしているのは私だし、とちょっとした口げんかになりました。結婚して初めてでしたね、言い争いをしたのは」

 子どもを間に挟んで、夫婦の愛情をもっと高めていきたいと思っているのに、実際には子どもができる前から諍(いさか)いをしている。その事実がトモカさんを苦しめた。

「このまま不妊治療を進めていいかどうか悩みました。とはいえ、やめたとしてもふたりで言い争った事実は消えない。夫婦なんてもろいものなのかもしれないと珍しく弱気になってしまいました」

 そんなとき、仕事上でも大きなストレスを抱えるようなことが起こった。部下を叱っているだけでは先には進めない。彼女は責任をとって始末書を書き、部下には前向きに指示を飛ばして「一緒にがんばろう」と励ました。だが当の彼女は孤独感を覚えると同時に、少し自暴自棄になっていた。

◆バーで知り合った男性と

 久々に、以前行きつけだったバーのドアを開けた。不妊治療を始めてから、飲みにいくこともほとんどなくなっていたのだ。

「何度か顔を合わせたことのある男性が、『久しぶり』と声をかけてくれました。おごらせてというので1杯ごちそうになり、その日はけっこう飲んで愚痴って、みんなでしゃべって……。

 結婚してから、私はずっといい妻であろうとがんばりすぎて、ひとりでバーに行くような自由を忘れていたと思いました。たまに行っても1杯飲んですぐに帰るか、仕事仲間と行って仕事の話をしているかだった。他の人と世間話をするような余裕がなかったんですね。その日は独身時代に戻ったみたいにはしゃいで飲み過ぎました」

 気づくと、1杯奢(おご)ってくれた男性とホテルにいた。当日のことをあまり覚えていないとトモカさんは言うが、それでも店を出たところで彼に口説かれたのはうっすらと記憶しているという。

「いや、でももしかしたら私がホテルに誘ったのかもしれない。ホテルではふたりとも眠り込んでしまったんですが、深夜に目が覚めて帰ろうとしたら彼に『好きだよ』と言われて、酔いが冷めないまま私もその気になって……というのが真相です。

 彼とのセックス、楽しかったんです。妊娠のことなんて考えなくていいし、お互いに相手を気持ちよくさせたいという意志が合致していたみたいで」

 楽しくてエロくて、理想的なセックスだったとトモカさんは振り返る。それが恋心に変わるのに時間はいらなかった。

◆夫に恋はしていなかった

「毎週末、バーで彼と待ち合わせるようになり、そのうち店主や常連さんにバレるからと、外で彼と待ち合わせて食事してホテルへという関係になり。正直言って、不妊治療はどうでもいいような気分になっていきました」

 お互い既婚者だから、秘密だけは守り通そうと約束した。それでもお互いを求める気持ちに嘘はなかったと彼女は言う。

「まぎれもない恋だと自分では思っていました。夫とは婚活という共通の目的があって知り合ったので、ほぼ条件だけで決めたようなもの。もちろん、夫はいい人だし家庭的でもあるから生活していくには、素晴らしいパートナーです。でも、夫に恋はしていなかった。

 不倫相手と関係を続けていく中で、私がほしかったのはこの恋する感覚なのではなかったのかと思うようになりました。夫との間に、そういう感覚がないから、子どもという目に見えるものがほしかったのかもしれない、と。いえ、今になると何が本当の私の気持ちだったかさえわからないんですが」

◆不妊治療を中断したのは恋する彼がいるから

 そしてトモカさんは夫に「不妊治療を中断したい」と告げた。これ以上、時間とお金をかけたくない、あなたの言うようにふたりでもっと充実した生活を送りたい、と。夫も納得し、「治療で言い争うのは本意ではなかった」と言った。

「私の言い分の半分は本当で半分は嘘。治療を中断したのは、恋する彼がいるからです。でも離婚するつもりはない。生活していくには夫がいちばんのパートナーだとわかっています。

 こんなことをしているといつか手痛いしっぺ返しがくるかもしれない。だけど本音を言うと、家庭では夫と家族として穏やかな日々を送り、外で激しい恋をするのが私にはいちばん合っているんです。開き直りに聞こえたらつらいですが……」

 40代。女性は恋への欲求が強まる時期なのではないだろうか。人生が充実している女性ほど、恋やセックスを堪能したくなる傾向が強いように思う。

 彼女は恋をして初めて「恋を欲していた」と気づいたと言う。家庭と恋愛を分けて考えるのも40代の恋する女性の特徴である。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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