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夫にセックスを拒まれ「ごめんね」と謝ってしまう妻のしんどさ。松本まりか“レス妻”に

女子SPA! / 2021年10月9日 15時47分

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画像:ドラマ『それでも愛を誓いますか?』ABCテレビ・テレビ朝日 公式サイトより

 一緒に寝ているベッドで、妻が夫の下半身に手を伸ばす。うめきながらその手を阻止する夫。「ごめん」と夫がつぶやく。こんなとき謝られたら、女のプライドは粉々だ。

 冒頭からそんなシーンで始まるドラマ『それでも愛を誓いますか?』(テレビ朝日系、土曜深夜2時30分~/ABCテレビ、日曜夜11時25分~)。松本まりか演じる純(じゅん)と、池内博之演じる夫の武頼(たけより)。

「35歳、結婚8年目。子どもなし。セックスレス5年」

 これが純のプロフィール。のっけからせつないドラマである。

◆結婚8年の仲良し夫婦だけど、相手の心に踏み込んでいない

「求められている女と、求められていない女は全然違う」

 彼女はそうつぶやくが、「セックスレスだけが問題の夫婦」など、世の中にはいないのではないだろうか。その裏にある心のすれ違い、理解したいのに言葉にしてくれない哀しさが実際の問題なのだ。

 ある日、夜遅く帰宅した武頼が卵を買ってくる。「なかったでしょ」と言う彼に、妻は言葉を詰まらせる。実は自分で買ってきていたからだ。それなのにすぐにはそう言えず、微妙な空気が漂う。

 ようやく買ってきたと打ち明けたあと、「言えばよかったね、ごめん」と彼女は言う。夫は「そうか……しばらく卵料理だね」と薄く笑う。「ですね」と妻も同調する。

 結婚8年もたった夫婦が、直接、相手の心に踏み込んでいない一例である。夫がセックスを拒むのは、セックスをしたら心を明け渡さなければいけないと思っているからなのだろうか。いや、むしろ心を明け渡しているからこそ、人はセックスに踏み込むのではないだろうか。あるいは同時にそれができるのか。そんなことを考えさせられてしまう。

 夫婦で、夫の上司のもとへ出かける。上司の妻は妊娠中だ。純の心はますます追い詰められていく。

 そして彼女は仕事を始める。職場で出会った10歳年下の真山(藤原季節)は、常にマスクをしている変わり者(コロナ禍という設定ではないらしい)。ところが彼は、案外、本質をついてくる性格で、純は面食らいながらも悪い印象はもたない。

◆「私の年で子どもがいないのは私くらいだよ」

 その晩も、ベッドで背を向けている夫と、今度はパンケーキを食べに行こうと話しながら、いい雰囲気になったのだからと手を伸ばす妻。その手をそうっと、だが力強く自分の体から引き離す夫。

「私の年で子どもがいないのは私くらいだよ、みんな子どもがいて家庭があって」

「2人だって家庭だよ」

 その後、妻は「忙しいのはわかってる。こんなことばかり言われて嫌だよね、ごめんね」とまた謝る。

 夫は多忙で、おそらく高収入でもある。そんな夫にすぐに「ごめんね」と言う妻。夫もまた、妻には核心を話せない様子だ。ワケあり夫婦というわけでもなさそうなのに。

 地上波連続ドラマ初主演の“遅咲きの女優”である松本まりかは、明るそうで、でもどこかどんよりしている35歳の人妻をリアルに演じている。声が細く、笑っても寂しげに見えるところが“純”という女なのだとわからせてくれる。微妙に揺れ動く心を、どこまで多彩に見せてくれるのかが楽しみだ。

 純の歓迎会のあと、真山とふたりで同僚たちのうしろから歩いていると、夫が見知らぬ女性と歩いてくるのを見てしまう。自分の知らない夫の笑顔を見て、彼女は凍りつくが、その場から去る。相手の女性は高校時代の同級生なのだが、夫はどうやら同窓会があることを妻には伝えていなかったようだ。

 夫婦のなれそめ、夫と妻がそれぞれ抱えている心の闇は、これから明らかになっていくのだろう。

◆「しない理由」「したい理由」をお互い話せないのはなぜ?

 夫婦といえども、セックスするのは義務ではない。しなければいけないものでもない。だが以前にも書いた通り、コンセンサスが得られていないのが問題なのだ。そして「しない理由」「したい理由」をお互いに話せないのはなぜなのか。

 日本に「セックスレス」という言葉が入ってきてから、すでに30年がたつ。当時は「女性からセックスのことを話すなんて、たとえ夫婦でもはしたない」という風潮は確かにあった。だが、その後、アメリカのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』が日本でも大流行し、セックスについて女性たちが自分の正直な気持ちを話すのは悪いことではない、むしろ女性たちも欲望について考えてみようという風潮が盛り上がってきた。

◆「子ども」を盾にして、世間と自分を比べる主人公

 それでも、ドラマの中の純は「子ども」を盾にする。自分の欲望を、「子どもがほしい」にすり替えている。「この年ならみんな子どもがいて当然」というのも、世間と自分を比べているから出てくる言葉だろう。

 30年前と変わらない女性心理ではあるが、今も一部では、これがリアルなのかもしれないと感じる。独身時代に恋愛をし、女友だちとセックスの話をしていたとしても、「結婚」するととたんに性が子どもと直結してしまうのは、いささか不思議なのだが“現実”でもあるだろう。そしてそれがリアルなら、あと一歩、夫に対して踏み込んでみたらどうかと言いたくなる。

 自分から踏み込まなければ関係は変わらない。関係が変わらなければ、セックスレスは固定化する。そして心を明け渡せない夫婦生活が続くのだ、延々と。35歳、結婚8年目、セックスレス5年の純が、どう変わっていくのだろうか。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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