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清楚なふりして50回お見合い。“昭和”な結婚相談所に振り回された女性の嘆き

女子SPA! / 2021年12月4日 15時47分

写真

当時の恵理さん(仮名)の婚活用写真。結婚相談所のアドバイスを忠実に守った。

 こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

 北関東出身の看護師の恵理さん(33歳・仮名)は明るくて華やかで可愛らしく、高校時代から身近な環境で彼氏がいたモテる女性でした。しかし婚活で苦戦し、婚活歴は2年で訪れた結婚相談所は3社。“仲人ガチャ”に翻弄された、彼女の婚活についてお話しします。

◆高望みもしていない、共稼ぎ希望のモテ看護師

 決して高望みをしていたわけでもない恵理さん。結婚後も仕事は続ける予定で、相手の学歴・年収はさほど気にせず、相手への希望は子どもを望むことと、一緒に居て楽しい男性に出会いたい、ぐらい。

 元カレ達と別れた理由を聞いても、問題があるように見えません。地元の病院を辞めて東京の病院に就職することをきっかけに別れた彼氏がいたそうです。30歳の時に、東京出張の度に食事をしていた地元在住の同級生と付き合うことになります。相手からプロポーズされ「一緒に地元で暮らそう。考えておいて欲しい」と言われたそうですが、東京の仕事にやりがいを感じていた恵理さんは断り東京に残ることを選択しました。

 もうすぐ31歳。看護師だからこそ、子どもを望むのなら時間があまりないことは分かっていました。仕事関係者からの紹介で全国仲人連合会加盟の結婚相談所に登録します。

「あの時は結婚相談所はどこも同じだと思っていました。今思うとプロフィールはスカスカだったし、仲人に質問してもレスポンスは遅く片手間でやっている感がありました。お見合いも相手からドタキャンされて謝罪もなく、そこはすぐ辞めました」

 こうしているうちに31歳になってしまいます。

◆結婚相談所のYouTubeで「婚活で選ばれる女とは」を学ぶ

 婚活について調べているうちにIBJ(日本結婚相談所連盟)加盟の結婚相談所が運営するYouTubeチャンネルにたどり着きます。

「男から選ばれるために女は痩せろ」「髪は巻け」「婚活用のワンピースはこれ」「いい男とはこういう男だ」「収入が高い男と結婚したいなら他の条件捨てろ」。はっきり断言するため説明が分かりやすく、感銘をうけたそうです。とはいえ料金も高額なので、入会検討のために視聴者向けに開催されるセミナーに参加したそうです。

 会場には大勢の参加者がいて、「会員も多いのにちゃんと一人一人の質問に答えてくれるんだろうか」と思ったとか。

 仲人は、いかに自分が成婚させてきたのか、他の結婚相談所との違いを解説します。

「私は経験が長いから相性がいい人が分かるの。たくさん申し込みが来ても、うちの結婚相談所は誰とお見合いするか私が選んでお見合いしてもらいます」

 その話を聞いてモヤっとしたそうです。「いろんなチャンスがあるかもしれないのに、そんな結婚相談所が勝手に相手を決めるのってどうなんだろう」と思い入会しませんでした。

 迷っていた時、友達がかつて入会していた、50代女性が一人で運営しているIBJ加盟の結婚相談所を紹介されます。友達は結局、相談所外で出会った男性と結婚したのですが、その後も付き合いがあるぐらいなので「いい人なのは間違いないだろう」と思ったそうです。

「もう32歳で、どこの結婚相談所がいいか分からなかったのでそこに入会しました」

◆土日にお見合いを6回こなす、怒涛の婚活がスタート

 恵理さんはYouTubeで紹介されていたワンピースを買い、髪を巻いて撮った写真で登録しました。登録してすぐ申し込みは70人ぐらいあったそうです。これは割と多い方。

「『とにかくいろんな人に会った方がいい』とアドバイスされたので、あまり年齢が離れた男性を除き、いろんな人と会ってみることにしました」

 土曜日に3人、日曜日に3人というハイペースで、2か月は会いまくったそうです。

「悪い人はいなかったですが、大人しい方が多くて、会っていてつまらなかったです。人に興味関心がないというか、あまり友達がいなさそうな人が多かった」

 40人ほど会って、2回目の交際に進んだのは「飲みに行くのが好き」と言っていた3人だけ。しかし、2回目のデート後に向こうから断られたり、返信が遅すぎるので恵理さんが断ったりと、なかなか続きません。

 恵理さんは人気があって、男性から次々と申し込みが入ります。仲人からの「どんどん会って次に行こう」というアドバイスもあり、たくさん会えばいい人に巡り合うと思っていたそうです。3か月目に年下の国家公務員とお見合いをしました。2回目デートの後に盛り上がらなかったので断ったそうですが、向こうの結婚相談所経由で復縁希望の申し出があり、交際を再開したそうです。

◆好きかどうか分からない相手と“真剣交際”に進むも

 次に会ったときに相手から「今まで女性と付き合ったことがない」と打ち明けられ、盛り上がらなかったことは目をつぶることにしたそうです。何度か会って結婚相談所経由で「あちらは真剣な交際に進みたいとそうですよ」という申し出がありました。

「自分で言えばいいのに。でも結婚相談所ってこんなものなのかな?」と思ったそうです。婚活にも疲弊していた恵理さんは真剣交際に進みます。“真剣交際”とは、他の異性と同時並行を辞めてお互いが一人に絞ったいわゆる「お付き合いしている」状態です。

 真剣交際に進んだときに仲人の提案で、結婚相談所を紹介してくれた友達と3人で食事会を開催してくれたそうです。しかし、あまりうれしそうじゃない恵理さんの様子を察して、仲人が「手をつないだの?」と聞いてきました。

「いや、つなぎたいと思えなくて」

 そこからは仲人と友達の2人に、そのまま結婚して大丈夫なのかと諭(さと)されます。「私、そんなに好きじゃないな」と気が付いた恵理さんは、相手と話し合って埋められない溝を再確認し、交際解消を選択しました。

 私はそれを聞いて、売り上げのために成婚を押し進めることもできたであろうタイミングなのに、会員の人生を考えて別れも提案できるって素晴らしい対応だなと感じました。

 一方で、恵理さんは「相手は自分の鏡なのよ」のような抽象的なアドバイスしかもらえないことや、好きになれない男性との繰り返しの先に結婚できるイメージを持てなかったそうで、私のところにご相談にいらっしゃいました。この時点ですでに、50人ほどお見合いしていました。

◆「清楚」「家庭的」をウリにするプロフィールの罠

 恵理さんの自己紹介文を見ると「お花を見るのが好き」と書いてあり、担当者のPR文には「良妻賢母タイプ」「一緒に居て癒されるお勧めの女性会員」とありました。

 年収は非公開でお酒の欄は「付き合い程度」を選択し、初婚の相手を希望と書いてあります。

 キャリア形成のため上京してICU(集中治療室)勤務の経験もあり、お酒大好きで共稼ぎ希望の看護師は、良妻賢母タイプにカテゴライズされるものなのでしょうか。

「お酒飲める人がいいのに、なぜお酒は『付き合い程度』なの?」

「このプロフィールは仲人さんが作ってくれて、こういうものかなと思ってました」

 結婚相談所では、プロフィールに「お酒が飲める」「お酒が好き」と書いている人が少ないのです。本当に飲めない方もいると思いますが、あまりに飲めない人が多く「お酒が好きって書くと人気なくなりそう」と計算して“付き合い程度”を選んでしまう方もいます。

 結婚相談所に多い「飲めない男性」が好みそうな女性像に、無理やり自分を当てはめて、その先に「理想とする結婚」はあるのでしょうか。

 私は率直に、恵理さんへ伝えることにしました。

◆申し込み数を増やすより、本当の自分を出すことを優先

「これだと、大人しい女性と思っていて、従順そうな女性を希望する男性が来ると思います。

 人気があるようですし、申し込み数を最大化させるより、申し込み数が少々減ろうが、『飲むのが好き』という個性は出しましょう。

 マラソンやハイキング、BBQ、『鬼滅の刃』みたいに男性にも人気の趣味は載せましょう。好奇心旺盛でアクティブな個性は明かして、申し込みが来た方は試しに3回は会うようにしてそこで判断しませんか?

 今の職場で結婚後も働き続けたいのなら、お住まいが遠い人は辞めましょう。自己紹介文と担当者PR文は作成し直しますね。あと年収も高めですし公開してみませんか?」

「分かりました。仲人さんからは女性はほとんど年収非公開って言われているんですけど」

「IBJは年収を公開する女性が少ないんです。でも結婚後もお仕事続けたい女性だと見せるために、開示してみませんか」

 これまでの経験ですと、私が写真やプロフィール変更を提案しても仲人がいい反応をせず、応じてくれなかったところもありました。今回は運良く仲人さんが私のコラムの読者で、スムーズにプロフィール修正ができたのでした。

◆どういう女性か分かりやすければ、「合う人」が寄ってくる

 年収を開示してから、離婚歴がある方からの申し込みが増えたそうです。写真も交換する計画を立てていましたが、プロフィールをアップデートしてから会った4人目の男性と、あっという間に成婚退会した恵理さん。お相手は同い年で離婚歴があり、人材系企業に勤務する高卒男性。お見合いから毎週デートして、3回目のデートでは手をつなぎ結婚を申し込まれたのだとか。

「夫は元シナリオライターで会話の引き出しが多くて、結婚相談所では珍しい、好奇心旺盛な男性だったと思います。コロナで出会いもないし登録したそうです。

 一緒に暮らしてからも、お互い忙しいから食事はお惣菜を買ってご飯を炊くだけの時もあるし、都会のお嬢さん風の女性を期待している人じゃなくて本当によかったです」

◆人気の相手との結婚が、幸せとは限らない

「二人で晩酌はしているの?」

「結婚祝いでシャンパンもたくさんもらったので飲んでました。でも今は飲んでないんですよ」

「ん?」

「赤ちゃん授かりました。来年は家族3人になります」

「早!! おめでとう」

 恵理さんにとっての理想がかなって、本当によかった!

 人気がある男性がいい男でも、人気がある男性に気に入られることが「正しい成婚」でもないのです。婚活業界には、「いい男」「いい女」「いい理想の結婚」が既に決まっていて、大卒高収入初婚男性と結婚することを勝ち組のようにもてはやす悪しき風潮があるのです。でも婚活の人気ヒエラルキーの上を目指すことが、幸せな結婚とは限りません。

 ただし、恵理さんが美人で人気があったから、個性を出してもニーズが高かったということもお忘れなく。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】

恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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