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女性向け防災キットにコンドームが入っているワケ。開発した老舗企業の社長を取材

女子SPA! / 2023年3月29日 17時48分

◆災害用レディースキットにコンドームが入っている理由

――どのレディースキットにもコンドームが入っていますが、どんな理由があるのでしょうか?

鈴木:2月に起きたトルコ・シリア大地震や東日本大震災でも取り上げられていましたが、災害時に女性が性暴力を受ける事態が相次いでいます。そういった現状で、本来ならば(女性が主体的に選べる避妊方法である)緊急避妊薬を入れたかったのですが、日本では医師に処方してもらわないと入手できない状況なので、「自分の身を守るためのお守り」としてのメッセージをこめて、コンドームを入れることにしました。また、コンドームは止血や水を汲むこともできるので、さまざまな用途として使えます。

――女性がコンドームをもつことに対して、まだまだネガティブに捉える人もいる印象です。

鈴木:女性がコンドームをもつことは「はしたない」「淫らだ」と考える風潮はまだ残っていますよね。ですが、女性が自分の身を自分で守ることは、恥ずかしいことではありません。望まない妊娠を避けるなど、しっかりと計画を立てることが女性が長く働き続けるための重要なことだと思います。それでも、会社によってはコンドームを抜いてほしいという意見もあるので、そのときはご要望に合わせて納品しています。

――会社としてコンドームに抵抗感をもつ理由は何ですか?

鈴木:女性より男性のほうが抵抗を感じるケースが多く感じます。理由として、コンドームをもつことで、「女性側が性交渉をしたいと勘違いされてしまうのではないか」という意見を聞きます。しかし、被災地ではさまざまな場面が想定されます。

もちろん性生活が当たり前のものとして、被災地でも性交渉がおこなわれる可能性は考えられるため、望まない妊娠を防ぐためにコンドームが使用されることもあります。さまざまなケースでコンドームが役に立つことも、より多くの人に知ってもらいたいです。



◆第三者が入ることで生理の話題が生まれる

――どのような企業が災害用レディースキットに関心を示していますか?

鈴木:私たちは中小企業を中心に販売し、すでに26社ほどに納品させていただいています。なかでも、女性活躍推進やダイバーシティ推進に取り組んでいる企業が多い印象です。

何となく女性用防災グッズはあったほうがいいことはわかっていても、生理の話をするのには抵抗があるといったことから、具体的な問題点や現状がわからないという声を多く聞きます。そういったときに商品があることで話しやすくなるのは、導入していただいている企業さんから好評をいただいている点です。

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