大雨の夜に保護された子猫、すっかり慣れてくつろぐ姿が可愛すぎ
女子SPA! / 2023年3月29日 17時48分
写真は本書より(以下同じ)
「人生の節目には、いつも猫との出会いがあった」。そんな風に語るのは、『ちびすけmeetsおおきい猫さんたち』(三笠書房)の著者、椹野道流さん。医師、非常勤講師、そして作家の椹野さんの自宅には、常に複数匹の猫がいました。ある大雨の夜、一匹の子猫と出会います。それがちびすけです。母猫とはぐれてしまったちびすけは、椹野さんに抱かれるなりゴロゴロと喉を鳴らしました。椹野さんを信頼し、心を許した瞬間でした。
私も猫を飼った経験がありますが、猫はきちんと人を見ています。安心できる人なのか、頼っていい人なのか、その研ぎ澄まされた瞳で人の本質を見抜くのです。生きるか死ぬかの瀬戸際で、ちびすけは椹野さんに命をあずけると決めたのでしょう。
◆ちびすけと先住猫
人間社会にルールがあるように、猫社会にもルールがあります。もしかしたら、人間よりも上下関係に厳しいかもしれません。ちびすけは新参者、子猫だからといって甘えは許されないのです(たぶん)。
好奇心旺盛のちびすけは、大きい猫さんたちとお近づきになりたくて、背後から懸命に視線を送ります。大きい猫さんたちがあまりにも大きいので、威厳に満ちているように感じたのでしょう。
じりじりと控えめにすりよって、隣でゴハンをいただくことに成功。ちびすけを見つめる甘利兄さんのまなざしも、すっかりやさしくなりました。
「甘利兄さん、遊びませんか?」。そう問いかけていそうなちびすけ。ぐいーんと伸びた体と上目遣いに、のんびり休憩していた甘利兄さんも根負けしたようです。茶目っ気あふれるちびすけには、どっしりかまえた大きい猫さんも相好を崩してしまいます。
◆最高の愛情表現
猫の愛情表現といえばグルーミング。猫同士がお互いを舐め合うことをアログルーミングといいますが、これは相手に自分の匂いをつけて信頼関係を築いているのです。「あなたのことが大好き」という気持ちを、余すことなく伝える行為でもあります。
ちびすけは甘利兄さんの心をついにノックアウト。甘利兄さんのふわふわで大きく、あたたかな被毛に包まれ、グルーミングを堪能しています。安心しきって体をあずけているちびすけの、うっとりした目にこちらまでキュンとします。
◆ちびすけ、家族の一員になる
甘利兄さん、福本兄さん、波多野姉さん、そしてママこととびちゃんも、ちびすけを家族と認めたようです。椹野さんいわく、「ちびすけ持ち前の、物怖じしない、開けっぴろげでフレンドリーな性格が、警戒心の強い先住猫たちの心をこじ開けたようです」。
ちびすけの存在が、猫たちの執事である椹野さんの日常に、新たな彩をもたらしました。きっと猫たちにとっても、突如現れたちびすけの無邪気さや明るさが、癒しになっているのではないでしょうか。なぜなら、ページをめくっていくごとに、体だけではなく心の距離が縮まっていき、絆が深まるのがわかるのです。
「猫のいない人生など、もはや想像することもできません」と椹野さん。猫同志の愛と、猫にそそぐ愛と、猫たちからにじみ出る椹野さんへの愛を、どうぞ本書から味わってください。
<文/森美樹>
【森美樹】
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
山で凍えている捨て子猫を高校生が発見→衰弱死を乗り越え1年後…… 涙が止まらない大成長に感動の声が続々「みんな~無事に大きくなって」
ねとらぼ / 2024年11月13日 19時30分
-
炎天下、段ボール箱の子猫を放っておけない!猛暑から救った小さな命は、高貴な美猫に
まいどなニュース / 2024年11月8日 11時30分
-
「この子は贈り物なのかも」誕生日に神社で見かけた子猫 保護から8年…甘えん坊に成長した猫が家族にくれた“ぬくもりの日々”
まいどなニュース / 2024年11月6日 7時40分
-
あふれる母性を子猫に注ぎたい先輩オス猫、グルーミングをやんわりかわされ「解せぬ…」の表情
ニコニコニュース / 2024年11月5日 11時45分
-
子猫を1匹だけ迎えるつもりが、「兄弟なので」と2匹一緒に→今では3匹、川の字になって眠る仲良しに
まいどなニュース / 2024年10月24日 14時20分
ランキング
-
1【冬の乾燥対策に】ドラッグストアで手軽に買える! ハンドクリーム5選
マイナビニュース / 2024年11月21日 17時0分
-
2書店に行くとなぜか急にトイレに行きたくなる「青木まりこ現象」とは?
マイナビニュース / 2024年11月21日 16時2分
-
3【風呂キャンセル界隈】医師「心身が疲れた時こそ入浴を」 - 安全で健康的な方法とは
マイナビニュース / 2024年11月21日 11時0分
-
4とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
5生産性を上げ、まわりと差がつく5つの栄養素 ライバルを出し抜くために必要なのは「食事」
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください