40代で養子縁組して母に。TBS元人気アナが”子どもを手放した女性”との対話で涙した理由
女子SPA! / 2024年3月18日 8時46分
久保田:あのころは、すごい幸せなんだけど、これでいいのかな。ママって呼ばれていいのかなっていう。ずっと考えていましたね。でも、今はそんなふうに考えることがなくなりました。一番大きいのは、やっぱり娘がわたしのことを母親だと、ママだと認めてくれることがすごくよく分かるからだと思います。
3か月くらいのとき、本当に信じられない奇跡が起きたっていうくらい、毎日とっても楽しく、こんな幸せになることあるんだと思って過ごしてたんですけど、一方で、自分は産んでないじゃないかっていう思いを払拭できませんでした。
結局「産まなきゃ親になれない」っていう固定観念に悩まされていたんですよね。それまでも言葉では自由なほうがいい、多様性が大切だってずっと思っていたし、言っていたと思うのですが、実際自分がその呪縛から解き放たれるまでには、少し時間が必要でした。
◆制度によって幸せに暮らす家庭を可視化する大切さ
――やはり過ごす時間の長さが、そういう葛藤を減らしていくものでしょうか。
久保田:本当にそうだと思います。産むということはもちろん、とても尊いことです。そのことをわたしは経験できなかったけれど、毎日毎日一緒にいて、時間を過ごしていることで私たちの家族は強く結びついていると感じています。
まあ、こういうふうにお話しするとすごくいいママなんだろうと感じられてしまうかもしれません。でも実際は映画で描いてないですが、喧嘩もありますし、言い合いもしていますし、ついつい言い過ぎてしまうこともあります。決して現実は甘いものじゃないですし、子育てが大変なことはみなさんと同じです。とても聖人にはなれない、失敗ばかりを繰り返しているのですが、それも含めて、絆は強くなっているなって思いますね。
――特別養子縁組制度をとりまく日本の現状について、課題に感じていることはありますか?
久保田:一番重要なことは子どものための制度であるということですよね。制度によって親も幸せにしてもらっている。育ての親の側も生みの親の側もですが、一歩踏み出すきっかけになっているケースはあると思うんです。でもやっぱり子どものためのものなんだとうことを、より強調していきたいなと思います。子どもの幸せのためにわたしたち大人ができることがあって、この制度はそれをするひとつの手段になっているということを。
また、制度への理解を広めるためには、親子の血のつながりがなくても幸せに暮らしている家庭を可視化することが大切です。わたしたちのようなケースは決して珍しくはなく、この制度で幸せに暮らしている子どもはたくさんいるということを伝えていきたいです。
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