NHK『光る君へ』の2人、本当の“平安イケメン”はどっち?問題を徹底分析してみた結果
女子SPA! / 2024年4月11日 15時46分
『光る君へ』より ©︎NHK
雅で感性豊かな平安貴族たちに目移ろい。男性貴族を演じる俳優陣の華やかさにもうっとりしてしまう。
大石静の脚本による今年の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合、毎週日曜日よる8時放送)でひときわ輝いて演じるのが、藤原実資と藤原公任である。それぞれ、秋山竜次と町田啓太が演じるが、ちょっとした疑問が浮かぶ。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、実資と公任のどちらが、平安イケメンであり、“リアル光源氏”なのか、徹底分析する。
◆ライバルのどちらがイケメンか
日頃からイケメンについてばかり考えている筆者の視点で『光る君へ』を見ていると、どうしても気になってしまうことがある。それは、藤原道長のライバルとなるふたりの平安貴族、そのどちらがイケメンなのかということ。
かたやライバルにして良き友でもある藤原公任(町田啓太)。かたやライバルにして最大の批判者(理解者?)であった藤原実資(秋山竜次)。
令和の価値観なら話は早い。それぞれ演じる俳優をひと目見て、イケメンなのは町田だとすぐ軍配はあがるからだ。
翻って、じゃあ当時の価値観なら? 平安時代の様子を描いた絵巻を眺めてみる。男性貴族が揃いも揃ってふっくらして、鋭い目つきが特徴的であることがわかる。
この単純なビジュアル判断ならば、平安イケメンは、秋山ということになるのだろうか……。
◆平安的美意識の鑑
絵巻の男性貴族たちには他にも共通点がある。みんな肌が白いことだ。『源氏物語』の作者である紫式部の日記『紫式部日記』には、男性貴族も白粉で化粧することが身だしなみの常として描写されている。
あるいは紫式部による54帖の『源氏物語』でもっとも分厚い「若菜」の巻下に記述がある通り、白粉は顔にベタッと厚く塗るのではなく、薄く透明感ある白さが風雅であったよう。
となると、地黒な肌そのままの秋山扮する実資は、透明感の観点からするとちょっと美意識が違うかもしれない。一方、公任を演じる町田は申し分なく白い。透明感あるその白さは、平安の美意識の鑑ではなかったか。
◆「真白」という役名
時代は下って、鎌倉時代に成立した『平家物語』から、名高い「敦盛の最期」を引用しておきたい。「顔に薄化粧をしてお歯黒をつけた、わが子小次郎ぐらいの年配にあたる十六、七の美少年である」(中山義秀訳)とあり、男性貴族の美しさが白さに結実していることがわかる。
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