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NHK『光る君へ』の2人、本当の“平安イケメン”はどっち?問題を徹底分析してみた結果

女子SPA! / 2024年4月11日 15時46分

 中学、高校の古文の授業でも頻出するこの箇所を読むたび、それはそれは美しかったんだろうなと思いながら、現代なら誰似だっただろうかと、敦盛に町田啓太を重ねてみることがある。町田は単に肌の白さだけでなく、白さを象徴する俳優でもあるからだ。

 2016年のドラマ『スミカスミレ 45歳若返った女』(テレビ朝日)で町田が演じたのが、真白(ましろ)勇征という大学生。「真白」という役名が象徴する美しい響きが、そのまま公任役の通奏低音になっていると筆者は解釈している。

◆内面世界も豊かな公任

 どうも役柄そっちのけで、単なる町田君びいきになってきた。一度、深呼吸。ビジュアルの議論から今度は内面的な部分へ注力してみる。『光る君へ』第7回、妻の桐子(中島亜梨沙)にぐちぐち愚痴る実資を秋山が愛嬌たっぷり演じる。

 桐子は「くどい」といって日記に書いたらどうかとしきりに促す。実資は『小右記』という日記を残している。「この世をば……」ではじまる藤原道長の有名な「望月」の歌は、実は道長の日記『御堂関白記』ではなく、この『小右記』に記述がある。

 宴席で披露された同歌に対しての唱和を求めた道長に対して、実資はうまくかわしている。博識でありながらも知識をひけらかさない実直な性格については、『紫式部日記』でも高評価である。

 でも博識というなら、公任は折り紙つきだ。趣深い歌風で知られる名歌人だった公任は、漢詩、管弦、和歌(「三船の才」)に優れた人。関白の息子という身分だけでなく教養も桁外れだった公任が、モテたのなんのって。

 こうなると俄然、公任びきいまで始まってしまうのだが、今でいえばベストヒット歌謡アルバムみたいな『和漢朗詠集』を編纂した公任が、竜笛を吹く場面で町田は、指先まで雅な美しさをめぐらしている。透明感ある白さの外面だけでなく、内面世界も豊かな公任にやっぱりイケメン軍配をあげるべきかしら。

◆光源氏的な振る舞い

 第3回、女性たちからの恋文を読み上げながら辛辣な批評を下す公任のプレイボーイぶりがリアル光源氏だとネット上では囁かれた。公任を筆頭に、道長、藤原斉信(金田哲)、藤原行成(渡辺大知)による“平安のF4”が集まり、女性に関する談義を繰り広げる様は、『源氏物語』にも同じような場面がある。

 「帚木」の巻に有名な「雨夜の品定め」としてあり、男性貴族たちが好き勝手に下世話な会話で盛り上がる。そんな他の貴族を横目に光源氏は横になって、あまり熱心に話には入らない。むしろ率先して批評していた公任は対照的で、光源氏的な振る舞いとはいえないことになる。

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