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34歳ジュノンボーイ俳優が「イケメンを極めた」といえる理由。各方面で発揮してきた才能とは

女子SPA! / 2024年4月30日 8時45分

◆戦国武将としての威厳をにじませた『どうする家康』

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(2020~2021年)で、正親町天皇役で不意に出演した玉三郎渾身の凄みにも劣らない熱演を溝端も示すことになったのが、『どうする家康』(2023年)。

 溝端が演じたのが、今川義元(野村萬斎)の嫡男・今川氏真。第1回、今川家の人質である後の徳川家康(松本潤)と氏真が庭先で勝負する。

 実力を隠していた家康が氏真に勝ってしまう。恥をかいた氏真の悔しさ。溝端の眼光鋭さがほとんど動物的な直感で肉薄していた。

 21世紀に生きるひとりの俳優として戦国武将を演じることのリアリティを担保することに苦心しながら、映像の演技としてはちょっと重た過ぎるかなと感じる演劇的演技すれすれで踏ん張る。

 それがまた戦国武将としての威厳をにじませる。それまでの経験を総動員した、熟達の技芸にうなった。

◆シェイクスピア俳優として

 現在34歳。ジュノンのグランプリから立派な俳優になったなとしみじみ思う。もしジュノンボーイ今昔物語なんて編纂することがあれば、間違いなく歴代受賞者の中で最高の主要人物となるだろう。

 そういえば、ちょうど10年前、蜷川幸雄の連載エッセイ『演出家の独り言』(朝日新聞デジタル)で興味深いものがあった。タイトルは、「イケメン俳優への憂い」。イケメンという存在について、やや辛辣な筆致で書かれたこの文章は、当時、多くのイケメン俳優ファンを敵に回すものでもあった。

 とくに「(イケメン俳優たちが)チェーホフだって、シェークスピアだって、三島由紀夫だって読んだことない」という箇所には、チェーホフやシェークスピアを知らないことがそんなにいけないことかと俳優ファンが猛反発。

 でもどうだろう、行定勲監督の『GO』(2001年)を中学生のときに見て俳優を目指したという溝端が、いつの日か蜷川と出会い、ちゃんとシェークスピア俳優になるんだから。俳優の才能の開花は、無限大であることは確かだ。

◆“イケメンを極めた人”

 蜷川と出会う前の溝端が、シェークスピアを知っていたかどうかはわからない。でもすくなくとも蜷川演出の舞台上では、シェークスピア俳優としての説得力というか、必然性があった。まさに玉三郎が表現する「演劇的な人」として。

 蜷川がイケメンという存在について考えることを根本的に促したのが、溝端淳平だといえる。その意味では、日本を代表する“イケメンを極めた人”とも理解できる。そして今や、イケメンであるかどうかを超えたところで、自由な演技力を各方面で発揮している。

 岩本照主演の『恋する警護24時』(テレビ朝日、2024年)では、戦国時代とは打って変わり、ラブコメ現代劇。なのに役柄間のギャップをあまり感じさせないのが不思議だ。イケメンだけでなく、俳優道も極めた人の技は、やっぱりすごい。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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