布団の潜り込み先を間違え、友情にヒビが……それぞれの女の生きる道|NHK大河ドラマ『光る君へ』第15回
女子SPA! / 2024年4月21日 15時46分
さらに、まひろの弟・藤原惟規(高杉真宙)が難関試験に受かり、擬文章生という立場になった。まひろの一家にとっては久しぶりに明るいニュースだ。父・為時(岸谷五朗)と共に、とっておいた酒を飲み交わし、まひろは琵琶を奏でる。
良いニュースだが、まひろの心は弾まない。弟に比べて、自分は何も前進していないからだ。もちろん、そんな態度を弟の前で出すほどまひろは子どもではなかったが、鬱屈としたものを抱えている。家のために、と懸命に働いているまひろだが、ききょうのように目標を明確に持つこともできずにいるように見える。まひろの心情を想像するとやるせない。きっと彼女のように悩んでいる女性は多くいるはずだから。
◆親しみがある、女子トーク
気分が晴れない中、まひろはさわ(野村麻純)に誘われ、近江の石山寺に行くことにする。女子二人旅だ。さわは父と義母に疎まれ、実家で気づまりをしていた(ちなみにさわは、為時が世話をしていた女性が以前の結婚で産んだ娘である)。
旅の非日常感からか、まひろの表情も晴れやかだ。そんなまひろにさわは「このままお互い、ずっと一人身だったら一緒に暮らそう」と持ち掛ける。石山寺へは、結婚相手を見つけられるよう、お願いに行くはずだったが、2人が末永く一緒にいられるように願う、と。これ、あれだ、女子同士で「おばあちゃんになったら一緒の老人ホームに入ろう」っていうやつと一緒なのでは……。でも若い時のそういう会話って尊い。
きっと、旅の高揚感も手伝っているのだろうけれど。平安という遠い時代のことなのに、ときどきこんなふうに今の自分に引き寄せて思いを馳せることができるのもこのドラマの良いところかもしれない。
◆道綱のせいで脅かされる女子たちの仲?
しかし、そんな2人の淡い未来予想図はすぐに消えてしまう。
石山寺で藤原寧子(財前直見)と道綱にあったまひろたち。蜻蛉日記を書いた寧子に会うことができて、まひろは嬉しそうだ。一方、道綱はまひろを見初め、その夜、まひろたちの寝床に忍び込んでくる。が、まひろは床におらず、外で夜空を眺めていた。道綱は間違えてさわの布団に潜り込み……。
間違えるのも最悪だし、言い訳も最悪。おまけにさわは道綱に好意を抱いていた。とはいえ、そそくさと道綱はその場を立ち去ったものだから、やり場のない怒りはまひろに向いてしまう。これに関して、まひろは何も悪くないのだが……まひろに当たるさわ。このまままひろは数少ない友人をなくしてしまうのか……。
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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