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「人殺し、汚れ役から変わろうとしていたのに……」道兼の切なすぎる最期に心打たれる視聴者が続出した理由|「光る君へ」第18回

女子SPA! / 2024年5月12日 15時46分

民のため、そして内裏の分裂を防ぎたい。公卿たちの話にも耳を澄ませる。そこでまずは道兼を関白とするが、次は伊周に、と考える。

妻は伊周の妹・定子(高畑充希)だ。定子の兄を関白にしてやりたいという想いもある。が、そこに待ったをかけたのは自身の母・詮子(吉田羊)だった。天皇が自分の信じた政をできるように、そのためには道長(柄本佑)を関白に、と泣きながら訴える。

母と妻の板挟みである。

詮子と定子は互いに良い印象はないようだが、一条天皇はどちらも愛しているのでは、と思う。ただ、一条天皇は視野の広い人でもあるのでは。自分の想いだけで決めれば伊周だ。しかし、すべてを見渡せば……。

唯一の救いは定子と一条天皇が想い合っているということ。ふたりかせ寄り添うシーンがとても美しく、印象的だ。

◆伊周の振る舞いよ……

道兼が関白に決まったときも、道長に内覧宣旨を下したときも、伊周は定子につらく当たり、責め立てた。「そういうところだよ……」と言いたくもなる。なんのために天皇のそばにいるのか、早く皇子を産め、と責める。それしかできることはない、と。

怒りだけではないであろう、さまざまな感情を飲み込むような定子の表情。それを見つめる清少納言(ファーストサマーウイカ)の苦しげな表情。観ながら拳を固めてしまったが、そういう人だから人望がないなどと言われるのでは、とも思う。

そして定子のそばに清少納言がいてくれてよかった。

◆あの人、人気がないんだ……

そんな清少納言が愚痴りに行くのはまひろである。

次の関白は誰になるのか、という話ばかりで嫌になっちゃう、と清少納言。その中で道長の名前が出てきたものだから、まひろはつい動揺してしまう。道長についての評判を聞くと「細かいことにうるさい、ぜいたくを許さない、そもそも偉くなる気もない」ついでに「公卿にも女官にも人気がない」。そして「やっぱりありえませんわね」ときっぱり。

清少納言が帰ったあとの「あの人、人気がないんだ……」と思うまひろの背中がいい。どういう顔をして考えているのか、想像できるのがいい。

ただ、細かいことにうるさいのも、ぜいたくを許さないのも、いじわるではなく、政のため。それもきっとまひろは分かっている。

まひろはそんな道長とあの廃屋で偶然、会ってしまう。

「昔の己に会いにきたのね」「でも今は語る言葉は何もない」

そんな、直秀が見ていたら「帰るのかよ」ってツッコんでしまうのではないか。

道長は、まひろの姿を認識して近づいたのだから、何かしらの言葉を交わそうと期待したのでは? いや、目と目を合わせるだけでもいろいろと通じ合ったのか、それとも、「今」の自分を見てほしかったのか、元気な姿を確認したかったのか……。

と、ワンシーンでいろいろな想像をさせてくれるのが、やはりたまらない。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ

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