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夫の夜の誘いを断ったら「バカにしてんのか」と怒鳴られた。不機嫌をまき散らす夫に“妻の決断”は<漫画>

女子SPA! / 2024年5月25日 15時45分

◆多くのDV・モラハラ加害者が通った“プロセス”を漫画に

中川:僕自身も、モラハラ・精神的DVをしていた人間です。しかし、学び変わっていくことによって、妻とお互いに今が人生で一番幸せだと言い合える関係になりました。人は変わっていけます。DVのような問題はまず被害者側の声が可視化されることが当然であり、被害者のことを最優先した情報が提供されることも必然的なので、「加害者は変われない」という考えになるのも無理はありません。

 まず十分にDVやモラハラとは何か、なぜそれが問題なのか、それを悲しんだり傷ついたりして良いと分かった先に、逃げる選択肢が用意され、それを選ぶことが悪いことではないというふうに認識されていくことが大切です。その上で、被害者向けの情報が社会に広がりつつあるいま、ようやく加害者の心理や、加害者の変容について語って良い時代になりつつあるのではないかと思います。加害者の心理、それ以上に変容について語ることが可能な土壌ができてきたのではないでしょうか。

 そこで、本作のように加害者の心理を生々しく描き、加害者自身の心の痛み、未熟さ、足りていない能力、そしてその上で、加害者が学び変わっていくプロセスを、その失敗や行ったり来たり、良くなったと思ったらまた失敗して傷つけてしまう、そんなリアリティを描きたい、それをストーリーとして発信したいと思いました。特定個人のストーリーを漫画にしたわけではありませんが、多くの人が通ったプロセスを描けたと思っています。

漫画・龍たまこさん(以下、龍):「これは絶対に世に出すべきだ」と感じました。今までモラハラやDVを受ける側の目線から書かれた作品は多くあったものの、加害者心理をここまで深く掘り下げた作品は少なかったのではないかと思います。しかもそれを、男性が書いた、というところに非常に大きな意義があると。こういった作品は女性が発信するのと男性が発信するのとでは受け取られ方が全然違いますので……。中川瑛さんが書いてくださったこの原作を、より伝わりやすい形にするのがわたしの仕事だと思いました。

◆「自分は加害者だと思えない」という人に届けたい

――『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』を手に取る読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。

中川:僕は、この本が「自分はモラハラ・DV加害者だと言われたけれども、そうとは思えない。それでも一応読んでみるか」というような人に届いてほしいなと思っています。この本を読めば、DVというのが身体的・物理的なものにまったく限らないことがはっきりとわかると思います。そして、自分の養育環境や学校や職場では当たり前だったコミュニケーションが暴力と認識される場面があることもはっきりとわかると思います。

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