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生田斗真の「無痛分娩おねだり発言」炎上。日本で浸透しない“国際基準の人権”とは?専門家を取材

女子SPA! / 2024年5月18日 8時45分

◆無痛分娩には少なからずリスクも

 無痛分娩を選択するには、「ことさらに不安になる必要はないけれど、リスクも理解する必要がある」という。

「麻酔を分娩に使うことで生じるリスクがあります。例えば鉗子分娩や吸引分娩が増えるというデータが出ていたり、分娩の時間が長くかかる傾向があったりします。

 痛みが緩和されるメリットがある一方で、それに伴うリスクもある。それをよく理解した上で、本人が納得できる分娩方法を選べることが大切です。他人が気軽に妊婦さんに勧められるようなものではないということも、わかってもらえたらと思います」

◆お産の痛みは耐えて当然という偏見がまだまだある

 シオリーヌさんは「無痛分娩=痛くない」という方程式は成り立たないとしたうえで、さらに日本国内においては「お産の痛みに耐えられて当然」という社会の偏見もあると言います。

「お産の痛みに耐えられるのが当然、むしろそれに耐えられない人は弱い、お母さんなら誰でも耐えられるもの、といった固定観念や周囲からの圧を感じて悩んでいる妊婦さんは多くいます。腹を痛めて産むことで母性が芽生える、といった偏見もまだまだある。陣痛を経験したかどうかが、子どもに抱く愛情の有無に影響をもたらすことはないので、そこは誤解しないでほしいです」

 実際、このような偏見から、妊婦さんが周囲から無痛分娩を反対されるケースもあるようで……。

「周りの人の反対によって無痛分娩を選ばせてもらえないという話は少なくないです。パートナー、自分の両親、義理の両親とか、身近な人から、無痛分娩は甘えだという判断を受けて、選択させてもらえないという話を聞いたりすることがあります」

◆「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という考え方

 こんな現状から、今後もっと認知を広めるべき、国際基準の人権の概念があるという。

「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)という言葉があります。『性と生殖に関する健康と権利』と訳されます。簡単に言えば性や生殖に関すること、自分の体のことはその人のものであって、その人の性や生殖など体に関することについて決める権利は、その人自身にしかありませんよ、という概念です。

 生殖に関する権利でいえば、家族計画もそう。自分は子どもを何人望むのか、望まないのか。どうやって産むのか、それを決める権利や、決めるために必要な情報を得る権利が、あらゆる人にあります。

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