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「推し活」で不幸になってしまう人の特徴。 精神科医が伝える“推すために一番大切なこと”

女子SPA! / 2024年6月24日 8時44分

――空気に呑まれないようにするコツはあるのでしょうか?

熊代:まずシンプルにSNSを見過ぎないことですよね。そしてもうひとつ、1対1でコンテンツと向き合う時間を大切にしませんか、ということです。自分にとってその「推し」はどういう存在なのか、なぜその相手を応援しているのか、あらためて向き合う時間も大切にしてみませんか? ということは提言させていただきたいです。

――SNSではなく、推しとしっかり向き合いましょうと。

熊代:そこが出発点なはずですから。

◆「キラキラ」の後に「推し活」ブームが来た意味

――なぜ今、多くの人が「推し活」に多くの人がハマるのでしょうか。

熊代:まずは応援するのは気持ちがいいから。人間って自分が褒められること、つまり「承認欲求」が満たされることだけが気持ちいいわけじゃないんです。みんなで一緒に御神輿を担ぐ行為は楽しいんです。

さらにSNSの存在も重要です。「自分はこのアイドルを推している」「これだけお金を使っている」と、誰でも世間に対して簡単にアウトプットできる。つまり、みんなにアピールすることができるようになった。これも大きいですよね。

そしてもうひとつ、「自分自身がキラキラすること」に疲れてしまったというのが大きいのではないかと思います。「推し活」が台頭してくる前はInstagramが大人気で、多くの人が自撮り棒を持って観光地に出かけるとか、そんな時代が2010年代後半にあったと記憶しています。

――ネット上にも一時期、「自分を輝かせるために」的な記事が多かったですね。

熊代:その後に「推し活」ブームがきているんです。おそらく「自分キラキラ」の限界というか。どんなに個人で「いいね」を集めようとしても限界があるし、それって結構、疲れるよねということがわかってしまった。そこに「自分キラキラ時代」の疲労感を代替する心の満たし方として「推し活」がちょうど良かったという側面もあるのではないでしょうか。

また、自分個人で叶える夢よりも大きな夢を推しに託すことができる、という面もあると思います。

◆生きるうえで「誰かに夢を託すこと」は大切

――著書(※)では「推し活」は人を幸せにする、と定義していますね。

熊代:自分の心を満たす際に「褒めてほしい」という欲求だけでは上手くいかないのではないか、という思いが私にはありました。私はハインツ・コフートやアブラハム・マズローといった心理学者の理論を学びましたが、彼らの心理モデルから私は「自分の承認欲求を満たす、つまり“キラキラする”だけでは、そう簡単に人の心は完結しない」という考えを読みとってきました。

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