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故・中尾彬の“21歳の頃”があまりにもかわいい。近年の“憎まれ役“も愛された理由

女子SPA! / 2024年6月6日 15時46分

 岩下志麻との再共演作『極道の妻たち 最後の戦い』(1990年)では、冒頭、跡目を継いで四代目を襲名する田所亮次を演じている。同作は岩下志麻の名を映画史に刻む「極道の妻たち」シリーズ第4作にして岩下のシリーズ復帰作。さすがの東映ヤクザ映画の凄みの渦の中では、かわいいなんて形容はどこにも見当たらない。

 でもそのかわり、同作からシリーズ出演者に仲間入りした中尾が、存命する昭和スター俳優の数少ないひとりだったことに改めて気づく。今でも存命なのは、岩下扮する瀬上芙有の夫で瀬上組組長役で出演する小林稔侍。それから『男の紋章』(1963年)や『刺青一代』(1965年)などの日活任侠映画の花形だった高橋英樹。

 高倉健、菅原文太、渡哲也、渡瀬恒彦、梅宮辰夫、松方弘樹など、任侠映画イコール昭和スターだった時代のレジェンドたちが去った今、中尾、小林、高橋の3人が日本映画界を駆け抜けたスターの生き残りだった。

◆山﨑賢人と坂口健太郎に次ぐ第三の男?

 近年は、実写化映画全盛期を代表するきらきら映画『ヒロイン失格』(2015年)で、主演の桐谷美玲と坂口健太郎がデートする場面に中尾が本人役で出演していたりする。中尾彬がまさかのラブコメ漫画原作の映画に出演する世界線があるだなんて、公開当時まで想像できただろうか?

 桐谷扮する主人公が実写化王子の異名を取った山﨑賢人と坂口健太郎に挟まれる中、まるで真打ち登場のように中尾がヌッと顔を出す。アイスを食べながらの「いいんじゃない」という嫌味っぽく爽やかな台詞がトレードマークのねじねじとともに印象的。

 同作出演は中尾彬がちょっとしたアイコンになった瞬間だったんじゃないだろうか。いや、もっと言うと、山﨑と坂口に次ぐ第三の男役で桐谷を取り合ってもよかった。中尾彬とは、イケメンの観点から連想ゲームのように読み解くことができてしまう人。こんなにキュートないさみはだのスター俳優は他にいない。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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