人口512人の村に移住した47歳女性。「スーパーもコンビニもない山村」に6年住んでわかった“自身の変化”
女子SPA! / 2024年6月12日 15時45分
坂本:「短大を出た2000年当時は、俗に言う就職氷河期だったんです。周囲の同級生が就活を頑張っている中、自分は『就職はしない』と決め、バイトに精を出していました。人とは違う道を常に選んでしまう、あまのじゃくな性格なんでしょうね」
最終的には就労ビザが習得できず、29歳で帰国。その後は、厚木市内の民間企業で電子計測器などのマニュアル翻訳に派遣社員として約11年関わりました。2008年、「リーマンショック」による世界同時不況が発生、その余波で社内では派遣社員が契約を切られる「派遣切り」が起こりますが、「坂本さんは残して」という声が一部であったほど、社内でも慕われる存在だったそうです。
◆元夫の言葉に苦しんだ日々
社会人として順調な日々を過ごしていた坂本さんでしたが、転機となったのは自身の離婚でした。38歳の時、長年友人だった男性と結婚。しかし、入籍前後から夫の態度は急変していきました。
坂本:「入籍前後のタイミングで、1回すごく怒鳴られた時があったんです。その時は『機嫌悪いのかな』と思ったんですが、その後もことあるごとに怒鳴られて。自分の所有物が思うように動かないのが気に入らない、という感覚だったんだと思います」
謝ると以前も同じことを言っていたと詰められ、謝らなければ態度が変わるまで叱咤を受ける――そのような日々を繰り返す中、坂本さんの精神状態は次第に悪化していきました。一方、事情を知らない友人からは「いい旦那さん」と声をかけられることもあり、周囲には自身の状況を伝えられずにいたといいます。
ある時、思い切って妹に状況を打ち明けてみたところ、話はすぐに両親へと伝わり「今すぐ離婚して帰ってこい」と猛説得を受けます。友人宅に居候しながら別居生活を続け、結婚から1年足らずで離婚。別れた後も元夫の顔や、夫に責められた言葉が頭にちらつき、「自分の存在が人に迷惑をかけている」という思いから、ストレス性の目まいに悩まされる日々が続いたとのことでした。
◆「仕事辞めよ」ある日突然、浮かんだ思い
離婚から約1年が経ち、症状も落ち着きつつあったある朝のこと。自転車を漕いで会社に向かう中、ふと「仕事辞めよ」という思いが坂本さんの頭に浮かんできたといいます。
坂本:「このまま会社に勤めれていれば、あと20年ぐらいは働ける。でも自分は本当にそれをやりたいんだろうか、と思ったんです。1年後にも考えが変わらなければ辞めようと決め、実際変わらなかったので、退職を決断しました」
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