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賢く「投資」をしている人が結局、損してしまう“単純すぎる要因”

女子SPA! / 2024年6月19日 15時45分

 一方の「投機」は「値上がりしそうなものを買って、値上がりしたときに売り、利ザヤを稼ぐ」という行為です。

 短期的には、数字を追いかける「投機」の方が、簡単に利益を得られるように感じるかもしれませんが、長期的に「投資」を行うことで、投資家に成長の果実が分配されると共に、社会全体の豊かさにもつながります。

◆投機がギャンブルになるのは、マーケットは誰にも読めないから

 投機を選んではいけない理由は、「市場の値動きは誰にも確実に当てられない以上、短期的な売買を狙うとギャンブルになってしまうから」です。

 読者のみなさんの中には、すでに短期トレードでなんらかの利益を出していて、「そうはいっても自分は予測を当てて、大金を得たことがある!」とお考えの方もいるかもしれません。

 ですが、言葉を選ばずに言えば、仮にご自身が予測した相場動向が当たったとしても、それはたまたまであり、相場の上昇気流に偶然乗れただけかもしれません。つまり再現性がないので、今後何十年にもわたって同じ手法で資産を増やすことは困難だと言えるでしょう。

◆だから、エコノミストや経済評論家の予想は当たらない

 事実、新聞やマネー雑誌、ネットニュースなどを見ていると、多くのエコノミストや経済学者、経済評論家といった専門家たちが景気の見通しを発表しています。

 しかし、実際に、過去の見通しと現実の動向を見比べてみると、予想を当てる人よりも、外している人の方が多いことに気が付きます。もっと言えば、これまでにすべての景気動向を当てた経済評論家や学者は、誰もいないと私は思います。

 1989年のバブル景気の頃、多くのエコノミストや経済評論家たちが「日経平均株価は10万円台まで上がるはずだ」と口にしました。35年が経過した現在、日経平均株価はようやく最高値を更新しましたが、それでも、10万円には程遠く、ようやく4万円を超えた程度です。

 エコノミストや経済評論家たちは、経済のプロです。長年にわたってマーケットを観察してきた彼らですら、相場の動向を見誤ります。

 彼らよりもさらに知識のない個人が景気やマーケットの行く末を予測したとしても、外すケースの方が圧倒的に多いのは当然のことでしょう。

<撮影/小黒冴夏>

【中野晴啓】
なかのアセットマネジメント代表。1963年、東京生まれ。明治大学商学部卒業。2006年セゾン投信を設立、2007年4月代表取締役社長、2020年6月より代表取締役会長CEO 就任。2023年6月退任後、同年9月なかのアセットマネジメント設立。全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。近著に『誠実な投資 お金から自由になれる「長期投資」の鉄則』(徳間書店)

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