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春ドラマ女優ベスト3。“子宮を1000万で貸した貧困女性”も凄いけど、今クールの圧倒的No.1は

女子SPA! / 2024年6月24日 8時46分

◆視聴者の心をザワつかせる感情表現が秀逸

石橋自身は俳優の石橋凌と原田美枝子の次女として生まれ、幼い頃にはじめたクラシックバレエで海外留学。ダンサーから女優へと転向した表現者のサラブレッドです。

朝ドラ『半分、青い。』における佐藤健の妻役で存在感を示し、映画化もされたドラマ『前科者』では保護観察の対象者・仮釈放中の前科者・みどり、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、源義経(菅田将暉)の愛妾・静御前など、意思の強さを感じさせる役どころを多く演じてきました。しかし『燕は戻ってこない』においては、自分に自信がなく幼さすらも感じさせる、“負のオーラ”を纏った貧困女性を演じています。

代理母出産という特殊な題材をテーマにしている同作の登場人物たちは、皆なかなかに共感しづらい設定です。石橋演じる主人公のリキも、育ちや不運が重なったにしても、不安定な生活から抜け出すための“懸命さ”は感じられず、行き当たりばったり。感情と欲望に身を任せて父親が誰か定かではない妊娠をするなど、自分勝手な印象すらあります。

でも、清廉潔白な人間なんていない。無知だけど傲慢で、欲深い。共感はできずとも、リキの行動の背景に潜む人間の“業”をまざまざと石橋は見せつけてきます。自分がその立場だったら、リキのように誤った選択をしてしまうかもしれない――と心がザワザワするのは、石橋の豊かな感情表現に見入ってしまうから。視聴者がリキに苛立ちを覚えるのであれば、それは石橋の表現力のなせる技といえるでしょう。

◆『アンメット ある脳外科医の日記』杉咲花

記憶障害案件が多発した春クールのなかで、最も繊細にその心情を表現したのは、6月24日に最終回を迎えるドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系、月曜よる)主演の杉咲花ではないでしょうか。

杉咲演じる川内ミヤビは、不慮の事故により脳に損傷を負い、記憶障害の重い後遺症をもった脳外科医。過去2年間の記憶が抜け落ちており、今日起こったことはすべて明日には忘れてしまうのです。ミヤビは毎日の細かな出来事と気持ちを日記に綴ります。毎朝5時に起きて、戸惑いながら日記を読むところから始まるミヤビの日常。それを丁寧に表現する杉咲の演技は大いに注目を集めました。

◆泣き演技の天才は、“日常の描写”でも凄かった

もともと演技力には定評のある杉咲は、特に近年難しい役どころを務めています。ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』では、ヤンキー青年と恋をする強度の弱視を抱えた女子高生。映画『市子』では、過酷な家庭環境で育ち、無戸籍で生きることになった壮絶な半生を背負う女性。そして今年公開された映画『52ヘルツのクジラたち』では、実母からネグレクトを受け、21歳で義父の介護をひとりで担う主人公。どの役も、期待を大きく上回る熱演で心を揺さぶられました。

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