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池上季実子、65歳。コロナで死の淵をさまよって変化したこと「もう終わってしまうかもしれないと…」

女子SPA! / 2024年7月4日 8時45分

◆病床では「これで終わってしまうかも……」と思いを巡らせていた

――デビュー50周年を迎え、SNSなどを見ていてもポジティブに日々を過ごされている印象ですが、その原動力はどこから湧いてくるのでしょうか?

池上:自分でも元気な人間だと思っていたので、まさかコロナで倒れて“お花畑”を見ることになるとは思っていなかったわけです。ただそうなると、人間いつ死ぬか分からないから、無駄な時間は嫌だなと思うようになるんです。

それまで以上に好きな人に会い、食べたいものを食べ、大好きな仕事、芝居をいっぱいしたいと思うようになる。単純な理由です。もともとそういう性格でしたけれど、余計にそれが強くなりました。

――2022年にコロナになり生死の境をさまよったと話題になりましたが、病気で落ち込まず、反対にもっと気力が出てきたわけですね。

池上:病院でひとりでいると、だんだん頑なになってくるんですね。テレビでは新しいドラマがたくさん放送されるので、自分はずっと病室にいると置いて行かれた感じになってしまう。長らく芝居をやっていたけれど、これでもう自分は終わってしまうかもしれないと。何のために自分は芝居をやってきたのかと思うんですよね。

ベッドの上で、本当にいろいろと想うわけです。自分の青春時代、遊びたいけれど遊ばなかったですし、子どもできて子どもを育て、母子家庭で頑張ってきたこと。寝る間も惜しんでやってきた仕事だって。

◆一期一会という言葉の意味が、前よりも深くなった

――人と会うことが難しい、孤独感が増した時期でもありましたね。

池上:仕方がないんですよね。生きている人で回っていく世界だから。でも自分が外に出ていく、仕事をしていたという感覚がないくらい、止まっていた感じがあったんです。そこへ、撮影がコロナで止まっていたこの映画の話が再び来たのですが、「季実子さんどうしますか?」と聞かれたときに、ダムの決壊みたいにバーッ!と感情があふれ出したんです。

知らない間に自分がフタをしていたのか閉じていたのか、その言葉ひとつで「やります!」と決めました。それで治療も進んだような気がするんです。人間は目標があるとアドレナリンが出るもので、わたしの先輩にもいましたよ。現場で胃痙攣を起こしたけれど、本番になったら治っちゃった方が。役者はこういう異常なアドレナリンが出るものなのですが、それに近いと思う。

――もしかすると50年前のデビュー当時より、今のほうが仕事は楽しいのではないでしょうか?

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