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松本穂香「群れることが苦手」どこまでも不器用な女性に共感してしまうワケ

女子SPA! / 2024年7月26日 15時45分

松本穂香「群れることが苦手」どこまでも不器用な女性に共感してしまうワケ

松本穂香さん

 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが不器用な女性が人生の愛おしさを見つけていくヒューマンドラマ『時々、私は考える』について語ります。

◆自分自身の何かを重ねずにはいられない主人公

 今回、わたしがご紹介させていただくのは映画『時々、私は考える』です。

 主人公のフランは人付き合いが苦手で不器用。同僚からの挨拶には少し口角を上げるだけだし、退職祝いのパーティではすぐに抜け出す始末。そんな彼女の職場にある日、新しい同僚のロバートがやってくることで、色のない彼女の日々に変化が訪れる……といった物語です。

 とても素敵な映画でした。群れることが苦手で、どこまでも不器用な彼女に自分自身の何かを重ねずにはいられませんでした。

 もっとテキトーに生きられたら。もっと軽口を叩けたら。自分自身を受け入れて、自信を持って笑えたら。何度も自身を“つまらない”と卑下する彼女が悲しくて、その度に彼女の今までの人生や孤独が目に浮かぶようでした。

◆無理をして空気を読んで、求めに応じてしまう

 あまり話さない、大人しいフランだからこそ、周りのことがよく見えています。相手が自分に求めていることに気づいて応えようと無理をしてしまったり、自分のコミュニティでの立ち位置を分かっていて、そこから外れないように常に空気を読んでいたりする。

 その人間力や面白さに彼女自身はまったく気がついていないことが、どうしようもなく歯がゆかったです。

 誰もが自分の足りない部分を抱えながら、苦しみながら生きている。そんな毎日を切り抜けるために必要なものは人それぞれ違って、お酒だったり、おいしいご飯だったり……。

 人によって逃避の形が違うからこそ、悩んだり傷ついたりしてしまうこともあるんだなと、自分の在り方に苦しむフランを見て感じました。

◆視点が変われば、ガラッと違うものに見えてくる

 特別な展開があるわけではないけれど、静かに揺さぶられ続ける。

「この人は私自身だ」

 そう思わせてくれる映画から救われる人がいると私は信じたいです。無意味に感じるものだとしても、視点が変われば、ガラッと違うものに見えてくる。改めて、映画の存在意義みたいなものを感じさせてくれる作品でした。

 家でひとりきり、むせび泣いた経験がある人全員にこの映画を観てほしい気持ちです。

●『時々、私は考える』

配給/樂舎 新宿シネマカリテほか全国順次公開中 ©2023 HTBH, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

<文/松本穂香>

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。現在、映画『鬼平犯科帳 血闘』に出演中。7月から始まる舞台『ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録-』にも出演予定

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