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「僕の確認ミスかもしれないんですけど…」大河初出演の塩野瑛久、一条天皇を演じる上で大切にしていたこと

女子SPA! / 2024年7月15日 8時46分

そんな一条天皇を演じる上で軸としていたのは、やはり「人の心の距離感」でした。

「演じてみるといろんなことが見えてくるな、と思っていて。現場でシーンを重ねていくと小さな変化や「きっとこういう気持ちだったんじゃないだろうか」ということを強く感じる日々です。

御簾の存在の大きさや、公卿たちが自分の目の前に立つと本音はまったく吐き出せない、ということをわかっている一条天皇もいます。だから、本音でぶつかりあえていないという苦しさもあったり、『今はこう思っているけれど、裏では違うことを言っているんだろうな』ということも馬鹿じゃないからわかるんですよね。そういう意味での孤独感はあります。それは序盤で道隆(井浦新さん)が流行り病のことはなんとかしておくから余計なことを考えないでください、と言って、結局手を下さなかった、というトラウマみたいなものもあるんですよね。みんな自分の前では多分本音を言えないんだろうな、って。

でも、その中で、道長が自分に向き合ってくれたり、少しずつ本音を交えていくことで、道長への信頼感や一条天皇の成長に関わってくるのかな、と思っています」

◆本当の道長も温和だったかもしれない

物語が進んでいく中で、より重要となってくるのが道長との関係です。柄本佑さん演じる道長が左大臣になってからは、対峙するシーンが増えています。

政権のトップに道長を指名したときは、母・詮子(吉田羊さん)の言葉によるものが大きく影響していました。それが、一条天皇の成長と共に変化していきます。

「一条天皇自身は世の中をよくしたいという思いはずっと持っていましたが、道長を見て、これまで見てきた道隆や伊周とは少し毛色が違うと思ったり、ことの運びを聞いて『おやおや』と。どうやら道長は少し気が合いそうだ。合わなかったとしても、なるほどと頷けるようなことをはっきり言ってくれることによって、道長への信頼感は積み上がっていったんじゃないかな、と思うんですよね。でも、信頼だけでもない。煙たい瞬間も必ずあったと思うし、道長の狙いというものを感じた瞬間もあると思います」

そして塩野さん自身は道長の人物像についても「策略もあるでしょうけど、『いいやつじゃん』と思えるようなこともきっとあったと思うんですよね」とも。

「先日、(柄本)佑さんと『源氏物語』を紐解く番組でご一緒したときに見た道長から一条天皇への贈り物が、一条天皇の好きなものを熟知しているようなものばかりだったんです。それは信頼関係のひとつでもあったのかな、と思いました。もちろん、取り入るために、と言ったら話はそれまでです。でも、一条天皇が喜ぶものをわかって贈っているのだとしたら悪い気はしないだろうな、と思います」

そんなエピソードもありつつ、「実際、『光る君へ』の道長のような性格だった線もあり得るなと思わせられる」と言います。

「史実の道長は、政治を自分の思いのままに操ることができるぐらいの地位にいたと思われていますが、ドラマの道長は温和でそんな素振りを見せません。あながち、本当にそんな性格だった線もあるな、と思わせられるぐらい。やっぱり大石さんが描くこの世界が筋を通っていながらも、劇的だし、見ごたえがある作りになっているんだな、と感じます」

<取材・文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ

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