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38歳女優の“笑いのツボを押しまくる演技”。夫とのエピソードでも垣間見えた面白さ

女子SPA! / 2024年7月19日 15時46分

 言わば、家庭劇にとって必要人物みたいな存在。木南がいるところに、快活なファミリートークは、自ずとグルーヴィーに活気づき、百発百中、視聴者を喜劇の世界に招待してくれる。

◆喜劇のためにAI化

 常にポーカーフェイスを貫いて笑いを誘うスタイルは、チャップリンと同時代の喜劇俳優バスター・キートン的でもある。木南のこの上なく正確な喜劇的特質が理想的な体幹に裏打ちされながら、シャープに打ち出されているのが、出演最新作『ビリオン×スクール』だ。

 山田涼介がカリスマCEO・加賀美零を演じる本作第1話、加賀美グループの新製品発表会でお披露目されるのが、AIスーツというのが何とも。加賀美の秘書・芦沢一花を木南が演じるが、木南の百発百中の演技自体、AI搭載の喜劇俳優スーツでも着ているのではないかと思ってしまうのだから。

 発表会の客席から、CEOが自分の顔を機密にしているのは顔がブサイクだからではないかという囁きを聞き、憤慨する零に対して、一花が、「あぁ、なるほどなるほど、ブサイクって言われたの気にしてるんだ」と言う。

 ここから場面の雰囲気は、一気に木南主導の軽妙なやり取りの応酬になる。ほんと喜劇的間合いのためにAI化されたようにしか見えないくらいなのだが……。

◆“演技怪獣”木南晴夏

 AIスーツを着た零が、教育用AIプログラム開発研究のために、私立絵都学園の問題クラス(通称、ゼロ組)の担任として赴任する設定は、ちょっと唐突過ぎるが、クラスという家族以外の共同体の中でもやっぱり木南は、コミカルなジャブを好き勝手にどんどん打っていく。

 副担任として初めに挨拶した一花が、満員電車に怯えて遅刻した零を教室に呼び込む場面でも、ほとんど聞き取れないくらいの早口でいきなり怒鳴る。零が尊大な態度を取り始めると、一応適宜フォローを入れるなど、一花は、基本的にはポーカーフェイスでいたって冷静にいるが、ある瞬間にスイッチがオン。

 職員室では、教頭・土橋淳平(永野宗典)から遅刻してきたことの反省を促され、「おい、なに遅刻してんの」と言いながら、自分で自分の肩を小突く。大丈夫か、この人……。と思わせて、また冷静に戻る。

 大富豪で自ら開発者である零は、令和の日本のアイアンマン的存在なんだろうけど、そんなアイアンマン・山田涼介に対してAI的に笑いのツボを連打する木南晴夏。

 明石家さんまのことをお笑い怪獣と形容することがあるが、木南晴夏は、喜劇的な“演技怪獣”だと思う。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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