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大竹しのぶのきついマウントセリフに、有村架純の見せた真骨頂とは?/ドラマ『海のはじまり』

女子SPA! / 2024年7月22日 15時46分

◆瞳にさみしげな表情が朱音と津野はとても似ている

津野は水季とはつきあっていたわけではないが、夏がいない間、最も海にとって父親に近い男性であったはずで。それが血のつながりがないというだけで、自分の重要度が一気に下がったことに傷ついて見える。

朱音と同じ感覚なのだと思う、どこか満たされず、口角が少し下がり、瞳にさみしげな表情が朱音と津野はとても似ている。

だから津野はどうしても夏に対して構えてしまう。「すみません」ばかり連発する海に謝ると「意地悪してる気になって気分悪いんで」からの「謝まんないんかい」の会話はこの回のベスト。

しかも、水季が亡くなったことがまだ整理できず感情がぐちゃぐちゃになっているのだと説明するところも、なるほどなあと思わせる。

◆「生むのも育てるのも大変なの」にそれでも「楽しかった」

朱音の場合は、夏にも、そして弥生にも、対抗心のようなものを抱く。同じく血がつながっていないが、夏の恋人ということで、海に近しくなっていく弥生は、津野と朱音と同じ「外野」のはずが、「内野」になる可能性を秘めている。

帰宅した際、疎外感を抱いたことを隠し「楽しかったです」と微笑む(有村架純得意の、本心を隠して浮かべるものわかりのよさそうな微笑み)と、朱音はかちんとなって「生むのも育てるのも大変なの」と言い返す。

それでも弥生は「楽しかった」と強調してしまうから、ピリピリムードに。ものわかりよさそうだが、芯は強いのが有村架純の得意とする役である。

◆傷が深くなっていく弥生、これぞ有村架純の真骨頂

何も知らない朱音は、弥生が子供を生んだことも育てたこともないとマウントをとるが、生んだことも育てたこともないうえに殺してしまったという重い十字架を背負った弥生は、痛いところをつかれても、なお穏やかそうに毅然(きぜん)と対峙(たいじ)する。

そのとき、弥生のサイドの後れ毛が風にかすかに揺れているのが弥生の気持ちの現れのようだった。第3話は高野舞演出。

だがどんなに意地を張っても(図書館で母のための参考書を借りようと前向きに努力もしている)、いざというとき海は、弥生の差し出した手をスルーして夏のもとに走り、なかなか母の代わりになれないことを思い知らされる。どんどん傷が深くなっていく弥生。これぞ有村架純の真骨頂である。

まだドラマは第3話なので、どこまで傷が深くなるのか、不謹慎ながら楽しみになる(ドラマだからゆるされる嗜虐《しぎゃく》感)。でも、きっと血のつながりを超えて弥生が海と近づいていく物語が待っているはず。

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