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生理中でも入浴は週1回のみ。生活保護で「貧困から救われた女子高生」が伝えたいこと|漫画『東京のど真ん中で、生活保護JKだった話』

女子SPA! / 2024年7月27日 15時46分

発売後の反響は「生活保護家庭のイメージが変わった」「逆境でも前向きに頑張る姿に励まされた」など、好意的な感想が大半だったので、本当にありがたかったです。なかには「自分も貧困家庭で育ったので共感しました」という声もあり、“つらかったのは私だけじゃないんだ”と感じられて嬉しかったのを覚えています。

◆生理中のお風呂も週1回しか入れない生活

――たしかに、生活保護を受け始める前の貧乏生活も丁寧に描かれていました。当時、どんなことで苦労しましたか?

五十嵐:漫画にも描きましたが、週に1回しか銭湯に行けないのが、とにかくつらかったです(笑)。小学生の頃、友だちと「お風呂に入る頻度」の話題になり、「うちは週1回」と答えてドン引きされたときに“うちはほかの家と違うのかも”と気が付きました。

中学に入ってからは、台所で髪を洗って体を拭いたり、近所に住む伯母さん家にもらい湯をさせてもらったりと対策したのですが、生理中は特に大変でした。週1回の銭湯も、生理のときはズラさなければならないし、終わりかけでも施設や周囲の人に迷惑をかけないように細心の注意を払いました。台所で身体を拭くときも、血で汚れたタオルを何度も洗うので、情けない気持ちでいっぱいでしたね。

その家庭によって“どこにお金をかけるか”に違いがありますが、うちはお風呂にお金をかけなかったのかもしれません。最近は経済的な理由で生理用ナプキンが買えない「生理の貧困」が話題になっていますよね。我が家はお金がなくとも生理用品は買ってもらえたので、その点は本当によかったです。

◆制度を利用しない両親に対するもどかしさ

――『生活保護JK』を読んで、毎日お風呂が入れる幸せに気付かされました。そのほかの面では、学校で配られた「算数セット」でゲームを考えたり、500円のマックカードがもらえるボランティアに参加したり、と自身のアイディアで生活を豊かに過ごす様子が印象的でした。

五十嵐:単純に遊び道具が少ないのと、根が楽観的なので、なんでも楽めるタイプなんですよね。ほかにも、大きな家に憧れて、ポストに入っている不動産広告を見ながら豪邸での暮らしを妄想するのも趣味でした(笑)。いろいろな遊びをしたなかでも“お絵かき”が大好きで、コスパもいいしずっと絵を描いて過ごしていたので、小学生時代から漫画家を目指していましたね。

◆両親は病気、兄は引きこもり。親戚を頼るのも限界に

――知恵を絞って貧乏生活を送りながらも、高校3年生のときに生活保護の受給が決まって“ホッとした”と描かれていました。90年代当時は、現在よりも生活保護に対する偏見が強くありましたが、制度を利用しない両親にもどかしさを感じていたのでしょうか。

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