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朝ドラ『虎に翼』に登場した23歳俳優の“リアル父親”に驚きの声。お父さん以上に強烈かも

女子SPA! / 2024年7月28日 8時46分

 深々と快活に頭を下げる寅子に対して、何ともやる気なく、「お願いします」とボソボソ答える。手鏡を見つめ、しきりに櫛(くし)で髪型を整えてばかりいる判事・入倉始(岡部ひろき)。初登場にしては影が薄い。でも独特な存在感はある。『情熱大陸』の稽古中の場面同様に、岡部ひろきは画面上にひょっこり出現する人でもある。

◆父親以上に強烈

 第17週第81回で再登場。機械的な口調でどこか投げやりだが、ここでもやっぱり髪型だけはしっかり気にしている。仕事中でもお構いなしに櫛を手にする習性がある。何をそんなに気にする必要があるんだか。

 1980年代くらいの(あるいは1950年代を舞台にした)アメリカ映画に出てくる若者たちは、油で固めた髪を整えるためによく櫛を取り出す。入倉もたぶんアメリカ人の若者に負けないくらいの頻度で髪に櫛を入れると思う。

 髪型を整えるために櫛を取り出す人物としてここまで執拗に描かれると、寅子の父・猪爪直言を演じていた俳優が、岡部たかしだったことをうっかり忘れそうになる。父親以上に息子も十分強烈な俳優ということだろうか。

◆感嘆しておきたくなる長台詞

 石橋静河主演の『燕は戻ってこない』(NHK総合、2024年)第3話にひろきがゲスト出演したことも記憶に新しい。大石理紀(石橋静河)から卵子を提供されることになった草桶悠子(内田有紀)が、春画を描く友人・寺尾りりこ(中村優子)と飲み会をする場面。

 周りに聞こえる大声でセクシャルなワードを連発するりりこに対して、後ろの席に座るサラリーマンの一団が聞き耳を立てる。結局合同で飲むことになった酒席で、ひろき扮するサラリーマンが、うんうんとうなづきながら、「伺って安心しました」と一言。

 ある程度まとまった台詞を吐くひろきを筆者は初めて見た。何せ『虎に翼』では、まだ印象的な言葉を発していなかったのだから。第83回でひろきがやっとまとまった長さの台詞を話す。

 担当する刑事事件について話し合う寅子と航一の間に割って入ったわりには、「考え過ぎと言うか、そもそもその子が関係してるかなんてどうでも良くないですか」と拍子抜けする意見。思わず「はて」を発した寅子。ちらっと見ただけで特にコメントをしない航一。ここで視聴者は、「かあ」と感嘆しておけばいいだろうか?

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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