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猛暑には麻が涼しい。日本から長い間消えていた大麻の衣服を着てみたくて

女子SPA! / 2024年9月1日 15時46分

 庭に種をまくこと数週間。ひょろひょろとひ弱な茎と、薄い緑色の小さな葉っぱが伸びてきて、その先端に咲いたのは、これまた消え入りそうな薄い水色の可憐な小花でした。これがリネンになるのね、と感動したのもつかの間、ひょろひょろのリネンはうまく育たず、一年草として、その年で枯れて終わってしまいました。

 リネンも好きですが、その他の麻も気になります。けれどもラミーとヘンプの製品はそれほど多く売ってはいません。特に2000年より前は、ヘンプの服など見たことがありませんでした。

 しかし麻を探していたある年、ラミーと記載されているインポートのサファリジャケットを発見したのです。早速買ったラミーのサファリジャケットは、適度な硬さと耐久性のある素材でできており、色、デザインともお気に入りの一着だったので、すり切れるまで着続けました。

◆ヘンプは今サステナビリティから注目されている素材

 最後にヘンプです。実はこのヘンプ、今、サステナビリティの観点から大変注目されている素材なのです。

 理由は、成長が早いこと、農薬や化学肥料が不要、または少量で済むこと、荒れ地でも育つことなど。ヘンプの重要性については、edXのサステナブルファッションのコースでも特に強調されていました。

 日本に木綿が輸入される前に衣服に使われていたのはヘンプ(大麻)です。日本では長い間使われてきた馴染みがある素材です。

 それが1948年、GHQにより大麻禁止法が施行され、大麻の所持、栽培、使用がすべて禁止されました。その影響もあって、ヘンプ素材の衣服は、長い間、日本から消えていました。

 しかしこれからはヘンプです。麻好きな私としてはぜひ着てみたい。そう思っていろいろ見ていたのですが、まだまだ市場に多く出回ってはいないこと、またあったとしても高価なものが多いことなどから、ずっと保留にしていました。

 そんな折、いつもながめていた生地屋さんで、お勧め素材としてヘンプが出ていることに気付きました。それならば、生地を買って何か作りましょう、ということで今回、巻きスカートを作製してみました。

◆猛暑の日々には麻が涼しい

 初めて触るヘンプは、感触としてはリネンとほとんど変わりありません。しなやかで、光沢があり、扱いやすい生地でした。

 作ったのは、家の中と、ちょっと近所への買い物時に、レギンスの上から履きたいなと思った巻きスカート。久々にデザイン、パターン、縫製と全部やってみました。

 まだまだ高価な素材のヘンプですが、生地を買って自分で作る分には手が届くと思います。何より猛暑の日々には上下とも麻が涼しい。

 環境負荷が少なく、真夏でも涼しく、長もちし、美しく、洗濯するほどにしなやかになり着やすくなる。しわになりやすいという欠点があってもなお、麻はやっぱり愛おしく素敵な素材なのです。

◆筆者私物:ヘンプ40番手平織りソフト(有限会社福田織物)

<文/小林直子>

【小林直子】
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。

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